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「段ボール」を通して考える、物の価値とは

こんにちは。ラバブルマーケティンググループで広報PRを担当している中村です。
弊社では、2020年5月からグループ全社でSDGsの取り組みを開始し、勉強会やワークショップを行ったりnoteでの情報発信を通して全社員で意識を高めてきました。
私たちが持っているアセット(資産)や大事にしていること、取り組みたいことなど様々な角度からじっくりと話し合いを重ね、先月SDGsステートメントと4つのマテリアリティ(重要課題)を発表させていただきました。
●ニュースリリースはこちら

会社の取り組みとは別に、私たちひとりひとりができることを見つけて実践できると素晴らしいなと思っています。このnoteでメンバーが発信してくれた情報を共有し合い、もっと意識を高めていきたいです。
今回は、自分の身の周りでふと気になった「段ボール」をキーワードに物の循環について考えてみたいと思います。

ふと気になった「段ボール」

とある古紙回収の日に駅までの道のりを歩いていると、どの家庭からも段ボールがたくさん出ていることに気が付きました。コロナ禍で家にいる時間が増え、ネットで物を買う機会が増えたせいか、私自身も月に2回ある資源ごみの回収日にはいつもたくさんの段ボールを出しているように思います。

そもそも段ボールは使用済みの段ボールから作られており90%以上が古紙利用なんだそうです。日本の段ボール回収率は95%以上で、各家庭や企業による分別も高い回収率を支えているとのこと。※全国段ボール組合連合会

「不要なものから大切なものへ」

リサイクルされているとはいえ、用を終えた段ボールはゴミとして排出されます。しかし、段ボールをゴミだとする一方で、不要なものにアイデアとデザインを加え、新たな価値を生み出す「アップサイクル」という考え方もあります。

島津 冬樹(しまず ふゆき)さんは、段ボールアーティストとして活躍されている方で、世界中の段ボールを集めて財布などの作品を作られています。2009年の大学在学中に、家にあったダンボールで間に合わせの財布を作ったことをきっかけに“ダンボール財布”を作り始めたそうです。しかし思いのほか段ボールが丈夫だったため、気付いたら1年も使っていたのだとか。

確かに、物を運ぶ資材として使われているだけあって丈夫なのは納得です。
「段ボール=梱包材」であり、「お財布は皮製品がいい」という勝手な私の固定概念がありましたが、近い将来こんな概念は世の中から無くなるかもしれませんね。

島津さんの作品を見るとどれもカッコよく、まさにアップサイクルのいい事例だと思いました。SDGsに取り組むブランドとのコラボレーション企画も多数あり好循環な活動ですね。

▽島津さんの作品(Instagramより)

島津さんの段ボールに対する情熱も素晴らしいですが、ワークショップや映画、講演、取材などの活動を通して「本当にゴミなのか?」「資源になるものはないのか?」といったメッセージを私たちに投げかけてくれているようで、その姿に心を打たれました。

島津 冬樹さん
「Carton(カルトン)」http://carton-f.com/
ドキュメンタリー長編映画|旅する段ボール

この取組みが貢献するSDGs はこちら↓
SDGs 目標11:「住み続けられるまちづくりを」
SDGs 目標12:「つくる責任 つかう責任」

ゴミを減らして雇用を生む?!

島津さんの活動を知って検索してみると、段ボールアーティストの方は何人かいらっしゃるのですね。沖縄に在住の儀間 朝龍(ぎま ともたつ)さんは、「rubodan」というステーショナリーブランドを立ち上げ「ゴミを減らして雇用を生む」をコンセプトに、沖縄県内や東京、アジアの国々で活動されています。アップサイクルに加え雇用の創出を目指されているそうです。

▽rubodanの商品
http://www.rubodan.com/category/work/
rubodanでは、段ボールから紙を作り出し様々なステーショナリーを作られています。ノートやステッカー、レターセットなど日常使いができて手軽に取り入れられるのでいいですね。今までその辺にあった資材なのに、こうやって別の形で価値を生み出すと、不思議と「いいな、欲しいな」「かわいいなぁ、買ってみようかな」と思えるので自分の価値観に驚きです。
また、アート作品と違って製法を知れば作ることができるので雇用が生まれる。素晴らしい取り組みです。

儀間さんはアーティスト名によって活動領域が異なるようで、「儀間 朝龍」さんとしての活動は「流通」と「消費」をコンセプトに、段ボール素材で身の回りのものを制作しているそうです。こちらは、アーティストとしてのセンスが光る作品です。

▽儀間さんの作品(Instagramより)

儀間 朝龍さん
http://gimabox.com/
http://www.rubodan.com/

この取組みが貢献するSDGs はこちら↓
SDGs 目標8:「働きがいも経済成長も」
SDGs 目標12:「つくる責任 つかう責任」

段ボールコンポスト×環境教育

段ボールの活用として、他にもこんな事例があります。八王子市ではゴミ減量対策の一環として段ボールコンポストを推進しているそうです。

▽参考:八王子市役所 段ボールコンポストの普及
https://www.city.hachioji.tokyo.jp/kurashi/gomi/shinotorikumi/001/003/p002402.html

段ボールコンポストとは、段ボールの中に基材(竹チップともみがら燻炭)と生ゴミを入れて、微生物の力で堆肥を作るというものです。少し前に友人がコンポストを始めたのをSNSの投稿で知り、私も始めてみようかとやり方を調べてみました。初心者なので失敗の少ないキットのようなものを探すと“それなりにコストがかかるんだなぁ…”と尻込みしてそのままとなっていました。

しかし段ボールだったら手に入りやすいし、水分調整も簡単とのこと。生ゴミの臭い、そして生ゴミ自体が減るので、この記事をきっかけに挑戦してみようかなと思います。

先程の八王子市役所のWEBページで、段ボールコンポスト普及の事例として紹介されていた動画では、八王子市立楢原小学校の1、2年生が段ボールコンポストの授業を受けて、楽しみながら堆肥を育てている様子が伺えます。学校の農園では子供たちが作っている堆肥で野菜を育てているそうです。子供のころから持続可能な循環を体験しているというのはいいことですね。

▽参考:「ごみが資源に!~段ボールコンポストから広がる環境教育~」
https://www.sdgs.world/2nd-award-winner
こちらの動画の最後に、学校コーディネーターの方が段ボールコンポストの取り組みを通して「要らないと思っていたものが何かに使えるかもしれないといった思考につながるといいです。」とおっしゃっていました。

この取組みが貢献するSDGs はこちら↓
SDGs 目標4:「質の高い教育をみんなに」
SDGs 目標12:「つくる責任 つかう責任」
SDGs 目標13:「気候変動に具体的な対策を」

おわりに

noteの題材を何にしようかと考えている時、段ボールのことなど全く頭になかったのに何故だろう?と思い返していました。当社でSDGsの取り組みを始めたことをきっかけに、自分も知らないうちに周りを注意深くみたり、一歩立ち止まって「これでいいんだっけ?」と考えるようになったのだと思います。

今回例にあげた取り組みも、そうやってみんなで考える機会を与えてくれるきっかけのような気がします。この共感の輪を広げていけるよう、私自身も小さいことから始めてみようと思います。

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