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サステナブルな社会の実現に向けて、生活者としてできること。 国際認証マークを調べてみた。

こんにちは。
ラバブルマーケティンググループでSDGsを担当している相澤です。

私は企業のサスティナビリティ推進を行なう立場におりますが、一個人としても「サステナブル=持続可能な社会」を実現するために、「小さくてもまず一歩」と考えて地球に良い行動を心掛けたいと思っています。

個人としてできることの一つとして、日々の消費があります。
目標12:つくる責任つかう責任

買い物をしていると、商品のパッケージにいろいろなマークがついていることに気づく方も多いと思います。
私自身、環境に良い商品なんだろうなと思ってはいますが、その一つ一つについて詳しく知りませんでした。

そこで、認証マークのついた商品がなぜ環境・社会的に良いと言われているのかを詳しく知りたいと思い、今回は認証マークについて調べることにしました。

1、はじめに

そもそも「サステナブル=持続可能な社会」とはどういうことなのでしょうか。

外務省のサイトには以下のように記載されています。

「将来の世代の欲求を満たしつつ、現在の世代の欲求も満足させるような開発」のことを言う。この概念は、環境と開発を互いに反するものではなく共存し得るものとしてとらえ、環境保全を考慮した節度ある開発が重要であるという考えに立つものである。
(外務省:https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/sogo/kaihatsu.html

また、この持続可能な社会を実現するために、2015年国連によって採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」には「持続可能な開発を、経済、社会及び環境というその三つの側面において、バランスがとれ統合された形で達成することにコミットしている」と明記されています。

つまり「サステナブル=持続可能な社会」には、企業も個人も「今」を満たしつつ、将来のために環境保全と経済成長、社会的側面のバランスをとりながら充実させることが必要だと言うことです。

そして、環境にも社会的にもより良い生産を行う企業に対し、それらを消費する私たちはより賢い選択が求められているのではないでしょうか。

では、より良い生産を行なっている企業かどうか、私たちはどのように判断すれば良いのでしょう。その一つの基準となるのが認証制度です。

2、認証制度をPickUP!

認証制度とは、第三者機関が定めた規格に対し、企業の製品やサービスなどがその水準に達していることを証明することで信頼性を担保する制度です。
日本独自の制度もあれば国際的な機関が定める制度もあります。

複数ある中から、今回は個人的によく見かける国際認証制度を3つご紹介いたします。

(1)国際フェアトレード認証

運営主体:国際フェアトレードラベル機構 (Fairtrade International)
設立:1997年
本部:ドイツ、ボン
HP:フェアトレード・ラベル・ジャパン https://www.fairtrade-jp.org/

動画の左上にあるマークをスーパーで見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。
主にコーヒーやカカオ、お茶などの食品、コットン製品、スポーツボールなどの製造、加工、輸出入の各工程で国際フェアトレード基準が守られていることを証明するマークです。

例えば、日本人がよく食べるチョコレート。その原料となるカカオ豆の原産国の開発途上国では、実に1400万人もの人たちがカカオ豆で生計を立てているとのこと。
しかし、児童労働の深刻な問題があり、その数は約1億5000万人、世界の子どもの10人に1人に当たると言われています。児童労働が起こる要因には多くの場合、経済的貧困がほとんどです。

この国際フェアトレード基準では、児童労働を禁止し、安全な労働環境を保証しており、貧困の連鎖を断ち切るために、持続可能な生産と生活を支えるフェアトレード価格を設定しています。
さらに、むやみに森を破壊したり、危険な農薬を使うことなく自然環境を守りながら生産されています。

チョコレートの製造背景に、このような問題が起きているとは知りませんでした。フェアトレードチョコレートを選ぶことが生産者やその子どもたちを守ることにつながるのであれば、私たち生活者も考えて購入しなければならないと思いました。

フェアトレードチョコレートを選ぶことで貢献できるSDGsはこちら↓

目標1:貧困をなくそう
目標8:働きがいも経済成長も
目標10:人と国の不平等をなくそう
目標12:つくる責任つかう責任
目標15:陸の豊かさも守ろう
目標16:平和と公正をすべての人に
目標17:パートナーシップで目標を達成しよう

(2)FSC認証

運営主体:Forest Stewardship Council(森林管理協議会)
設立:1994年
本部:ドイツ、ボン
HP:FSCジャパン https://jp.fsc.org/jp-jp

動画内のマークをご覧になったことがありますか?

