Local Bridge学生局でやりたいこと

Local Bridge学生局
くろっぷ

1.はじめに

はじめまして!北海道で大学院生(修士1年)をしている、くろっぷと申します。この度Local Bridge学生局へ入局し、地方創生の取り組みに関わらせていただくことになりました。ここでは自己紹介として、私が地方創生に関心を持った経緯やLocal Bridge学生局で行いたい活動についてお話ししたいと思います。


2.自己紹介

2.1 地方創生に関心を持った経緯

地方創生には様々な論点がありますが、私は特に都市部から地方に参入する移住者に関心を持っています。移住者への関心を出発点として徐々に関心が広がっていき、現在では「過疎地域において、移住者はどのような特徴をもつ人的ネットワークをどのようなプロセスで構築するのか」というテーマで研究を行っています。以下、この経緯をもう少し詳しく説明します。
まず移住者に関心を持った経緯について説明します。私は2020年度に大学へ入学しました。当時はコロナ禍の真っ只中で、北海道にも緊急事態宣言が発出されていました。埼玉県から札幌市に「移住」した私は当然知り合いもほとんどおらず、コミュニティ作りに大変苦労しました。コロナ禍による行動の制限は大学3年生まで続き、苦労しながら新しい環境に馴染んでいったのです。そんな中、大学3年生の際に大学の講義で「移住者」という存在を知りました。都市部から地方へ移住し「よそ者」の視点で地域発展に貢献している人がいるという趣旨の講義でした。新しい環境に馴染むのに大変苦労した私には、わざわざ自分のコミュニティから飛び出して新しい環境に入り込もうとする移住者は大変興味深い存在でした。そして「移住者ってどんな人なんだろう」「どうして移住しようと思うんだろう」という疑問を持ちました。この疑問が深まり、最終的には移住者を研究対象とするに至りました。
次に、現在の研究テーマについて紹介します。現在の研究テーマは「移住者はどのような特徴をもつ人的ネットワークをどのようなプロセスで構築するのか」というものです。地方創生の取り組みにおいて、移住者が地元住民との交流を通じて重要な効果を発揮することが指摘されています(敷田 2009)。また、地域内の人的ネットワークの重要性も指摘されています(奥田ら 2001)。さらに、近年では移住者や地元住民、関係人口といった多彩なプレイヤーが交錯し、地方創生の取り組みが展開されている地域が確認されています(小田切 2024)。以上のことから、移住者と地元住民が繋がりを構築し、各地域が「よそ者効果」をうまく取り入れながら地方創生の取り組みを進めることが重要であると考えられます。ゆえに「移住者が地方へ参入した後にどのような特徴を持つ人的ネットワークをどのようなプロセスで構築するのか?」というリサーチ・クエスチョンの解明が必要だと考えられます。具体的には、繋がりを作る相手の属性(移住者なのか?地元住民なのか?)という点や、どこで知り合いを作るのか(人からの紹介?地域行事?)という点です。私はこのようなリサーチ・クエスチョンを、移住者に対する社会ネットワーク分析と聞き取り調査を併用して解明しようと試みています。


2.2 Local Bridge学生局に参加した理由

参加した理由は主に3点あります。
第一に、私と同じく地方創生に関心のある学生と繋がりたかったからです。現在、私は地方創生に関わる学生コミュニティとの繋がりがなく、基本的に個人で活動しています。一人での活動には気楽さもありますが、どうしても中だるみしがちです。ここ1年くらいの間、共に刺激を与え合い、情報を交換できる学生の繋がりを求めていました。そんな中、XでLocal Bridge学生局を知り、「地域もキャリアも、幸せにする」というコンセプトで活動する学生コミュニティに魅力を感じました。同じ志を持つ学生と交流を深め、モチベーションの向上や新しい活動の展開が起こることを期待しています。
第二に、地域の強みを深く理解しPRするための支援組織が必要だと感じているからです。地域の強みをPRする組織として地方行政が挙げられます。しかし近年の地方行政は、人手不足と業務量増加により負担が増加している現状があります。以前に聞き取りをしたある自治体の職員からも、「国から要請された計画を策定しているが、忙しさに加えて異動したばかりで、前年度の焼き直しに終わっている」という声を聞きました。この現状を目の当たりにし、地域の強みをPRする行政の役割を支援する組織が必要だと感じました。私はLocal Bridge学生局のライティングチームに参加し、各地域の強みを周知することで行政支援や地方創生に向けた活動のさらなる活性化に貢献したいです。
第三に、専門外の方々にも内容をわかりやすく伝えるスキルを高めたいからです。研究を進める中で、成果を専門家の方や地域の人々に伝える場面が度々あります。この経験から、地方創生を進める上では、地域のあらゆる関係者に成果をわかりやすく伝える力が重要であると実感しました。Local Bridge学生局ライティングチームの活動を通じて多様な媒体や対象に向けた執筆経験を積み、ライティングスキルをさらに高めたいと考えています。


3.参考文献

敷田麻実(2009):よそ者と地域づくりにおけるその役割にかんする研究,国際広報メディア・観光学ジャーナル,9,79-100

奥田裕規・立花敏・大松美帆・久保山裕史・横田康裕・井上真(2001):山村集落の生活を支える人的つながり 岩手県沢内村を例に,日本林学会誌,83(1),47-52

小田切徳美(2024):『にぎやかな過疎をつくる—農村再生の政策構造』,農村漁村文化協会,埼玉

安田雪(1994):社会ネットワーク分析:その理論的背景と尺度,行動計量学,21(2),31-39

芦田裕介・北島義和(2023):農村における住みづらさとは~地域活性化を問いなおす~(渡邉悟史・芦田裕介・北島義和編『オルタナティブ地域社会学入門~「不気味なもの」から地域活性化を問いなおす~』),ナカニシヤ出版,京都,8-9


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