ハイローガチ勢が宝塚に引きずり込まれた話
少し前のことだが、人生初の宝塚歌劇を見に行ってきたので、知識ゼロ、純度100%ド新規の感想をここに残しておこうと思う。
9.19 宝塚歌劇団 宙組公演 「HiGH&LOW THE PREQUEL」「Capricciosa!!」(ぴあ貸切公演)
見に行くまで
もう、それはそれはグダグダしていた。
原作HiGH&LOWとの出会いは2017年。RUDE BOYSのリーダー・スモーキーに一目惚れし、中の人にハマり、テーマ曲を歌っていたGENERATIONSからJr.EXILEに堕ち…と新たな扉を開くきっかけをくれた作品なので、並々ならぬ思い入れがあるのだ。特にスモーキーと村山良樹は別格。キャラも演者も大好きで、生半可なリメイクでは許せない厄介オタクの私。しかも恋愛要素に耐性がないときているため、輪をかけて厄介である。
特にハイローは"男の友情"とか"仲間への熱い思い"みたいなものがメインなので、そもそも女性キャラも少ないし恋愛要素がほとんどゼロに等しい。だからこそ好きなのだが、それに対して宝塚はロマンスありきの劇団。ハイローに恋愛はいらないんだよな〜という感じだったので、実のところあまり気乗りしていなかった。
が。
去る9月9日に公開された最新作「HiGH&LOW THE WORST X」を初日に浴びた結果、7月のBOTで再燃しかかっていたハイロー熱が本格的に大炎上。ずっと気にはなっていたし、あえて違う世界を感じてみるのもいいかもしれない!と決心した私は、ギリギリまで悩んだ挙句、奇跡的に公式リセールで出品されていた1枚のA席チケットを深夜テンションでポチッた。
元々親の影響でミュージカルは好きだったけれど、なぜか手を出していなかった宝塚。22歳にして、人生初の宝塚大劇場に足を踏み入れた。
第一幕~衝撃、そして号泣の嵐~
まず、最初に一言。
え何これ最高すぎないか……??
再現度が高いとは聞いていたがいくらなんでも高すぎて圧倒されまくりだった。高すぎるよ…
1階席の後ろから5列目あたりだったが、席が遠くて大正解。特にスモーキーとロッキーと村山がヤバい。あとテッツとかタケシとか苺美瑠狂のメンバーも結構ヤバい。遠目から見たら全員本物にしか見えなかった泣泣
全員がチームごとに出てくる冒頭の紹介シーンだけで、なぜかわけがわからないほど大号泣。開演からわずか10分でハンカチが涙でぐしょぐしょになってしまった。
なぜこんなに泣いたかというと、恐らく復活が絶望的なキャラクターの再現度が特に高かったからだろうな、と思っている。ロッキーは演者が最近芸能界を引退、スモーキーはザム3で死去、村山はザワで退学(卒業?)など、現実的に今後二度と見られないと思っていたからこそ、この再現度に感極まってしまったのである。
全部オリジナル楽曲なのかと思ってたら半々ぐらいで、それぞれ元のテーマ曲も生歌でやってくれて、驚きと感動の嵐。しかもちゃんとリミックスしたりラップパートも完璧に歌ってたり、えっこの人たちマジですごくない?(語彙力) 特にあの麗しいビジュアルでラップしてたのが衝撃だった。
そして特にお気に入りの「RUN THIS TOWN」はなんとほぼフル尺。原曲はツインボーカル用の歌割りなのだが、それをほとんどお一人でこなしていたので、うわすっげー!!と子どものようにはしゃいでしまった。
それから舞台装置。バイクで走るシーンとかセットが回ったり後ろの映像が合わせて流れてたり、入れ替わったり、小道具がたくさん出てきたり、見応え十分だった。暗転の時などは後ろで足音がしてて、あー今必死で入れ替えてんだろうなーと勝手に微笑ましくなっていたまである。高校の文化祭程度だが自分も経験があるので……
