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日本酒の蔵元見学から見えてきた仕事・地域への熱い想い

岡山のキャリアコンサルタントMICHIKOです。

大人の社会見学ということで、長野県の大澤酒造さんにいってきました。
今回は、日本酒造りの時期ではなかったため、実際の日本酒造りの作業は拝見することができないですが、特別に見学・説明してくださいました。
お酒好きの私としては、蔵の中を見学させて頂くだけで大満足でした。

この見学を通して、日本の伝統産業の日本酒造りの伝統を守っていく大変さやお客さまだけでなく地域の人々への感謝の気持ちなどを学ぶことができました。
蔵元として仕事の大変さ、そして守り抜いていくには、人間性の豊かさや新しいことへの常に挑戦していく姿勢なども感じ取ることができました。

そんな大人の社会見学をご紹介します。


大澤酒造株式会社のご紹介

まずは、大澤酒造株式会社さんのご紹介です。
創業は、元禄2年(1689年)。
今年で創業333年の長野件佐久市の旧中山道沿いの趣のある家並みの中で白壁の土塀が大きな蔵屋敷を構えた蔵元です。
代々にわたり茂田井村の名主を務めた旧家という風格がいまだに感じられる蔵屋敷で営業されています。
この大澤酒造さんの代表的なお酒のひとつが「明鏡止水」です。
名前は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?

大澤酒造株式会社は、14代目蔵元の大澤真氏と杜氏の大澤実氏の兄弟を中心に、「和醸良酒(わじょうりょうしゅ)」の気持ちで日本酒造りをされています。
そこで、「和醸良酒(わじょうりょうしゅ)」という言葉の意味は、
「和の心は良酒を醸し、良酒は和の心を醸す」です。
お酒造りに携わる人の和の精神によって美味しいお酒(良酒)が生まれ、その美味しいお酒(良酒)によって、造り手、売り手、飲み手のすべての人に和がもたらされるという意味だそうです。

この言葉通り、お話を聞いていると、
売り手の方々への感謝の気持ち、そして、その売り手から飲み手への和を繋げていくことに頑なに拘っているため、蔵元といえども簡単にお酒を売ってくれません。
この「和醸良酒」という言葉の通り、売り手、飲み手があっての造り手という気持ちで造られているお酒です。
そのため、しっかりとした味わいのある丁寧に造られたお酒です。
良いお酒は、悪酔いしないと言われますが、二日酔いもありませんでした。

ところで、
蔵元の見学といえでも、キャリアコンサルタントを仕事にしているものとしては、日本酒造る仕事についての話を聞かなければ・・・

ちょっとブレイクタイム

日本酒造りでよく言われている噂についての検証です
Q1:納豆菌がつかないように、お酒造りをしている間は納豆は食べないのか?
A:結論としては、食べないそうです。昔からいわれている伝統を守って日本酒造りをしている間は食べないそうです。

Q2:杜氏の手はきれい?
A:綺麗な部分もありました。
しかし、そこは職人さんの手です。手のタレントさんのようではありませんでした。
日本酒造りの過程では、信州の冬の寒さの中での作業や大釜を使ってのお米を蒸したりする作業などの熱さや寒さに耐えてきている手です。


大澤酒造民俗資料館

しなの山林美術館と民俗資料館

蔵屋敷の一角には、古い仕込み蔵を美術館や民俗資料館として、美術品や民俗資料などの芸術作品や歴史のある品々を展示しています。
この美術館は、「しなの山林美術館」として、大澤酒造にゆかりの深い大澤邦雄画伯の美術品の展示がされています。
この美術館を作った目的は、信州の山林部で生活している子供達にとって、都会で生活している子供と比べると美術品に触れる機会が少ない。そのため、地域の子供達に気軽に美術品に親しんでもらいたいという想いから作られた美術館です。
この地域の子供達の遠足の場所になっているそうです。もちろん、無料で見学・鑑賞できます。
自分の利益だけでなく、地域への貢献への想いに感動です。

また、民俗資料館の中には、日本で最古の日本酒があります。
この日本最古の日本酒が発見されたことが民俗資料館を開設するきっかけだったそうです。
創業元年に醸造された日本酒。
代々引き継がれたきたその日本酒が入った壺が蔵の中から発見され、1969年NHKで放送された番組内で醸造生物学の博士である坂口謹一郎氏の立ち合いで開栓され、現存する最古の日本酒と認定されたそうです。
中身ってどんな状態だったのかを尋ねると、すでに固形物になっていたそうです。
この最古の日本酒の発見をきっかけに、大澤酒造の蔵に眠っていたものを展示することにしたそうです。
この民俗資料館も入場無料です。

日本最古の日本酒を展示しているし、鎧兜や蔵で働く職人が自分専用の食器で食事をしていた食器と食器箱、手紙等々、大澤酒造の歴史だけでなく地域の暮らしぶりもわかる品々が展示してあります。
そんな歴史的にも大変価値のある資料館なので、入場料をいただいても良いのでは?と聞いてみると、
「全部蔵に眠っていたものなので、お金をいただくことはできない。」
というきっぱりとした答えがかえってきました。

この言葉からも、「和醸良酒」の気持ちが伺われます。
良酒を造りあげるには、蔵元みんなで力を併せて良いお酒を造るだけでなく、蔵元の外にも誠実であることが必要だということをしみじみと感じてしまいました。

良いお酒を造るには、人としても誠実な心で人と向き合うことが必要だということを教えて頂きました。

ソフトモヒカン刈りで決めている明るい社長と誠実な杜氏の元で造られているお酒だからこそ、美味しいお酒ができるんですね。

大澤酒造さんを訪問して改めて感じたことは、
仕事をしていくには、技術というテクニカルスキルはもちろん必要ですが、
それ以上に技術を極めていくには、その根底にある人間性というヒューマンスキル、そして、自分だけが良ければ良いという考えではなく、もっと広い視点で物事を行っていくことが必要だということを改めて感じました。

信州の美しい山々と美味しいお酒、そしてその美しい景色や味にまけない人間性。
そんなことを知れるのが、大人の社会見学ですね。

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