FSCは、国際的な森林認証機関で、森林の環境保全に配慮し、地域社会にも還元し、経済的にも継続可能な方法で管理された森林に与えられる認証マークです。また、その森林で伐採された木材の流通や加工のプロセスにも与えられます。

私はよくスターバックスカフェに行くのですが、スターバックスカフェのペーパーカップや紙ナプキン、ペーパーバッグにもこのマークが記されているので、見たことがある方もいるかもしれません。

スターバックスカフェでは、2020年までに使用する主な紙をFSC認証紙や再生紙を使用したものへ切り替えを進めており、2016年9月時点で全体の約7割が環境に配慮した紙を使用しているそうです。

生産のために必要な森林が、経済と環境のバランスを保ちながら、適切に管理される森で作られた製品を利用することも、世界の森林保全を応援できる仕組みなのだと知りました。

現在、地球の森林は急速に失われており、2010年から2020年の間に年平均470万ha、実に年間東京ドーム100個分もの森林が世界全体から減少しており、その減少を食い止める行動をすると同時に、紙を使用する際は、きちんと管理されている森から作られた製品を使ってみてはいかがでしょうか。

FSC認証の製品を選ぶことで貢献できるSDGsはこちら↓

目標12:つくる責任つかう責任
目標13:気候変動に具体的な対策を
目標15:陸の豊かさも守ろう
目標16:平和と公正をすべての人に
目標17:パートナーシップで目標を達成しよう

(3)MSC認証

運営主体:Marine Stewardship Council(海洋管理協議会)
設立:1997年
本部:イギリス、ロンドン
HP:MSC日本事務所  https://www.msc.org/jp/

最後はスーパーの鮮魚売り場でよく見かけるマークをご紹介します。
国際機関であるMSCによって運営・管理されている海のエコラベルです。

世界の天然水産物は、自然に繁殖し、成長するスピード等を考えて“適切な量”を獲れば、食べ続けることができ、持続可能な状態となりますが、漁獲量が適切な量を超えると、海の生物は減り、将来食べることが難しくなります。
また、魚を獲る際に他の生物が巻き添えになることを避けるよう配慮しなければ、海の生態系が崩れていってしまう問題も起こっています。

そこで、MSCは水産資源と環境に配慮し、適切に管理されている漁業で獲られたものであることを認証する制度「漁業認証」を設けています。また、流通・加工する過程で、認証する水産物と非認証の水産物が混じらないように管理された「CoC(Chain of Custody)認証」と言う認証制度もあります。

このMSCマークがついていることで、豊かな海を守るために配慮した製品であることが分かり、私たち消費者がこのラベルの付いた食品を選ぶことで、厳しい取り組みをしている漁業者を支えることにつながるのだと知りました。

MSC認証の製品を選ぶことで貢献できるSDGsはこちら↓

目標2:飢餓をゼロに
目標8:働きがいも経済成長も
目標12:つくる責任つかう責任
目標14:海の豊かさを守ろう
目標17:パートナーシップで目標を達成しよう

3、おわりに

今回ご紹介しきれなかったのですが、各々の認証基準は非常に厳しく、
商品に認証マークが貼られる裏側には企業の弛まぬ努力と覚悟があるのだと感じました。

だからと言って、認証マーク付きの商品を購入しなければいけないと言うことではなく、大事なことは認証マークの意義を知り、しっかり考えた上で商品を選ぶことだと思います。

今回は3制度のみのご紹介でしたが、実際はもっと多くの認証制度がありますので、この記事を読んで認証マークのことを知り、少しでも生活の変化に繋がったら嬉しく思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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