赤血球ができるには栄養が必要・その3
赤血球は最初から赤血球としてポンと生まれてくるのではなく、血球の種から赤血球の赤ちゃん「前赤芽球」ができるまでに、ビタミンAとビタミンDという栄養が必要だという話の続き。
前赤芽球まで分化した赤血球の赤ちゃんはどうなるかというと、「前」ってつくくらいだから、その次はそう、「赤芽球」。
そのあと、網状赤血球という段階を経て、赤血球になるの。
前赤芽球→赤芽球→網状赤血球→赤血球
この過程で重要なのが、数を増やすことと、ヘモグロビンをたくさん持つこと。
◆数を増やすための栄養
からだの全細胞の半分くらいが赤血球ということは、そのくらい赤血球がからだにとって必要ということ。
赤血球の数を増やすことに関わる栄養素が、葉酸とビタミンB12。
(葉酸はビタミンB群のうちの一つ)
それは、葉酸とビタミンB12が細胞の分裂に関わるから。
生物の授業で【細胞分裂】っていうのを習ったよね。
細胞がどんどん分裂していく時、核のなかのDNAが複製されて2つ分になってから、細胞が2つに分かれていくっていう話だった。
(上の図は、息子の生物の教科書「生物基礎」(東京書籍)よりお借りしました)
このDNAの複製には実は栄養が必要ってことは習わなかったよね(たぶん)。ただ黙って複製されていくと思ったら大間違いw。
葉酸とビタミンB12の助けを借りてDNAが複製されることで、細胞が分裂できて、数を増やせるの。
この分裂を前赤芽球→赤芽球の段階でおこなって、最終的にからだの全細胞数の約半分が赤血球となるように数を増やしてく。
では、ビタミンB12と葉酸が足りないとどうなる?
そう、分裂できなくて、十分な数の赤芽球ができないことになる。赤血球の数も足りないことになる。
鉄が足りなくて起こる貧血とは別の貧血。
◆ほどよい小ささであること
ちゃんと分裂していくと、赤芽球の数が増えると同時に、一つ一つの大きさは小さくなっていく。
大きい方が良さそうに思えるけど、ほどよく小さくすることが重要なのね。
なぜって、小さい方が細〜い細〜い毛細血管に入っていけるから。
でも小さすぎると十分な酸素を運べないから、ギリギリのほどよい小ささが重要。
このことを知ったとき、生命の仕組みってなんてすごいの✨って、私は感動したのです。
ということで、赤血球の大きさも重要なファクターなので、分子栄養学の血液検査では、赤血球の平均的な大きさも調べるの。
どういう理由で貧血などの不快な症状が起こっているのかがわかると、改善に繋がるから。
大きいと、葉酸やビタミンB12が足りていない可能性も考えて(他にも原因はあるから可能性の一つ)食生活などを確認。
◆どういうときに不足するか
葉酸は動物性・植物性両方の食品に含まれているけど、アルコールの飲み過ぎやある種の薬の服用で、その吸収がうまくいかないことがあるらしい。
ビタミンB12は、主に動物性食品に含まれていて、胃酸でタンパク質から切り離され、唾液の成分と結合したり、その後切り離されたり、胃の内因子と結合したりして、小腸で吸収されて肝臓に貯蔵される。
だから菜食の方はビタミンB12が不足するかもしれないし、胃酸抑制剤を長期的に使っていたり、胃粘膜の調子がよくなかったり、胃の摘出を受けていたりすると、吸収されにくいかもしれない。
唾液の成分と結合することも大事だから、やっぱり、よく噛んで食べてね♡
前赤芽球→赤芽球→網状赤血球→赤血球の過程で、数を増やすことのほかに、もう一つ、ヘモグロビンをたくさん持つことも重要だと書きました。
ここでも栄養が関わってくるの。
長くなってきたので、別の記事で♪。
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