見出し画像

歩きながらのメールは事故に遭う可能性を高める

case|事例

ニューサウスウェールズ大学(NSWU)の最新の研究で、歩きながらメールを打ったり読んだりすることで転倒などの事故リスクが高まることが明らかにされた。これまでの先行研究では、メールを打ちながら歩くと対向車線に入り込みやすくなることや、若者はマルチタスクの技術を取得しているので障害物を避けながら正確にメールを送信することができることなどが示されていた。

今回のNSWUの研究では、50人の大学生にランダムに滑る可能性のある環境をメールをしながら歩いてもらい、身体的な挙動などを計測した。モニターの大学生は、ケガをしないように安全帯を着用し、また身体的な挙動を捕捉するためのセンサーを装着して実験を行った。

結果として、メールを読んでいるモニターは転倒に対して慎重になるような挙動が捕捉されたが、リスクは最小化できずに体幹の振れ幅が大きくなることが示された。また、滑らなくても歩いているだけでメールのタイピング精度は落ちることも明らかとなった。

研究者らは、歩きながらメールをする人は、転倒のリスクを認識していたとしても下を見て歩きがちであるため、標識などによる注意喚起は効果的ではなく、歩行を検知して画面をロックするような機能などがより対策として効果的であると結論付けている。

insight|知見

  • メールに限らず、地図などをスマホで見ながら、ついつい歩いてしまいがちです。日本の場合、歩道を自転車や電動キックボードが歩行者に混在して通行することもあり、より事故リスクが高くなる場合もありそうです。

  • 研究では標識の効果については懐疑的ですが、注意喚起や啓発は対策の根幹かなと思います。もちろん技術側で画面ロックなどの対応もあり得ると思いますが。

  • ウォーカブルな環境創出をめざすエリマネ組織などによる、路面アートなどと組み合わせたアート的な注意喚起とか面白そうですね。