何よりも感動したポイントは、
"再現度"
もうその一言に尽きる。
ロッキーのサングラスを押し上げる仕草や、コブラの赤いスカーフを手に巻きつける仕草、スモーキーの咳き込む仕草…一つ一つの言動が全部完璧に作り込まれていて、タカラジェンヌの役作りへの本気度にただただ畏敬の念を抱くばかりだった。すべてが原作に忠実すぎて元ネタファンにはたまらねぇ。
オリジナルのキャラクターであるカナさん、正直な話最初はちょっと斜めに見ていたが、序盤舞踏会から逃げ出してコブラと再会するシーンで、あまりの可愛さにニコニコしてしまい終了。秒で恋に落ちてしまった。コブラその場所代わってくれ(黙)
「今日を一生だと思って生きる」「形あるものに永遠はない」と名言をさらっと吐き、コブラとの時間を何でも幸せそうに笑って過ごすカナ。健気な彼女に待ち受ける非情な運命に、ラストでまた号泣。一回のお芝居で一体何回泣いたんだ私は…
恋愛要素に耐性がなく、キスシーンなんてもってのほか、顔が近いだけで「おぅ……//」になってしまうような状態だったが、また別の世界のストーリーという感じで、割とすんなり受け入れられたし(全然違う人がやってるからってのもあった)、なんならむしろ良かった。
それから苦邪組。おそらく原作の敵集団「九龍グループ」をもじったのだろう。そのネーミングからもう好きだし、悪役にしては美しすぎる。それぞれ変装してSWORDに潜入してるあたり用意周到だし、やってることも言ってることも最低なのに、何故か見てるうちに愛おしくなるという(笑)
フィクション作品を見ていると、どうしても味方側に感情移入してしまい悪役はとことん嫌いになる傾向があるのだが、なんか苦邪組にはあまりそういう感情がない。オタクのツイートをたくさん見ているからでもあるだろうが、あのキャラ立ちは素晴らしいの一言に尽きる。
ラスト、全員集合しての「HIGHER GROUND」。ド迫力にもほどがある……なんでそんなに私の語彙力を奪ってくるんだこの人たちは……
第二幕~ギャップの沼にまんまとドボン~
あまりの衝撃に半ば放心状態になりながら、感想を爆速でメモして休憩時間を過ごし、続いて第二幕。緞帳が上がり、流れ出した音楽と共に出てきた人を見て、私は思わず目を疑った。
エッ誰………!?
よく見たらコブラ役の方だった。いや、え?あなたさっきまで全然笑わない役やってましたよね?本当に同じ人ですか??(困惑)もうみんな、お芝居の時とは全く表情が違う。オーラも違う。絶対違う人出てきたやろ!?(同じ人です)
役者さんはみんな役柄によって全然違う印象を受けるということは、もちろんよく知っていたが、この短時間でここまでのギャップを見せられるとさすがに頭が大混乱だった。えっさっきめっちゃ怖かったのにこの人……すんごい笑顔でめっちゃ楽しそうに踊ってるやん……振れ幅えぐ……みたいな人だらけで困った。(笑)
さらに驚いたのは、55分間ほぼ休みなく歌って踊り続けていたことだ。1時間半のお芝居した後なのに。体力どうなってるの?あと何回衣装変わるの??ていうかあなたたちちゃんと呼吸してます???なんで誰も歌い終わったあと肩が上下してないんだ????もう真剣に疑問。
宝塚ってバケモンの集団なんですかね(違います)
信じられないほどのギャップに振り回されながらも、手のひらが真っ赤になるほど手拍子をして、これでもかと力いっぱい拍手をして、本当にただただ楽しいショーだった。こんなに幸せな時間があっていいのかと思った。もうどんだけ拍手しても足りん。最高。
桜木みなとさんについて
