ただゴマが好きだというだけで、特に内容のない話
最近気がついたことがある。
私はゴマが好きだ。
自分の好物くらい把握していそうなものだが、ゴマが好きだということにこれまでまるで気がついていなかった。
本当に自覚がなかった。ゴマ好きだということを知ったのも、人に言われたからだ。
「本当にゴマが好きだよね」
「えっ? ゴマ? そんなことないよ」
その人の視線は私の手元に向かっていた。
「本当に?」
「そうだよ。ゴマのことなんか考えたこともないね」
そこで初めて、私は白いご飯が真っ黒になるまでゴマを振りかけていたことに気がついた。
いやいやいや、これはまあ、あれよ。そういうこともあるじゃん? なにかに意識が向いていて手元がおろそかになってしまうっていうこと。
間違ってゴマをたくさんご飯にかけちゃったからって、だからといって、それだけのことで「ゴマ好き」のレッテルを貼られるなんてさ。
ここで一口。むしゃむしゃ。うんまっ。
えっ。なに、この気持ち。あたい、ゴマのこと……。ううん。そんなことない。あいつは小さな頃からいつも一緒にいた……そう、幼馴染みたいなもんで……。
周りから散々冷やかされ(誰も冷やかしてなどいない)、私はついにゴマのことを意識するようになってしまった。
言われてみれば、あのときもこのときも。。。私のそばにはいつでもゴマがいたような気がする。
確かに思い当たる節はある。
おせんべいの中でもごませんべいが一番好きだし、そばの中でもごまそばが好き。サラダにかけるのは胡麻ドレッシングだし、お団子といったらゴマ団子。よくよく考えてみると、モーニング娘。の中でもゴマキが好きだった。
こうなったらもう認めないわけにはいかない。
ここではっきりと公言する。私はゴマが好きだ。結婚しよう。
子供は“ゴマ”の“ゴ”をとって五人。本当は“ゴマ”だけに五万人って言いたいところだけどね。
結婚式にはライスシャワーならぬゴマシャワーで盛大に祝ってもらおう。
上司にゴマすり、私は出世。ゴマのゴマーシャルも制作だ。
私はいったい何の話をしているのだ。
「お前みたいなやつはおとなしくヘソのゴマでもとってろ」という厳しいお言葉が飛んできたような気がします。
ゴマは体にも良いみたいだ。
健康に良い食材から一字ずつとって文にした「まごはやさしい」という標語がある。
一文字目の「ま」
これはもちろんゴマの「ま」だ。
二文字目の「ご」
これはもちろんゴマの「ご」だ。
三文字目以降
これらももうなんやかんやでゴマのことだ。
さあ、みんなも毎日ゴマを食べて元気になろう。(雑なまとめ)
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