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災害時に不足しやすい栄養について~ビタミンB群・亜鉛・タンパク質・鉄分~

ビタミンB群の重要性

まず被災した際に、一番初めに手に入りやすい食料としては包装されたおにぎりやパンなどに代表される主食(炭水化物がメイン)ものではないでしょうか。
多くの人に受け入れやすく(食べやすく)、腹持ちの面や食中毒予防の面から考えてのことと思います。

また、栄養補給の為に野菜ジュースや果物のジュースが配られることもあります。
野菜や果物をミキサーなどで砕いた分、糖質としての吸収は食べる時よりも数段早くなります。

血糖値の調節障害がある方(糖尿病や糖尿病予備軍)は一気に食べる(飲む)と血糖値の乱高下があり、場合によっては危険ですので十分にご注意ください。
特にインシュリン自己注射の方や血糖値調整の投薬中の方は、できるだけ早めに相談できる方(医師や看護師、薬剤師など専門家)にご相談いただければと思います。

糖質を効率よく代謝してエネルギーを得るのにおすすめなのは、ビタミンB群になります。

被災時の食事はどうしても炭水化物メインになるものが多く、ビタミンB群がとても消費される傾向にあります。
ビタミンB群不足の状態ではエネルギー産生効率が少々悪く、身体が疲れやすくなったりイライラしやすくなることも予想されますので、積極的に摂取しておけば、身体活動を支えてくれるようになります。

もし、今回ビタミンB群のサプリメントを揃えられる場合はビタミンB1・B2・ナイアシン・パントテン酸・ビオチン・B6・B12・葉酸などまんべんなく含まれているタイプがおすすめです。

亜鉛の重要性

糖質代謝においてもう一つ欠かせない栄養素は亜鉛です。
災害下における食事は添加物が使われている加工食品であることが多いため、それを消化吸収することにより亜鉛はより多く必要とされます。


また、今の新型コロナウイルスの感染も懸念される状況でもあるため、ご自身の免疫力を上げる※ためにも亜鉛を積極的に摂取されたほうが望ましいと考えます。

ナチュラルキラー細胞 (NK細胞:エヌケー細胞)
ウイルス感染細胞などを攻撃・除去に重要な役割があり、働きには亜鉛が関わっています


タンパク質の重要性

被災してしばらくすると、(炭水化物メインの食事が続くことやそれまでの栄養やエネルギーが足りない場合は)体内に貯蔵されていた脂肪や筋肉が分解され始めますので、それを防ぐためにタンパク質や脂質も含まれる食事がより必要になってくると思います。

タンパク質や脂質の代謝にも糖質の代謝同様、ビタミンB群はとても活躍します。

支給される食事や弁当、とくにタンパク質においてはまだまだ量が足りないと予想されますので、魚や肉の缶詰プロテインプロテイン含有食品栄養補助食品をうまく利用していただければと思います。
タンパク質はからだを作る材料になることはもちろん、体内で働く酵素やホルモンの材料になりますから、枯渇すればご自身の筋肉を使いながら生命を維持することになります。

ただし、腎臓病の方でタンパク質の摂取制限が必要な方は、その限りではありません。
被災前に食事指導を受けられた方がほとんどと思われますので、それを思い出しながらタンパク質を控える食事をされてください。(栄養巡回指導下さる専門家にご相談くださいね)


鉄分の重要性

タンパク質の摂取と共に考えてもらえたらと思うのが鉄分です。
タンパク質からアミノ酸が作られ、さらに鉄分を補充すると、心の調整にはたらくセロトニンや元気になる作用のあるドーパミンの産生を促す効果があります。
被災のお辛い気持ちが少しは和らぐかもしれません。

鉄の補充については、有経女性成長期のお子様には少しだけでも摂ってもらえたらと思います。

ヘモクロマトーシス(鉄吸収を増加することで体調が悪化する疾患)の方はサプリメントによる鉄の摂取はお控えください


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