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Vol.26 虹のゲートをくぐってクリスマスのストラスブールへ
bonjour! 金曜日配信のフランス滞在記をお届けします🇫🇷
いよいよ、クリスマスが近づいてきたので、今日は昨年フランスのストラスブールで過ごしたクリスマスのお話を🎄
2019年12月某日。
夫の勤め先の上司とクリスマスの話になった時に「ストラスブールのクリスマスマーケットはすごくいい。〝絶対行くべき!〟」と言われて気になっていたストラスブール。しかし、フランスは12月上旬から始まった大規模ストライキの真っ只中。鉄道もバスも動いていない。レンタカーも出払っている。
ここで私なら、残念だけどこういう時は仕方ないよね。グルノーブルで大人しくしていましょう、となるのだけど、こういう時、絶対に諦めない夫。もう今からでは遅いよ、とさっさとベッドに入る私を尻目にチャイルドシート付きのレンタカーを探しまくる。
(このチャイルドシート付きのレンタカーを探すというのがなかなか難しい。そんなわけでこの後、日本からきたS君サンタさんがポータブルチャイルドシートを持ってきってくれた時には後光が差したのだった・・!)
「・・あったよ!」
・・へ!?あったんかい!!まじか。
諦めて就寝モードの私に夫が嬉々としてノートパソコンを持ってくる。そして、レンタカー会社のウェブサイトを見せてもらうと、そこには確かにチャイルドシート付きのレンタカーが。そうそう、そうなのだ。私は かなり諦めが早いタイプなので、こういう夫の粘り強さに助けられて可能性を広げてもらえる、という展開が多いのだ。
かくして、23日から一泊で、晴れてストラスブールに出かけることになったのだった。
*
2019年12月23日。出発の朝。レンタカーを取りに行ったり、用意したり、娘のぐずり対応など細々としたことをしているうちに、お昼近くになってしまった。(いつも思うのだけれど、子供がいるとどんなにバッファーとっても一瞬のうちに消え失せるのはなぜだ笑)。
バタバタと家を出て、高速道路を走ると、虹の足がお出迎え。
この後も、目の間にいくつもの虹が現れては消える、という不思議な旅路。
「みて!また虹!!」
「○個目だねー!!」
なんて、はじめは虹の数を数えていたけれど、あまりにも多いのでしまいには数えられなくなっていった。
とにかく雲の美しさに心洗われる日だった。どうやら、ストラスブールに向かう私たちの車はちょうど雲に囲まれた晴れ間を縫うように走行していたらしく、あたかも、雲がつれてきた虹のゲートがストラスブールまでの道案内をしてくれるようだった。
*
日が落ち夜になる頃、ようやくストラスブールに到着した私たち。道路はクリスマスマーケットへ行く車で渋滞していた。並ぶことが大嫌いな私たちは、ここでケチって市営駐車場が空くのを待つよりも、デパートの駐車場へ停めて早くクリスマスマーケットへ繰り出すことにした。
クリスマスで華やぐデパートの中を通り抜け、クリスマスマーケットの会場へと向かった。到着したらまずは入り口ゲートで持ち物のチェック。テロ対策としてセキュリティが強化されていたのだ。
ゲートの中へ入って、かわいい雑貨屋さんやお菓子屋さんが立ち並ぶ繁華街をぐんぐん歩いて、大きなクリスマスツリーのある広場へ出た。
サンタさんと一緒に。
夜の灯に照らされた、石造の古く荘厳な教会に圧倒されながら、イルミネーションに彩られた路地に入る。
可愛らしい雑貨屋さんが多く、ゆっくりフラフラしたいところだけれど、腹ペコ娘の虫の居所が悪くなる前に夕飯にありつかなくてはなりません。後ろ髪を引かれながらレストランを探します。
途中、一際荘厳な雰囲気を醸し出す教会を見つけ、圧倒される。ストラスブール大聖堂です。
一眼レフを持ってこなかったことが悔やまれる。
中へ入ってみたかったけれど、入れるのは午前中だけ。残念ながらこの日は諦め、何度も振り返りながらてくてく歩きます。
小さなクリスマスツリーのある中庭のような場所へ出ました。
中庭をぐるりと囲むようにレストランが連なっていて、その中に感じのいいレストランを見つけます。ピシッとシワのない白いテーブルクロスが敷かれ、良さそうなワインリストが並んでいる。ネットで価格帯を調べるとちょっと高そう・・。しかも、3歳児が一緒で果たして入れてもらえるのだろうか・・。
色々と考えあぐね、迷った末、えぇい、考えていても仕方がない。せっかく旅行に来たのだ。ここまで毎日これといった贅沢もせず、頑張って生活してきたのだからクリスマスぐらい自分たちへのご褒美があってもいいじゃないか!と謎の気合を入れて、レストランのドアを開けた。中には他のお客さんは誰もいない。
ちょっと心配になり挙動不審になっていりと、奥からカジュアルな雰囲気の若い店員さんが現れて、挨拶すると笑顔で窓際の席に通してくれた。・・ほっ。
メニューリストを見せてもらうと、どれも美味しそうなメニューが並んでいた。
私はポトフを選んだ。
美味しいものが出てくるお店の雰囲気を知っているのか、こういう時、娘はとても静かにしている。道中、あんなものがあった、こんなものがあった、とお話をしてくれて、温かい店内で悦に浸っている。そうだよね、ここまで大人ペースの早足できちゃったけど、子供の目には色んなものが映っていたはずだよね。
夫と二種類ぐらいずつアラカルトでオーダーしたワインもどれも美味しく、束の間の至福の時間を楽しんでいると、ポトフがやってきた。これが、私の中のポトフ概念を覆すほど美味しかった。
程よく火が通った野菜や肉などが上品なお皿にゴロリと並べられ、そこに濃厚な出汁をかけていただく。めちゃくちゃ美味である。
ここでこのお店に入ったのは本当に良い選択だった。フランス生活最後はパリでお疲れ様会ディナーをしようかと思っていたけれど、例のコ○ナ騒動でそれどころではなく。ここでのお料理はフランス滞在の中で一番美味しかった外食になった。帰国してからも「あそこのお店は美味しかったよね〜」と思い出話に花が咲いている。
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それから今日宿泊するホテルに戻るも、ストラスブール大聖堂のことが気になって寝付けず。家族が寝静まった後に布団に包まって夜な夜なリサーチしていると、ストラスブール大聖堂の中には世界最大級の時計があり、文豪ゲーテも「荘厳な神の木」と称賛したとか。
みたい。どうしてもみたい。
しかし、明日はあまり時間がないしなぁ・・でもみたいなぁ。
日付を跨いで24日になり、私は揺れながら眠りについたのでした。
*🎄アドベントカレンダーやっています🇫🇷*
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