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世界の都市・地域の最新事例を紹介するマガジンです(平日毎日更新)。 「case」では海外記事を抄訳して海外の都市計画関連の最新事例を紹介しています。「insight」では海外の最…
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#スマートシティ

スマート都市インフラの分野で展開するポーランドのスタートアップSEEDiA社

case | 事例 よりスマートで持続可能な都市の構築を目指す企業間競争において、ポーランドのスタートアップSEEDiA社は、太陽光を電源とする都市家具で実績を残しており、ワルシャワに限らず台北でも注目を集めている。同社はスマートベンチから事業を始めたが、すぐにインフォメーション端末、電動自転車の充電ステーション、バス停へと事業を拡大した。同社の目標は、都市インフラの全てを太陽光のみで動かすこととしている。SEEDiAの主力製品であるスマートベンチは、台湾のE Ink社製の

スマートシティに住むことが幸せだと考える中東・北アフリカ ― マスターカードの未来都市レポート

case | 事例 マスターカードが公開したMastercard Cities of the Future Report 2024は、特にエジプト、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)を対象に、中東・北アフリカ(MENA)地域におけるスマートシティに対する人々の願望と技術的進歩に関する分析を特集している。レポートでの集計によると同地域の76%の人々はスマートでコネクテッドな都市に住む方が幸せになれると回答している。UAEでは回答者の68%、サウジアラビアでは75%、エ

香港のスマート・モビリティ化が軌道に乗りはじめている

case | 事例 香港は、交通システムをスマートで持続可能なモビリティ・エコシステムに変革するために前進している。2020年に香港政府が発表した「香港2.0のためのスマートシティ青写真」では、生活と密接な関わりがある交通が香港のスマートシティ開発の中心として位置づけられているのだ。政府のバックアップのもと、効率的な交通管理、公共交通機関の利用の最適化、道路渋滞の緩和、二酸化炭素排出量の削減、持続可能な開発を促進する革新的な技術の推進を目指している。香港政府は3つの主な戦略

シンガポールのデジタルの持続可能性推進政策

case | 事例 シンガポール情報通信メディア開発庁(IMDA)と政府技術庁(GovTech)は、情報通信セクターのグリーン化(Green ICT)と、デジタル技術を活用したその他の経済のグリーン化(ICT for Green)に関するデジタル持続可能性イニシアチブを発表した。イニシアチブはシンガポールの環境行動計画である「シンガポール・グリーン・プラン2030」と、シンガポールの公共部門が目標とする2045年のネット・ゼロ達成に寄与するものである。 発表された目玉政策

ヘルシンキは配送ロボットの第2フェーズの実証を開始

case|事例 ヘルシンキは宅配の端末輸送のソリューションとして自動配送ロボットの実証を進めている。実証は2022年に開始されたURBANEプロジェクトの一環で、物流を原因とする交通混雑や温室効果ガス排出の削減を目的に、多様な端末輸送のソリューションの実証を進めている。 自動配送ロボットの実証は、5月から8月に実施された第1フェーズで機能の技術的な実証と一般市民の受容性の検証を行った。今回実施される第2フェーズの実証では、Ruoholahti地区とJätkäsaari地区

シンガポールは自動化で労働力不足の解決を試みる

case|事例 シンガポールのビルは、将来、食品配送ロボットのために改札やエレベーターが自動で開閉し、エネルギー資料を効率化させるために蓮暖房システムが常に最適化され、入居者は顔認証だけで入館や支払いが可能になっているかもしれない。 シンガポールの政府機関GovTechと産業開発機構のJTCは、そんな未来を可能にするオープンデータプラットフォームの開発と実証に取り組んでいる。開発しているオープンデータプラットフォームは異なる通信技術を用いるそれぞれのシステムの相互通信を可

ドイツの自治体におけるデジタル・ツインの開発に関する研究

case | 事例 総合エンジニアリング・コンサルティング企業のアラップ社は、欧州委員会のイニシアチブのもと、独バイエルン州のレーゲンスブルク市のプロジェクトとして、ドイツの自治体における都市のデジタル・ツインの調査研究を実施した。研究では、ブラウンシュヴァイク、ヘレンベルク、ケンプテン、クレーフェルト、シュトゥットガルト、スルツバッハ、ホーフといったドイツ7都市のデジタル・ツインについて、実装されている技術的な形態、デジタル・ツインにかかる自治体の組織構造や財政的な枠組み

なぜカナダのスマートシティチャレンジは的外れなのか?

case|事例 (カルガリー大学Ryan Burns准教授の論考) カナダ連邦政府は2017年にスマートシティチャレンジを立ち上げ、テクノロジーを活かして都市生活を改善できる自治体に対して最大5,000万ドル(約73億円)を授与することを決定した。スマートシティチャレンジには数百の自治体から応募があり、幾度かの選考を経てモントリオールが5,000万ドルを手にすることとなった。現在、カナダ連邦政府は2回目のスマートシティチャレンジを企画している。 一方、この数年の間に、スマ

エジンバラは将来のスマートシティ構築に向けて着々とインフラの整備を進めている

case|事例 エジンバラは、効率性を高めコストを削減しながら市民サービスを改善するためにスマートシティの構築を進めている。彼らは、スマートシティの構築に向けたロードマップに沿ってプロジェクトを進めており、第1フェーズの主要インフラの整備を概ね完了した。第1フェースのインフラ整備では、リアルタイムなCCTVカメラデータのオペレーションセンターの整備や基礎的なデータプラットフォームの構築などを進めてきた。CCTVカメラデータは、公共空間の安全確保や交通管理、都市計画の立案のた

2030年までにメタバースが世界700都市で実装されると予測

case|事例 現在のところ、メタバースの実装事例は少ないが、2030年までにデジタルツインの拡張を中心に何らかの形で導入が進み、導入都市数は700都市に及ぶだろうと、ABIリサーチ社は最新のレポートで予測している。 ABIリサーチの副社長は、メタバースについては過剰な誇張や概念のあいまいさがあるが、都市の分野では価値を生み出すユースケースやアプリが生み出されつつあるとして、期待を寄せている。特に都市分野では、電子政府における市民のシームレスな体験の提供やバーチャルツーリ

ベルリンのスマートシティはヨーロッパで最も先駆的と評価

case|事例 ジュニパー・リサーチ社の最新の調査レポートで、ベルリンがヨーロッパで最も先駆的にスマートシティ形成をしている都市として評価された。続いて、ロンドン、バルセロナ、ローマ、マドリッドが高評価を得た。ベルリンは、MaaSアプリ「Jelbi」の導入によって交通インフラの改善を進めていることが特に評価をされており、マイクロモビリティのシェアサービスと再生可能エネルギーの発電における積極的な取り組みなどによって、統合的なアプローチでスマートシティ開発を行っていると述べら