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ゼロイチ思考とグラデーション思考 〜NGメイクは誰が決める?

メイク・コスメ Advent Calendar 2020 9日目を担当します。
これはポエムです。
pplogに書き連ねていたものを推敲しました。
同じ生きづらさを抱えている人に届けば嬉しいな。

NGメイクは誰が決める?

最近、このようなツイートが目にとまった。

「アラフォーがラメを使うと危険」という旨の記事に対し「いったい誰の基準でNGなの?」「自分はNGコスメ使ってたりNGメイクしてたんだ…って切なくなる」といった声が集まっている。

NGとされている画像も、どこが問題なのか私にはよくわからなかった。
どちらも素敵ではないか。
個人が「私はラメは苦手だから、使いません」と主張するのは自由だ。しかし、メディアが年齢で一般化して「これがルールですよ」と広く流布するのでは、また違ってくるのではないか。

ゼロイチ思考による生きづらさ

思えば、化粧というのは不思議である。
学生のうちは禁止されていたのに、社会人になったとたん、どういうことか毎日化粧することが当たり前の社会に放り込まれる。

恋愛や結婚もそうだ。学生の頃は、親にパートナーができたことを報告してもいい顔をされてこなかった。ところが社会人になるとどうだろう。「結婚はまだか」「○○ちゃんはもう二人目産まはったみたいよ〜」

言っていることが正反対である。
そもそも社会人2〜3年目なんて責任のある仕事を任せられ始めて、仕事が面白くなってくるタイミングじゃないか。
25~28という2~3年でこれから先50年以上ともに暮らすであろうパートナーを見つけ結婚を決めて子を産めというのはいささか無理があるだろう。(それが正ならば就活とはなんだったのか)

程度の差はあれ、みなさんも「年齢や性別などの外的要因で、自分の行動の正否が決めつけられる」という場面に、これまでの人生の中で幾度となく遭遇してきたのではないだろうか。

この生きづらさの原因はなんだろうか。
私が思うに「ゼロイチ思考」が諸悪の根源だと思っている。

白か黒
イエスかノー
正しいか間違いか
誇れるか恥ずかしいか。

これらのジャッジを下すのは、仮想的に作られた「人様の目」である。

「人様の目」という概念は厄介だ。
「◯歳でそんな格好してると変だと思われるよ」
「常識がないと思われるよ」
誰に?
そんなものは勝手に作り上げた、存在しない人たちなのかもしれないのに。

活路はグラデーション思考

突破口は何か。
ズバリ「グラデーションを見ようとすること」ではないだろうか。

人間は思うほどデジタルじゃない。
自分で自分のことがわからないぐらいにはアナログで、さらに変動しやすい。

昨日はお肉が食べたかったけど、今日は魚の気分。
男の子っぽい服装ばかりしていたけど、最近スカートやレースも好きかも。
メイクするのって他人のためだと思っていたけど、今日は自分のためにやってみようと思った。
先月まで仕事やめたいと思っていたけど、今月になったらもうちょっと続けてみっかな、と思った。

「今、幸せですか? 不幸せですか?」
そう聞かれて即答できる人だって多くない。

「自分はこういう部分では幸せだけど、この点では不幸せだ」と回答する人が大多数だろう。

それでいいのだ。物事はグラデーションだ。
無理に白黒つけようとするからほころびが出る。
無理に四捨五入されるから、切り捨てられた自我が苦しい。
そこに本当の自分がいる。

老若男女だれだってメイクしていい。好きな服着ていい。仮想の「人様の目」に怯えなくていい。
あなたが窮地に陥ったとき、その「人様」はあなたを助けてくれるだろうか?

私は、様々な人の話を聞いたり、本を読むことでグラデーションを知ることができた。

大切なのは、世の中に「こういうのもあるのか」を増やしていくこと。
必ずしも同意しなくてよい。
否定もしない。
「あなたはそうなんだね」と、ただ存在することを認める。

たったそれだけで、自分もまわりも救われる。
存在しない「人様の目」に隷属して生きるには、人生は短すぎる。
皆、もうちょっとわがままに生きたっていい。



追伸:
これは メイク・コスメ Advent Calendar 2020 のために書いた記事です。自分も書いてみたいという方は、ぜひお気軽に登録を〜。

作成者のグリさん、このアドベントカレンダーの存在を教えてくれたatsuco_02さん、この記事を書くきっかけをくださりありがとうございました。

自分自身、化粧に対してあまり積極的になれない時期もあったんですけど、最近は「好きな人や尊敬する人のスタイルをまねっこする」みたいな楽しみ方をしています。化粧の化は「化ける」。たとえ自己満足でも、好きな対象に化けてみるって楽しい。ハロウィンみたいな気持ちね。

藍染カレンちゃんのメイクと髪型を研究してみたり(上半分は地毛です。下半分はウィッグ。プリシラの襟足ウィッグ、買ってよかったです)

Nから始まる鬼才作曲家の真似っこをしてみたり(これはサブ垢界隈で評判がよかった!……と言ってもほとんどサングラスと帽子の功績ですが)

次は着物をそろえて萩原朔太郎(近代詩人、二次元じゃない方)コーデをしてみたいと思っています。


それではみなさん、思い思いのコスメライフを。

アッ!  拙著が12/22に全国の書店様、Amazonで発売されます〜
よろしくお願いします。

目次一覧やサンプルページはこちらのnoteで公開中↓


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