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Billboard Hot100から見た「あるバンド」の凄さについて

 先日こんなページを見つけました。これは、アメリカのBillboardのHot100というシングルチャートで1位になった曲数をアーチスト別に集計したものです。(このリストにはHot100という名称になる前のチャート時代のアーチストも集計されているそうです)

 実は、こういうの結構好きでして、こういうデータ見るとすぐにExcelに取り込んで、並べ替えたりして遊んでしまうのです。

Billboard Hot100 で1位の曲を一番たくさん出したのは誰?

 で、最初の興味は、歴史上一番たくさん1位を獲得したのは誰?と言うところだったのですが、これは案の定というか、想像通りビートルズでした。その数何と20曲。それに次ぐ2位は、マライア・キャリーの19曲! これもすごい。ちなみに、10曲以上獲得した人はちょうど10人(組)いました。


  1. ビートルズ 20曲

  2. マライア・キャリー 19曲

  3. エルビス・プレスリー 17曲

  4. リアーナ 14曲

  5. マイケル・ジャクソン 13曲

  6. マドンナ 12曲

  7. ザ・スプリームス 12曲

  8. ホイットニー・ヒューストン 11曲

  9. ジャネット・ジャクソン 10曲

  10. スティービー・ワンダー 10曲


 4位のリアーナという人、わたしにはそんなに売れてる人という認識が無かったのですが、やっぱり割と最近の人なのですよね。まだ若いので、ひょっとするとこれからまだ伸ばすかもしれませんね。7のザ・スプリームス(マドンナと同じ6位ですが)って、誰?って一瞬思いましたが、ダイアナ・ロスがいたあのグループですね。わたしらの世代は昔「シュープリームス」って聞いてたのでどうしてもそっちの方がなじみあるのですが(笑)。

意外と少ない同一「グループ」での1位曲

 結局ベスト10のうち、グループは、ビートルズと、スプリームスだけ。あとは全部個人アーチストなんです。案外グループで売れ続けるのって人間関係とかあって難しいんでしょうかね。ちなみに、続くランキングでグループだけを上から順に拾ってみると、9曲にビージーズ、8曲のローリングストーンズ、6曲にBTSくらいなんです。すでにBTSが6曲も1位を獲得してたというのもオドロキなんですが、わたしらの知ってるビッグネームが、案外出てこないんですよね。

 全体を眺めてみると、総数は769。うち、1曲しか入ってない個人・グループが535と、ほぼ70%となります。2曲だけ入っているのが111なので、ここまでで約85%。このチャートに3曲以上入れるなんて実績がどれだけすごいかと言うことですよね。

 それに、1曲しか入ってないといって、「一発屋」とか言うのもはばかられます。1曲だけランクインしてる人をざっとながめてみると、アバ、エアロスミス、ベイ・シティ・ローラーズ、ボン・ジョヴィ、ボストン、チープ・トリック、エリック・クラプトン、キャロル・キングとか、それに、ピンク・フロイド、イエス、ジェネシスも1曲かっ飛ばしているわけなんです。まさに、とても一発屋なんて言えないようなビッグスターがごろごろ並んでいるわけです。(Kyu Sakamotoもいましたが…) それに、意外だったのは、ブルース・スプリングスティーンは、1曲もないんですよね。やはりこのチャートでたった1曲でも1位をとるのがどれだけ大変かという事なのだと思います。もちろん、これはあくまでBillboardのシングルチャートという一つの切り口での評価なわけですが、やっぱりおいそれとは獲得できないものであることには違いないと思うわけです。

グループで1位、メンバーソロで1位を合算してみると、意外なバンドが…

 さて、いよいよこのへんから本題なのですが、グループだけでなくグループのメンバーがソロでも1位を取ってるケースもあるわけです。例えばビートルズは、4人のメンバー全員がソロで1位を獲得してます。

 ポール・マッカートニー 9曲(ウイングス含む)
 ジョン・レノン 2曲
 ジョージ・ハリスン 3曲
 リンゴ・スター 1曲

 ポール・マッカートニーは、最初3曲と出ていて、案外少ないなと思ったら、別にウイングス名義で6曲も入っていて、併せて9曲で最多です。さて、これを合わせると、ビートルズはやはり雲の上の存在で、グループとメンバーソロの1位曲があわせて35曲もあるってことなんですね。では、ビートルズに続くグループってどんなのかな思って、ちょっとやってみました。

