趣味カメラはAIに生成できない
「AIに頼めば映え写真なんてカンタンに生成できるのに、なんでカメラなんかやってるの?」
はい、あなたがカメラ好きだったら、この問いになんと答えるでしょうか。
コレ意外とシンプルなんですけど、自分で撮りたいからカメラやってるんですよね。
プロンプトひとつでフォトジェニックな写真を作れるのに、わざわざ撮影スポット行ってカメラの設定いじくり回して、構図やフレーミングに頭をひねる。
結果だけが欲しいなら絶対にやってません。
自分で作りたいんですよ。写真を。
カレー大好きな人が休日に食材と調味料を買い込み、何時間もかけてこだわりのオリジナルカレーを作っちゃうのと同じ原理なんです。
うまいカレーが食べたいだけなら、カレー屋さん行けばOK。専門店とかなら1000円ちょっとでハイクオリティな味が堪能できます。
でもそういうコトじゃない。
材料費に数万円つぎこんで、下手すりゃ数日煮込むカレーは、コスパだけ考えれば絶対に食べに行ったほうが安いし早い。
だけどやるんです。
費用対効果なんか関係ありません。
カメラを趣味にするってのはそれと同じで、「撮影に関わる全てを体験したい」が原動力ってこと。
マーケティングの有名な格言に「ドリルの穴理論」てのがありますが、アレの真逆の世界。
なにその理論?てな人向けに説明すると、ホームセンターにドリル買いに来るお客さんはドリルが欲しいんじゃなくて、穴が欲しいんだ、っていうハナシ。
結果(この場合は穴を開ける)がお客さんの目的なんだから、ちゃんとそれを満たすモノを作らないと売れないよ、とかそんな意味なんです。
じゃあカメラに当てはめるとどうなるかと言うと、「カメラ買いに来るお客さんは、カメラが欲しいんじゃなくて映え写真が欲しいんだ」になるんですよ。
根本的に違うのがワカりますよね。
映え写真という結果が欲しいんじゃありません。映え写真に至るまでの過程を体験したいということ。場合によっちゃ映えてなくてもかまわない。
ドリルの穴理論が通用するのは、素材として商用利用する納品写真くらいでしょうか。これこそプロンプト打ち込めば早そうです。
今は何でもかんでもAIになって結果へのクオリティはうなぎ登りですが、過程へのフォーカスはおろそかになりがち。
過程という「体験そのものの価値」というのはAIには生成できないので、このへんが次の主役になるのかもしれませんね。
だってホラ、人間ってわざわざ無駄なことするの好きですから。
取材費になります!