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街中にあふれるセルフサービス。この記事もセルフ執筆によって書かれております。

最近、世の中に増えてきたものがある。それ、なーんだ?

はい、右端の眼鏡の方。白髪? ううん……まあ、それも全くなくはないですが、正解ではないです。はい、他には?
では、そちらの紺のジャケットに赤と白のチェックのネクタイをして下はショートパンツ姿の方。え? 増えたのは寒い日? まあ、そりゃそうでしょう。冬だもん。そしてあなた、短パンだもん。違います。そういうことを言いたいのではなくて。
他には? どなたか? おわかりになる方はいらっしゃいませんか?
はい、では、後方の、着ぐるみの上に宇宙服を無理やり着ている方。何が増えてきたかおわかりですか?
え? 二酸化炭素の排出量? そうですね。たしかにそれも重要な問題。ですが、この記事で扱うには少々重すぎる話題ですね。
どなたも正解がわからないようなので、発表しましょう。
最近、増えてきたなと感じるもの。
それは【セルフサービス】です。お店に行くと客自身が自らの手を汚すセルフというものが、ここ最近、だいぶ増えてきました。

別に汚してないわ、手。
そして、長いわ。前置きが。長い。本当に長い。


どこの業界でも人手不足が叫ばれて久しい。
働く人がいないため、ロボットを活用したり、客自身が業務の一端をになうセルフサービスに頼ったりしているのが現状だ。

人手不足を端的に表す良い例として、以下のようなものがある。
おじいさんが一人で処理しようとしたもののうまくいかず、おばあさんの力も借りる。それでもダメ。孫娘も呼ぶがまだダメ。しまいには犬や猫、ネズミなんかの力も借りることで、ようやくカブは抜けました。

このように、特に人材不足が顕著な飲食店などでは、厨房スタッフとして犬や猫、ネズミを雇う店も出てきていると聞く。
人材不足による動物雇用制度の拡充の是非に関しては、また別のところで論じるとして、今日、話したいのは……いや、待て。そもそも論じる必要すらない。衛生的にダメだ。
「ええ? うちのワンちゃんはとぉっても綺麗なのよぉ! 毎日高級シャンプーを使っているのよぉ!」と言われたってダメなものはダメだ。

セルフサービスにはどのようなものがあるだろうか。
最近、どこのスーパーにも導入されているのが、「セルフレジ」。客が自ら商品を登録し、会計をするというものだ。その他にも客自らがカバンから財布を取り出す「セルフ財布出し」やそこから派生した「セルフ小銭出し」など、会計時にセルフが多い。
今後の展望としては、商品陳列棚に在庫がなくなっていた場合に発動する「セルフ品出し」や勝手に表示価格を変更してしまう「セルフ値引き」なども流行るかもしれない。流行るかもしれない。と書いたが、本当は流行るわけないと思っている。


飲食店ではどうか。
大型ショッピングモールのフードコートに見られるように、飲食店でこそセルフサービスは増えている。
客自らが食券を買い、丼を運び、席を選び、水をくみ、食べた食器を片付けるという徹底ぶり。セルフ調理やセルフ出店、セルフ従業員面接、セルフ営業許可証取得が誕生するのも時間の問題かもしれない。


セルフサービスとは、特別な資格や技能訓練がなくとも担当できる職務に対して発生する。

だが、それもいつかは古い話となりかわる時がくるかもしれない。
これまでは、高度な技術や専門知識を備えていなければ携わることのできなかった仕事にもセルフが導入されるようになるかもしれない。

例えば、こういうものはどうだろう。
なんらかの罪を犯した犯罪者。
警察の代わりに、その犯人がセルフで自分を逮捕。セルフで留置場に入る。セルフで弁護をし(自己弁護という言葉がすでにあるが)、セルフ裁判を開廷。セルフで判決を出すのだ。もちろん判決は無罪。なんだこりゃ。

では、こういうものはどうだろう。
セルフ調理中(もはやこれはただの自炊だ)に誤って包丁を腹部にぶっ刺してしまう。自宅のキッチンで緊急セルフ手術だ。まずはセルフ麻酔をかける。寝る。


このように考えてみると、子供の頃によく母に言われた「自分のことは自分でやりなさい」は、現代のセルフサービス社会を予見したものだったと受け止めることもできる。

ということは、母は予言者なのか?
母が予言者だとすると、小さい頃に冗談めかして言われた「親戚みんなハゲてるからね。あんたもハゲるよ、きっと」もいつか現実のものとなるのだろうか。

こうしちゃいられない。セルフ頭皮マッサージにセルフ育毛剤。セルフ予言阻止に努めなければ。

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