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ゲント市は物流企業と協働での排出量削減に向けた実証を検討

case|事例

ベルギーのゲント市は、物流の排出量削減に向けて2つの実証実験を企画しており、都心部で商品配送をおこなう企業に対して実証への参加を呼び掛けている。現在、ゲント市都心部では毎週7,000トンの商品が配送されており、そのために40,000トリップもの移動が発生している。ゲント市は、健康的な都市環境を創出するために物流の改善が大きなインパクトを持つと考えている。

ひとつめは物流企業に無償で電気自動車を貸与するもので、1週間にわたって電気自動車での配送を試行してもらう。実証期間は9月23日から12月13日までで、企業だけでなく個人事業主やNPOも対象となる。車両タイプは、電気トラック、ボックストラック、冷蔵トラック、バン、小型の電動車両、カーゴバイクが用意されている。また参加した企業には物流サービスの改善へのアドバイスやカスタマイズが提供される。

もうひとつは郊外から都心部への共同配送へ参加するための財源支援をするもので、共同配送への参加を希望する企業に対して6,000ユーロ(約103万円)が提供される。

ゲント市は、2030年までに物流をできるだけゼロエミッションにしたいと考えおり、その目標達成に向けて、企業に持続可能な物流構築への一歩を踏み出してもらうために準備する時間とサポートを与えたいと考えている。

物流の電化の効果は、EIT InnoEnergyなどのレポートで指摘されている。EIT InnoEnergyは、e-カーゴバイクとe-バンを混合利用した場合の効果をシミュレーションしており、最大で5.5億ユーロ(約959億円)のコスト削減と80%の排出量削減が期待できると指摘している。

insight|知見

  • 市町村と企業が協働で物流の改善に取り組むというのは日本ではあまりイメージできませんが、低炭素な都市形成には意義のある取り組みだなと思いました。福岡でもYellow Birdを活かした共同配送の普及などに取り組めると面白いなと思います。