新型コロナウイルス感染症により経済的な影響を受けている学生等への緊急対応措置が拡充されました。

 意欲ある若者が経済的な理由により大学等の進学や修学を断念することがないよう、アルバイト代の減収や、家計が急変したことにより学業の継続が困難となった学生への緊急支援策と、貸与型奨学金の返還が困難となった者への負担軽減策を織り込んだ緊急対応措置『学生の“学びの支援”緊急パッケージ』が公表されました。

 『学生の“学びの支援”緊急パッケージ』は、「進学・修学をあきらめない!」ための「進学時から在学時」の支援策と、「返還時」の支援策である「安心の返還メニュー」という二つのステージに分けて支援策が用意されています。

☆「進学・修学をあきらめない!~多様なメニューで後押し~」
 「進学時から在学時」のステージでは、アルバイト代が減収した学生への緊急支援策として「学びの継続のための『学生支援緊急給付金』」と有利子の奨学金を実質的に無利子化する『緊急特別無利子貸与型奨学金の創設』とが用意されています。
◎「学びの継続」のための『学生支援緊急給付金』
 家庭から自立してアルバイトの収入により学費等を賄っており、その収入が大幅に減少した学生等に対して、10万円(うち非課税世帯の場合20万円)を支給する。
◎緊急特別無利子貸与型奨学金の創設
 アルバイト収入の大幅な減少により修学の継続が困難になっている学生等が緊急的に新たに有利子奨学金の貸与を希望する場合、利子を国が補填して実質無利子化する。

『安心の返還メニュー!~負担軽減策の拡充~』
 「返還時」の支援策として、「返還期限猶予の臨時対応」「猶予10年超の者に対する猶予特例(1年延長)」とが用意されています。
◎返還期限猶予の臨時対応
 通常は、奨学金の返還猶予の申請時に申請書と証明書とを提出することとされていましたが、当分の間は申請時には申請書のみの提出で奨学金の返還を迅速に停止し、証明書は後日提出することを認める。
◎猶予10年超の者に対する猶予特例(1年延長)
 従来の「減収や失業などで経済的に厳しくなり、奨学金の返済が困難となった場合に通算10年まで猶予する猶予制度」を上限まで利用している方が、さらに厳しい経済状況に置かれることを救済するために、当分の間、特例として上限を1年延長する。

 その他、家計の急変により授業料等の支払いが困難となった学生に対して各大学等が実施する授業料等の減免を支援する『緊急授業料等減免』や、「社会全体で学生を支える!~社会参加型寄付の活用~」として、経済的に苦しい環境に置かれている学生を支援するために、民間企業や個人に寄附を募り、その寄附を原資として学生への支援を実施する『新型コロナ感染症対策緊急寄附金』の創設も公表されています。

 学問の道を志す学生が新型コロナウイルス感染症の影響により進学・修学をあきらめることなく、しっかりと学ぶ機会を掴んで欲しいものですね。

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