『月と蛇と縄文人-シンボリズムとレトリックで読み解く神話的世界観』●大島直行著

 考古学の世界では、出土品などの分類が目的化し、その型式研究や編年研究が中心になっていると著者は言う。またマルクス主義の影響で、出土品の経済合理性や機能性にばかり目を奪われているとも。二十世紀最大の宗教学者と言われるルーマニアのミルチャ・エリアーデの宗教学的視点を導入したネリー・ナウマンの著作に出会った著者は、これまでとは大きく異なる視座から縄文研究に取り組むことになった。
 そして、土器や土偶から、貝塚、竪穴式住居、ストーンサークルに至るまで「死と再生」を意味する月のシンボリズムに貫かれていると見て、出土品や遺跡のデザインに見られる縄文時代独特のレトリックを、次から次へと解読して行く。
◆1890円・四六判・277頁・寿郎社・北海道・2014/1 刊・978-4-902269-67-3

情報誌【アクセス】新刊ダイジェスト(2014年03月号発行分)より

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