骨と内臓と筋肉と虫

九州国立博物館に『針聞書(はりききがき)』という書物があるらしい。そこに書かれているのは “はらのむし” だ。

この書物は1568年大阪に住んでいた茨木二介元行(いばらきにすけげんぎょう)によって書かれた医学書で、“はらのむし”とは想像上の生き物で、当時は身体の中で悪さをして病気を引き起こすと考えられていたとのこと。

https://sasatto.jp/article/entry-208.html

九州国立博物館はこの“はらのむし”をグッズやアニメーションにしたりしていて、みんなから愛されるキャラクターになっているらしい。

東洋医学や西洋医学などの、いわゆる医学書といえば、難しい専門用語や、気味の悪い絵がたくさん書いてあって個人的にはとても苦手なイメージがあった。

私の夫は鍼灸師なので、家には東洋医学系の本がたくさんあるのだが、はっきり言って私にはどれも恐ろしかった。それでも興味はあるので手にとって読むのだが、だんだん気分が悪くなってくるので正直、最後まで読めた試しがなかった。

私は幼い頃から骨と内臓と筋肉が怖かった、自分の中にこんなに恐ろしいものがあることを認めたくなかった。
それは同じく苦手な芋虫やナメクジやムカデが恐ろしい感覚と似ていると感じている……
世の中にはこんなに気持ちの悪い生き物がいることが嫌でたまらなかった。
(この子たちが好きな人ごめんなさい)

パラレルワールドがもし存在するのなら、私は骨と内臓と筋肉と嫌いな虫が見えない世界で生きていたい。
でも、骨と内臓と筋肉と虫がいる世界のことは知っておきたい。
存在はお互いにあっていいと思う。
ないと困る、だって、本当は世界はひとつだから……

でも、誰だって自分が嫌われる世界では生きたくない。
嫌な者同士は離れて暮らすのが賢い生き方だ。
お互いが好きだと思える距離まで離れよう。
お互いが気持ちよく過ごせるように……

村上春樹さんの言葉でこんなものがあった、『遠くから見ればおおかたのものごとは美しく見える』
私はこれにものすごく共感してしまう。
現実の物事からある程度離れて見ていくと、それはイメージの世界に繋がっていく。

『フランクリン・メソッド 骨盤力』という本に、イメジェリー・エクササイズという方法について書かれていた。肉体を別のものなどに置き換えてイメージするやり方で、特に骨盤などは普段意識しない自分の部分なので面白いと思った。
私は先述したように、骨とか内臓とか筋肉のことを考えるのがとても苦痛なため、この本もやはり最後までしっかり読むことができなかった……イケるかなと思ったのだが(泣)

やはり、私は肉体に関してまだ心的なブロックを持っており、それが浄化されていないのだなと思った……。

誤解のないようにして頂きたいが、これらの本は内容的には良書だと思う。とても惹かれるし、わかりやすいと思う。だから、本当はもっと深く学びたいと思っている。ただどうしても肉体に対する苦手意識が抜けない……
もっと向き合いたい、好きになりたいのに、同時に避けたい、逃げたいという感情に襲われる……

そんな時に、“はらのむし”のことを知った。
そして、これなら受け入れられると直感的に思った。
私の身体を、はらのむし達と共有しているのだと思うと、はらのむしのことを知ろうと思ったし、お互いの居場所である肉体を守るためにはどうすればいいかと思ったとき、肉体は私の所有物でなく、与られた居場所なのだとイメージできた。

そして、ああそうか!
私の本体は魂であって、肉体ではないのだな。と、気づいた。

そうすると、肉体が苦手でもいいじゃん!私は私で得意なものがあるはず!と、希望が湧いてきた。

魂を磨くために、神様が与えてくれた仕事は人それぞれだ。
私は私に与られた仕事をしていこうと思った。

肉体系のことは、夫に任せよう!
本も自分で読めないから今度また解説してもらおう。
この人と夫婦になれてよかったな、また二人で九州国立博物館にも行きたいな。

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