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リバプールの都市モビリティ及び公共空間マスタープラン

case | 事例

リバプール市議会は、今後20年間で市中心部の移動手段を変革するためのマスタープランを承認する予定となっている。この「リバプール都市モビリティ及び公共空間計画」では、2045年までに数百万ポンドの投資プログラムを導入することで、公共交通機関の利用を増やし、人々がより多く歩き自転車に乗るようにすることを目指している。計画は、市の中心部の主要な拠点、機会、課題を特定し、直近から長期的な交通と公共空間への投資を提案している。

マスタープランの基本的な考え方は、完全に統合された公共交通システム、包括的なアクティブトラベルネットワークと、活気ある公共空間を作り出すことで、市中心部を将来にわたって活気のある形で保つことである。計画では、リバプール市中心部の主要道路のアップグレードに5,000万ポンド(約95億円)以上の投資と、ウォーターフロントから市のナレッジ地区へのアクティブトラベルルートの整備を示している。計画はデータを根拠にしたアプローチによって、市中心部の次の進化の重点を特定し、「人々」、「場所」、「移動」という3つの主要なモビリティの側面を設定している。計画に挙げられている様々な施策による機能強化は、各々の側面に影響を与えることが考慮されている。

直近の施策に関しては「クイックウィン」が想定できるものから導入し、その後、長期に向けたアクセラレーションプロジェクトが続き、ビジョンに向けた継続的な進展を確保することになっている。クイックウィン施策としては、キャッスルストリートの整備、モニュメントプレイス・ロンドンロードのバス優先措置の導入、ムーアフィールズ駅のマスタープランの策定、セントジョージズゲートウェイの歩行者および公共交通機関の接続の改善、駐車戦略の策定などが含まれている。長期的には、バスのルーティングの変更、バスのフランチャイズ化、2つの主要な地下鉄駅との接続性を改善するためのルーティングマップなどが提案されている。これらの計画措置により、人々は可能な限り車を使わずに歩いたり自転車通行したりすることが既定となる環境が構築される予定である。

insight | 知見

  • リバプール市議会のページも含め記事で紹介されているような計画文書を検索したのですが、ドキュメントとしては見つかりませんでした(記事につけている計画のリンク先は骨子)。

  • 都心を活気ある形で保っていくことに必要なのは、「統合された公共交通システム」「包括的なアクティブトラベルネットワーク」「活気ある公共空間」の3つに設定していることは示唆に富みます。また、「クイックウィン」領域から始めて、その成果を見せながら長期施策や投資を進めるということも戦略的で参考になります。