今のところ、全てが異状。『No Activity/本日も異状なし』(第2話感想)

No Activity/本日も異状なし 第2話を見ました。

今回は後輩組の性格にクローズアップ。1話ではめちゃくちゃな先輩の話を聞く立場で、2話で性格の異常さが実は先輩組を上回ることが分かるという展開になるのが面白かったです。もはや彼らが逮捕しようとする大麻の売人よりも異常ですらあります。

登場キャラクターの中で最も目立った狂気を放っているのは、無線室で新人教育係を務める里見美里(木村佳乃)。1話では、次々に新人が辞めていく、と若者の仕事に対する価値観の変化を嘆いていたわけですが、実際は里見自身が理由であることが示されます。ただ、今回は、新人である大平の狂気レベルも高く、むしろ相性の良さすらが伺えます。最後に辞める判断をするのか、里見レベルまで狂気レベルを高めていくのか、楽しみにしようと思います。

先輩組の狂気は、「自分の能力を全く正確に理解できていない」「やめるべきだと分かっているのにやめられない」など、自分自身の内面的なものからくるもので、後輩組の狂気は社会的なモラルをいとも簡単に飛び越えてくるもの、として描かれているように感じます。自分自身はこういう人間である、と冷静に分析できている分、軽々と社会を捨てる姿に怖さを感じます。

Amazon primeでの配信ということは、途中でCMが入らないということなので、地上波のドラマよりもストーリー進行の配分に気を付ける必要があるのではないかと思いますが、毎回会話だけであっという間に終わるのはやはり脚本の巧さだろうと。3組のペアの会話速度が最初は同じくらいだったのが、どんどん変化が出てきているのも面白いところ。

今回はクレジットが土屋亮一さんとじろうさん二人になっています。土屋さんが上なのでメインなんでしょうか。
茉莉(岸野ゆきの)が、自分が拉致されている様子を生配信したいと話し出す場面、今夏のシソンヌライブdix1本目のネタと似ている部分があり、じろうさん部分かな、と勝手に思ってしまったのですが。
全ての出来事を、それが自分の命が掛かっていたとしても、ネタとして捉え、発信したいという欲望を社会的な病理として考えているのだろうと感じます。

次は3話。もう半分なのが驚きです。シソンヌの二人を役者としてこの世界の中に見たいな、と思うのですがら、きっと出てこないでしょうね…。

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