東京から大島に来て感じる、「音」の癒し
福岡県・宗像大島にある一棟貸しの宿『MINAWA』。現地のオペレーションを担当しているのは、東京からやってきた星野守孝さん、通称「もりさん」です。長年東京で働いてきたもりさんが、大島にいて感じることを心のままに綴る「もりさんの大島日記」。今回は島で聴こえる、感じる「音」について語ってくれました。
「海の音」もさまざま
まわりが海に囲まれている大島は、やっぱり波の音、風の音がよく聞こえる。
漁港の近くにいると、漁船のエンジン音が耳に残る。
近所に住んでいる男の子は、船のエンジン音でお父さんの船だとわかるらしい。
波の音も場所によっていろいろで、岩瀬の海岸では波の音とともに小石がジャラジャラと鳴っているのも心地よい。
MINAWAからはその素晴らしい景色とともに、玄界灘の響きというか、海の声が聴こえるようである。
海上を渡ってくる風は優しく穏やかな時もあれば、すべてを掻き消すような
すさまじいこともある。その時の音には、さすがに自然の驚異を感じる。
ここでは、都内で暮らしていると日常茶飯事のように鳴り響く、緊急車両のけたたましいサイレンが聞こえない。
ダンプやトラックの左折警告音(「左へ曲がります」というあれだ)が聞こえない。
マナーのわるいドライバーが煽るようなクラクションも聞こえない。
品のないスポーツカーの、やかましいエンジンも聞こえない。
こっちでやかましいと思ったのは、トンビの声くらいだろうか。
正午に鳴る、どこかなつかしい気持ちにさせるセンチメンタルなメロディもいい。
夕方5時直前に響き渡るサイレンには、はじめはおどろいた。時間の合図と緊急時の動作確認の意味もあるらしい。
冬は夕方5時、夏場は夕方6時に、夕暮れを告げるお馴染みのメロデイが島に流れる。
夜は本当にとても静か。
星が綺麗な夜空を見上げたときには、時間が止まったように感じる。
朝は鳥の声。夏の途中まではウグイスの声で目覚めていた。
フェリーの音で時間がわかる
大島と九州本土を結ぶ、フェリーのホーンの音が気に入っている。
入港するとき、出港するとき。出港10分前には3回鳴ることもわかった。
ターミナルから近いところに住んでいる人は、その合図で家を出ることもあるそうだ。
それからフェリーや旅客船が大島港に入港するとき、向かい側にそびえる御嶽山にホーンの音がこだまするのもまたいい。
大島港から出港する船は1日7便。
それぞれ時間が決まっているから、最近は時計をみなくてもフェリーの音が聞こえることで、今がだいたい何時かわかるようになった。
島のお年寄りの男性は、皆さん声が大きいように思う、
もともと漁師で船上(海上)で仕事していて仲間と声を掛け合うのに大声でやりとりしていたからか、今でも声が大きいとか……。耳が遠いこともあるかもしれない。
大自然の音が優しく耳に響く、素晴らしい場所、大島。
都会にはない、そのあらゆる音に日々癒やされている。
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