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インドカレーと玉ねぎ

 こんにちは!鰤子です!生姜とニンニク、パウダースパイスについて記事を書いてきましたが、今回は玉ねぎについての記事を書きます!今回は字数少なめで、北インド料理での玉ねぎの知られざるというか語られざる秘密(?)をサクッと読める記事にしました!…という書き出しから書き始め、書き終わって読み返してみると10000字ちょっとありました!いつもよりちょっと短いくらいですね!

  玉ねぎは日本のカレー作りでは必須食材の一つですが、スパイスカレーやインドカレー作りにおいても最も欠かせない食材の一つであるという認識をお持ちの方も少なくないのではと思います。ちなみに玉ねぎの原産国は中央アジアの方ではないかと推測されているそうですが、確定的なことは分かっていないそうです。原産国はインドではないものの、数千年の歴史を持つと言われるインド亜大陸の伝統医学アーユルヴェーダにも登場し、古くから生薬としても食材としても日々の料理に活用されてきという記録もあるということから、インド料理と玉ねぎは私達が考える以上に親密な関係にあるということが伺えます。

玉ねぎの種類

 玉ねぎといえば日本では白くて玉の大きいものをイメージすると思います。この品種は黄玉ねぎという品種です。他にも白玉ねぎと赤玉ねぎがあり、玉ねぎの品種はざっくりいうとこの3種類です。白玉ねぎは日本ではサラダオニオンとも言われます。赤玉ねぎも生食に向きますが、インドでは玉ねぎというとこの赤玉ねぎです。ちなみにサイズは日本のものより2回りくらい小さくて、含んでいる水分も少なめです。色もインドの赤玉ねぎは日本で見る赤玉ねぎよりも薄い色をしていますね!
 バングラデシュや南インドの一部地域では、東南アジアで見るような赤わけぎの球根部分を玉ねぎとして扱います。現代ではそれらの地域でもインドの赤玉ねぎは普通に使われているので、赤玉ねぎと赤わけぎを2種類使い分けている地域もあるということになります。この記事では主に赤玉ねぎについて説明していきます。この小さい方については南インドやバングラなど、専門的に詳しく使う理域の料理を解説するときにまた詳しく触れます!

赤わけぎの方-かなり小さく2-3cmほどです。

インド料理における玉ねぎの扱い

 インド全体で見たときの玉ねぎの扱いに関しては、料理目線と人目線で見たときで変わります。ちょっと話がややこしいのですが、それらはまとめると以下のようになります。これはあまり大事な話ではないのでスルーしていただいても大丈夫ですが、ここでお伝えしたいことは、地域によって人によって、料理によって玉ねぎの扱いが様々変わりますが、それには傾向も存在しているということですね!

-料理目線
A.赤玉ねぎ使う系料理(主に北インド料理、ウルドゥー料理、東インド料理、一部の南インド料理)
B.赤わけぎ使う系料理(バングラ料理、南インド料理)
C.赤玉ねぎも赤わけぎも不使用系(宗教上玉ねぎを避ける人たちの料理)
D.赤玉ねぎたっぷり系(一玉ねぎを具材としてう料理、レストラン料理)

-人目線
E.赤玉ねぎ使う派
F.赤わけぎ使う派
G.肉料理は赤玉ねぎも赤わけぎも使わない派
H.ノンベジは赤玉ねぎも赤わけぎも使わない派
I.どちらも使い分ける派
G.宗教的な理由により玉ねぎ等いくつかの食材を避ける派

 EからIに関しては玉ねぎを使う状況でどの玉ねぎを好んで使うかの話で、例えばEの人が全ての料理に赤玉ねぎを使うということではありません。玉ねぎを使う料理では赤玉ねぎを好んで使う、という意味です。Gの人はその全員がベジタリアンで、いかなる料理においても玉ねぎをはじめ避けるべきとされる食材を使用しません。
 インド全体で見たときの料理においての玉ねぎの使用頻度は、ベジ料理とノンベジ料理で大きく違います。これはGの人たちが例外なくベジタリアンだからですが、ただ彼らは料理体系も独自なので、彼らの料理体系を勉強する時以外ではこのことをあまり意識する必要は私達にはありません。
 玉ねぎは現代のインド料理では必須食材とまでは言わないまでも、人や料理体系によって実質必須食材と言えるほどの登場頻度と言えると思います。しかしながら、玉ねぎを食べない人たちが全体の何人になるかはおいておいたとしても、インドでベジタリアンの人たちになんとなく玉ねぎ事情を尋ねて回れば、ある人は何かとよく使うしないと色んな料理が美味しく作れないと答えるかもしれませんし、またある人は使う料理と使わない料理があると答えるかもしれません。

北インド料理の玉ねぎ

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