  1. ビートルズ 35曲

  2. ザ・スプリームス 18曲

  3. ジャクソン5 17曲

 すると、こうなります。ジャクソン5はマイケル・ジャクソンとの合算で、ジャネット・ジャクソンは含んでません。ファミリーだからということで含めたとしても、2位と3位が入れ替わるだけで、ベスト3バンドという位置づけは変わらないのです。もちろんスプリームスは、ダイアナ・ロス(6曲)との合算です。

 ところがなんです。ここまでやって来て、次のバンドがあんまり曲数ないんですよね。イーグルスにしても、グループで5曲の1位曲があるのに、メンバーのソロで1位曲がゼロなんですね。これはローリングストーンズも同じで、ミック・ジャガーも1位曲持ってないのですよね。

 そこで目にとまったのが、そう、フィル・コリンズなのですよ。彼はソロで何と7曲もの1位曲を持ってます。彼が在籍していたジェネシスも、1曲だけですが、1位曲があります。そういえば、ジェネシスのメンバーだったピーター・ガブリエルも1曲。日本ではほとんど知られてないかもしれませんが、やはりジェネシスのオリジナルメンバーのマイク・ラザフォードが個人プロジェクトとしてやっていたマイク+ザ・メカニクスも1曲1位を持ってるんですよね。ということは、ジェネシスとメンバーの1位曲の合計は10曲になるんです!

 これ、すごくないですか? だってジャクソン5+マイケル・ジャクソンに続いて、ジェネシスですよ!

  1. ビートルズ 35曲

  2. ザ・スプリームス 18曲

  3. ジャクソン5 17曲

  4. ジェネシス 10曲

 いやいや、ウソだろと思って、他のバンドも探したら、ああ、この人見逃してました。ジョージ・マイケルが8曲あるのですが、ワム!で3曲ありました。ということで、ジェネシスは幻の4位ということになって、正しくはこれですね。

  1. ビートルズ

  2. ザ・スプリームス 18曲

  3. ジャクソン5 17曲

  4. ワム! 11曲

  5. ジェネシス 10曲

 これ以外はないかなあ…。たとえば、コモドアーズの2曲とライオネル・リッチーの5曲で7曲です。シカゴも3曲あって、ピーター・セテラが2曲持ってるのであわせて5曲。多くてもだいたいこれくらいなんですよね。ポリスとスティングだってあわせて2曲、クイーンも2曲だけで、フレディーはソロでは0ですからね。(まだ見逃しているような気もするので、もし違うのであれば是非教えてください!)

 ところが、合算した曲数が多くても、結局バンドの他にソロで1位曲をもってるケースって、バンドから一人だけというケースがほとんどです。スプリームスやジャクソン5、ワム!も全部もそうです。コモドアーズやシカゴだってそうでしたね。ところが、バンドメンバーから3人も1位曲を出してるバンドというのはジェネシスだけなんです。これはビートルズに次ぐ数字であるのは明らかですよね。つまり、ジェネシスはビートルズの次にすごい、バンドと言ってもいいのかもしれません(笑)

 まあ、ひとつの切り口ですが、こんな見方もできるくらい、ジェネシスってのはすごいバンド、タレントが集まっていたバンドだったといえるのではないでしょうか。プログレ5大バンドってくくりで言われると、日本ではいっつも「おまけ」みたいな扱いなのですが、そんなことないですよね。まあほとんどフィル・コリンズのおかげと言っても良いのかもしれないんですけどね。それにしても、日本じゃ人気ないんですよねえ〜笑。

*もし、カウントミスとか、「いや、こういうバンドが・・」というのがありましたら是非コメントしてください。調べてみますので。

ジェネシスの1位曲 Invisible Touch(1986)


フィル・コリンズ 最初の1位曲  Against All Odds(1984)

 これは、邦題「カリブの熱い夜」という映画のテーマソングでした。
フィル・コリンズはこの他に下記6曲の1位曲を出しています。
 ・One More Night(1984)
 ・Sussudio(1985)
 ・Separate Lives(1985)
 ・A Groovy Kind of Love(1988)
 ・Two Hearts(1988)
 ・Another Day In Paradise(1989)

ピーター・ガブリエルの1位曲  Sledgehammer(1986)

Sledgehammerが1位になったのは、1986年7月26日付。実はその前の週の1位がジェネシスのInvisible Touchだったのでした。


マイク+ザ・メカニクスの1位曲  Living Years(1988)


#マイク+ザ・メカニクス

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