従業員を守るための持病管理by東京商工会議所【企業向け新型コロナウイルス対策情報】

 東京商工会議所さんでは、新型コロナウイルス感染症が拡大する中、企業での対策に活用できる情報として、産業医の有志グループより提供される「企業向け新型コロナウィルス対策情報」を不定期で配信しています。
 今回は、その第15回の配信から「コロナ禍における持病の管理」をご紹介します。

1.課題の背景
 病院は一般的に発熱などの症状がある方が集まりやすく、新型コロナウイルス感染症にかかってしまうリスクが比較的高いところから、かかりつけ医への通院や、持病の薬の内服を中断してしまっている方がすでに散見されています。
 持病の管理を怠ることで、脳卒中や心筋梗塞などの発作を起こしてしまう危険性もあります。これは場合によっては、新型コロナウィルスに感染するリスクよりも高いといえるかもしれません。

2.企業でできる対策
○健康管理の重要性につき、経営者からメッセージを発信する
 従業員の健康は企業の基盤です。そのため企業のトップや部門長が従業員全体に対し、健康管理の重要さを改めて伝えることはとても重要です。
○コロナ禍で乱れがちな生活習慣への注意喚起を行う
 コロナ禍で日々の生活習慣が乱れがちになる方もいるかもしれません。例えば、感染への恐れから運動を自粛したり、買い物を控えて保存食に頼りがちになったりなど。
 その他、日々のストレスから飲酒量や喫煙本数が増えることは感染症のリスクにもつながりますので、注意が必要です。
○持病を持つ部下に通院を中断せず、内服薬を切らすことがないよう指導する
 事前に把握している範囲で、部下が持病をもっている場合には、上司はその部下に対して通院を中断したり、内服薬を切らすことがないよう注意喚起をしましょう。感染リスクよりも、持病の悪化によるリスクの方が大きい場合もあります。病院に行くことの不安が強い場合には、オンライン診療の活用などについて主治医とも相談するように勧めましょう。
○従業員に健康状態のモニタリングを勧める
 体重や血圧は健康状態の大切な指標です。コロナ禍におけるストレスや生活習慣の乱れから、体重や血圧も変動しやすい状態にあると思います。ぜひ従業員に体重や血圧のモニタリングを勧めましょう。

3.留意・補足事項
 健康情報は重要な個人情報になりますので、職場での取り扱いや、受診勧奨の際には、個別に対応する、情報の共有は必要最小限にするなどの注意が必要です。
 このため、産業医・保健師等との契約がある企業では、これら専門職の活用もご検討ください。

 企業の、経営の中心にいるのは『ヒト』です。
 従業員が笑顔でイキイキと仕事に専念できる環境を整えること。それこそが経営者の重要な役割ですね。

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