入会儀礼効果
認知的不協和理論では、信念を変えさせるためには「まず、行動させること」が大切だという。
一度してしまった行動はもはや変更不能だが、信念は行動と一貫する方向へと変わることで不協和を低減できるからだ。
「なぜ疑似科学を信じるのか」 著:菊池 聰
「入会儀礼効果」
一度難しい行動や厳しい試練を乗り越えると、人はその事に意味を持たせたいが為に、その後の行動を一貫性のあるものにしてしまう。という心理効果。
おはようございます。
僕です。
今回は僕が仕事でいつも意識している心理効果「入会儀礼効果」について解説していきたいと思います。
聞けば皆さんも必ず身に覚えがあるのではないでしょうか。
以前、「認知的不協和」という心理効果を紹介しました。
人は自分の中で対立する2つの意見が生まれた際に、それらを結び付けて対立をなくし、行動や信念に一貫性を持たせようとする傾向がある。
そういった心理効果でした。
(詳しい内容はこちらをご覧ください。)
今回紹介する「入会儀礼効果」ですが、根底は同じです。
例えばラーメン屋の行列に1時間~2時間並ぶ事は多くの人にとって不快であり、苦痛である場合が多いです。
そして、その苦痛を乗り越えて食べるラーメンには、自然と「苦痛を乗り越えたラーメン」というバフが掛かる訳です。
例えその商品の質がそれほどでなくても、行列に並ぶという苦行を経て手に入れた商品に、通常よりも「おいしかった」という過大評価をしてしまう。
こういったバフこそが「入会儀礼効果」そのものなのです。
どうです?
身に覚えあるんじゃないですか?
他にも
「審査が厳しい会員制のクラブ」
だとか、
「試験や面接が何度もある一流企業」
だとか、
「山頂のおいしい水」
だとか。
ハードルが高ければ高いほど、プロセスが多ければ多いほど、対象への評価は高くなり好意が増幅してしまう訳です。
更にそこに「サンクコスト効果」や「コンコルド効果」といった心理効果が加わってしまうと、もう大変です。
「もう必要としていないにも関わらず高い継続料金を払ってしまう」
とか、
「効果があるのだと自分に言い聞かせて使い続けてしまう」
とか、
「どう考えてもブラック企業なのに辞める事ができない」
とかとか。
どうですか?
身に覚えがあるのでは?
これは売り手側も上手に使う必要がある心理効果です。
ここまで聞くと詐欺まがいな事ばかり浮かぶかも知れませんが、僕がよく使っていたのは予約を絞る事です。
パソコン教室で働いている時に、新規入会を敢えて「1か月待ち」だったり「2か月待ち」や、一番強気な時は表の看板に「半年待ち」と出していました。
入会時も学びたい内容といつまでにという部分を徹底的にカウンセリングしていました。
教室運営としては継続率と言いますか、できるだけ長く通って欲しいので、予定やゴールを決める事はあまりオススメされていませんでした。
しかし、実際慣行してみると8割の生徒はスケジュール通りに行かず、挫折しかけるも何とか入会できたという事もあり、お金も既に途中まで払っているという事もあり。
結果として受講生数の拡大と継続率の向上に繋げる事ができました。
結果詐欺まがいな話になってしまいましたが、これも「入会儀礼効果」という事です。
「入会儀礼効果」は本当に至る所に姿を現しています。
欲しかった色の車、限定のスニーカー、何千分の一で当たるコンサートチケットなどなど。
例えを出し始めたらキリが無いですね!
本当に自分に必要なものなのか、本当に他と比べて良いものなのか。
この機会に見直してみてはいかがでしょうか。
こちらからは以上です。
サポートして頂いた方の事は一生忘れません。 靴ぐらいなら喜んで舐めます。