何を隠そう私は、宝塚歌劇団についてほぼミリしら状態で初観劇を迎えた。一応主役の人は真風涼帆さんという方で、愛しのスモーキー役の人は桜木みなとさんという方なんだな、くらいの事前情報しか入れていなかったので、当然顔と名前など一致するはずがない。お芝居の間はチームカラーが分かれていてわかりやすかったのだが、ショーになると鬼のような勢いで衣装が変わることもあり、全く見分けがつかなかった。
生粋のスモーキーガチ勢のため、お芝居中はほぼスモーキーばっかり見ていた私。メインはコブラとロッキーっぽかったので(スターと二番手だからということは後で知った)あまりフォーカスされていなかったが、重病持ちの設定を完璧に踏襲し、再現したお芝居には思わずひれ伏したくなるほどの儚さが漂っていた。しつこいが私は趣味がおかしいので、苦しそうに咳き込むスモーキーとそれを心配するルードのメンバーという構図が大好き。タケシもピーもララも本物にしか見えないし、しっかり再現しながらも宝塚独特の要素をいい感じに混ぜてくれていたので、厄介オタクでも大満足だった。上から目線で申し訳ない……でもほんと感謝しかないんよスモーキーをあそこまで仕上げてくれたことに……
そして、カプリチョーザ序盤。
お芝居中あまりにずっと見ていたせいか、いつのまにか桜木さんだけはお顔がちゃんと見分けられるように。私は人の顔を覚えるのが苦手なのでその時点で驚きだった。
そして、オペラグラスで必死に大所帯の中にいる桜木さんを追っていたところ。先ほどまで真っ赤なスーツでクールにキメていた桜木さんが、花柄たっぷりの衣装に変わり、銀橋に出てきてこちらを指さしたかと思うと、突然ばちこーん☆と色気全開のウインクをぶっ飛ばしてきたのである。
ズギュゥンッッ!!!
……あれ、今、何が起きた……?
呆然。マスクの下で開いた口が塞がらなかった。なんやこのイケメンは!!!そこからはもう、ずーっと目が釘付け。こんなに衝撃的な出会いは久しぶりだった。
そして中盤、ヴェネツィアのシーンでゴンドラに乗って出てきた、これまたイケメンと美女。うーん麗しい…と惚れ惚れしていたところ、よおーく見てみると、
エッッ嘘……もしかしてあの美女桜木さん……!?
いや待て、席遠いし見間違いかもしれないぞ?そもそも桜木さんて男役のはずだし、にしてもあんなに顔似てる人いるか?いやでもこちとら初見だぞ??
大混乱のままその場は終わってしまったが、あとから確認するとやはりあの美女は桜木さんだったことが判明。もはや恐怖である。一回の舞台で生まれ変わってんのかレベル。怖。
それ以降頭の中は桜木さんでいっぱい。気づいたら「みなと様」と呼んでいる自分がいた。初見でこれは自分でもビビる。
そして爆誕するヅカオタ
そんなこんなで初観劇終了。興奮冷めやらぬまま、ひたすら桜木みなとさんについて調べ漁っていたら、さらに性癖ドンピシャな映像や写真がゴロゴロ出てきて、さらに沼へズブズブ。どうやら俗に95期神7と呼ばれるスターメンバーの一員らしく、関連の動画を見ているうちに雪組の朝美絢さん、花組の柚香光さんにもハマりかけている始末。いやね、お顔がめちゃくちゃタイプなんスよ…トホホ ちなみに雪組公演「蒼穹の昴」は既に鑑賞済み、花組公演「うたかたの恋」も貸切公演で当選したので鑑賞予定である。なんだこのスピード感。(笑)
まだまだド新規で知識もお金もない学生なので、ちょこちょこ観劇するくらいしかできないが、細々と楽しんでいきたい。とりあえず宙組の次回公演何がなんでも行きたいのでチケットご用意お願いします…!!
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