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Vol.20 夫の誕生日にフランスですき焼き作りにトライ

bonjour! 金曜日配信のフランス滞在記をお届けします🇫🇷

2019年12月某日。
なかなかフランス滞在記には登場する場面の少ない夫ですが、今日はそんな夫の現地で迎えたお誕生日のお話。

夫は渡航の段取りを組んだり、現地情報をリサーチしてくれたり、また現地でトラブルがあれば臨機応変に対応してくれたりと、慣れない地で働きながら、家族みんなが少しでも楽しく生活できるようにと陰ながら本当によく支えてくれていました。予想外のイベント続きのフランス滞在でしたが、まるごと楽しめたのも彼のおかげ。

さて、今日のお題のすき焼きですが、我が家では新婚当初から毎年、夫のお誕生日にはすき焼きを作ることが恒例行事となっています。
12月のこの時期はだいたい海外出張が入っているので、ここ数年は一週間ほど遅れてお祝いするのが通例になっていたのですが、この年は久々に誕生日当日すき焼きを囲むことができました!

フランスでもすき焼きなんてできるのでしょうか?さっそくネットでリサーチして食材探しに出かけます。問題はお肉とネギと卵です。


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まず近所のお肉屋さんへ。フランスのお肉はどこも安くて美味しい。
ただ、フランスには肉を薄くスライスして食べるという習慣がないので、日本みたいな薄切り肉は売っていません。
お肉屋さんに「薄くスライスして食べたいのですが」なんて言ってみても「・・え?なんで?なんのために?」みたいな顔をされますが(笑)、スマホですき焼きの写真を見せて「これを作りたい」と言ってみるとちょっと興味を持ってくれました。

極め付けはこの一言。

「旦那のお誕生日のメニューです」

さすがアムールの国、家族を大事にするフランス。
お肉屋さんの顔色がパッと明るくなり「それは素晴らしい!このお肉がいいよ!」と一押しのお肉を薄く切って包んでくれました。やったぁ!
日本のものよりはずいぶんと厚みがあったけれど、これもフランスですき焼きをする楽しみ、ということで。

「merci!」

お礼を言ってお肉屋さんを後にすると、今度はネギと卵とキノコを買いに行きつけのBioスーパーへ向かいます。

フランスにもポロネギ(西洋ネギ)という一見日本のネギに似た野菜はあるのですが、味は日本のネギとは全然違う。(でもポロネギ、ソースにすると癖がなくて美味しいんですけどね)。でもまぁ見た目がそっくりだから買っておこう。ここはフランスなんだからフランスのネギを楽しもう(笑)。

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(写真はワークワークとかちさんのサイトより)

後は卵です。フランスは卵を生食する文化がないので(日本の卵の衛生管理ってすごく厳しいのですね)卵は火を通して食べる前提で売られています。
他の方のブログをいくつか拝見して、Bioのすごく新鮮なものだったら大丈夫とのことで、Bioスーパーの一番新鮮そうなものを選んで買いました。
(※お試しになる方は自己判断でお願いします)

・・あ。そうだ。忘れていた。すき焼きといえばプリプリのおしゃれに飾り包丁の入った椎茸。日本からいいドンコを持ってきたけれど、ここで乾物もなぁ・・なんて思っていたら、目の前にコロコロとよく太った美味しそうなブラウンマッシュルームがあるではないですか。よし、これで行こう!と紙袋にどっさりブラウンマッシュルームを入れてレジへ向かいます。


残りの白滝や焼き豆腐などは現地でお世話になった日本人の方が経営する日本食料理屋(ozenya)さんへ行って調達。
「すき焼きかぁ、いいわねぇ」なんて店長さんに見送られながらお店を出る。
そして帰りがけにお花屋さんへ寄って、テーブルに飾るバラを数輪買って帰った。


夫は近所のワイン屋さんで、すき焼きに合うワイン探しを。
すき焼きって一体何?という感じなので「甘いソイソースのタレで煮詰めた薄い牛肉を・・」なんて夫が説明をすると、ワイン屋さんはたくさんあるワインの中から未知の食べ物・Sukiyaki(笑)に合う一本をチョイスしてくれたようです。
(本当は一緒にワイン屋さんに入ったのですが娘の機嫌が悪く一足先に帰宅)。


さぁ、早速家にへ帰って料理開始です。

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割下を作って、いつも通りすき焼きを作る手順でグツグツ・・。


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う、うまい。うますぎる。
結論として、お肉屋さんで買った正体不明の厚切り肉がめちゃくちゃ美味しい・・!和牛より脂身が少なくて味がしっかりとしていて、私は日本のすき焼き肉よりこっちのお肉の方が好きかもしれない。

あと肉厚のブラウンマッシュルームがこれまた美味しすぎる。

そしてちょっと心配していた卵は当時2歳の娘には控えてもらって大人だけで頂く。(後日お腹を下すようなこともなく、安心 笑)。これが、さっぱりとしていてフランスのお肉によく合う。

フランス料理のソースは重厚だけど、素材そのものは日本のものよりも味がさっぱりとしていて私はとても好きだった。ほど良いそっけなさの奥に旨みがぎゅっと詰まっていて、毎日食べても飽きないのです。

・・うむ。なんだか食レポみたいになってしまった。
慣れていないので食に対する自分のボキャブラリーのなさに愕然としながらも、たまにはこんな感じもいいかなと(笑)。


フランスで作ってみたすき焼きは、正直日本で食べるそれとはちょっと違ったけれど、ものすごーく美味しかった。まさに日本文化とフランス文化のいいとこ取り!夫がチョイスしてくれたワインもおいしく、ついつい飲みすぎて、食後、娘に誘われて踊る夫を眺めながら夜はふけていった。

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