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桜輝さらさん:「自身の経験を、今苦しんでいる人に還元したい」 アート✖️コーチング=アーチング®で日常のケアを!LQHUBさんインタビュー#1

LQHUBさんご紹介企画第一弾!
今回から、私たちを応援してくださっているみなさん=LQHUBさんを紹介していく企画がスタートします🙌
第一回はアート✖️コーチング活動をされている世界アーチング協会代表の桜輝さらさん。LivEQualityのシングルマザー支援のリーダーである居住支援コーディネーター神さんに、どなたにお話聴きに行くのが良いですか?とお聞きして、真っ先にお名前が上がったのが桜輝さらさんでした。
さらさんは私たちが実施しているコレクティブ・インパクト勉強会にもほぼ毎回参加されている、LQHUBさんのリーダーとも言える存在です。実際に、シングルマザー家庭への無料体験を提供していただくことを通して、私たちを応援していただいています。

今回はそんなさらさんに、ご自身の活動、そしてLQ/神さんとの出会い、なぜLivEQualityを応援してくださっているのかをお聞きしました👀

桜輝さらさん
一般社団法人世界アーチング協会 代表
・HP:https://www.world-arting.or.jp/
・Instagram:https://www.instagram.com/world.arting/
・Twitter:https://twitter.com/sara_arting
LQHUBさん(シェア/物知り/クラファン/お手伝いHUBさん✨)

さらさんが製作した絵本の一部

ーーー世界アーチング協会さんの活動を教えてください。

私たちは、アートを媒介にすることで、コーチングやカウンセリング、ティーチングといったさまざまな要素を組み合わせて、一人ひとりに合わせたワークショップや講座を行っています。
大学時代、芸術療法と呼ばれる分野を勉強してきました。そこでは、「ものをつくる」、「創作する」ことそれ自体が心を癒したり、前向きになったり、自己肯定感が上がったりという体験ができる効果があることがわかってきており、そのバックグラウンドを活かしながら、アートをすることそれ自体がセラピーになるようなワークショップを作っています。

ーーー近年はホスピタルアートといった病院でアートを取り入れる活動などが少しずつ出てきていますが、さらさんは6年前の2016年から既にこの活動をされていると思います。大学時代に学習されたことがきっかけであることに加えて、アーチングという活動を始められた経緯を教えてください

「自分自身が、そして子どもがアートで癒されてきた。」という経験が一番大きいです。私はDVを受けてきました。そしてそれを目の前でみてきた子どもの心のケアをしていきたいと思ったのが直接のきっかけです。
私は大学卒業後、約3年間個別指導塾で高校生のカウンセリングを行なってきました。そして結婚を機に退職、出産をした後、元夫からDVを受け徐々にひどくなってきたところで、名古屋市に逃げてきました。

しかし、DV被害を受け逃げた後は、全てをひとりでやっていかなければいけない状態になったので、当時はまず働き、お金を稼ぎ、子どもを養う。ということを最優先に生きてきました。

その後生活の基盤が安定してきた時に、子ども自身の心のケアをきちんと、本格的にやりたいなと思うようになりました。面前DV(※18 歳未満の子どもの目の前で配偶者や家族に対して暴力をふるうこと。)もありましたし、直接手を出されたりしたこともあったため、子どもの心の問題に対して何をすれば良いのかということについて、たくさん、本当にたくさん本を読んで情報を集めようとしました。しかしDV被害を受けた子どもに起きる問題や将来的なケアの必要性まではさまざまな本の中で書かれていた一方で、「じゃあどうすればいいの?」という私が抱えていた問いに答えてくれるもの(当時約10年前)はほとんどありませんでした。

そこで考えて実践したのが、自身が学んできた芸術療法でした。自分の心、子どもも、生活も安定してきたタイミングで、当時やっていた人事系の仕事に加えて、「子どもの心のケア」を学ぶため、セラピスト講座に参加しました。そこで箱庭療法や絵を描くことが、子どもの心のケアや発育にも良いことを具体的に学びました。

そういった経験や学びを通じて、主に「私自身のため」の体験だったアートが、徐々に「子どものため」の体験としても活用できるものと変化していきました。大学でも、子どもに向けた活用というのは教科書ベースでは書かれていたのですが、実践となると、臨床心理や精神病理といった、現場の中での治療課程心理テストとしてやるものとして捉えられているものが大半でした。そういった大学で学んできたものを、開かれた実践として、まず自分の子育てに応用していきました。

そこで自分の子どもに対して、絵を描いたり、一緒にアートを楽しんだりすることを通してケアをするということを15年間かけてやってきました。その中での体験や知見が積み重なってきたことで、そのような経験を困っている親御さん、うまくいっていない親子関係、そして子ども自身に対しても、アートを通してケアを提供していきたいと思うようになりました。そこで始めたのがアーチングです。

ーーーお子さんの心のケアが目的で始められたアートという方法を、病院や治療で行うものではなく、ワークショップとして提供することに、何か理由はあるのですか?

「カウンセリング」や、「コーチング」という言葉に身構えてしまうような人たちにこそ来てほしいからなんです。そのため、おおっぴらにDV支援ということは言っていません。

私自身、メンタルが弱っていて自分自身が傷ついていた時期は、カウンセリングやコーチングというものに通うことが難しかったです。でも、絵を描くという楽しむ行為からなら自分と子どもをケアできた。だから私から提供することも、ケアする、治療することが前にあるのではなく、楽しいこと、描くことを起点にきてほしいという背景があります。
なので、親子関係が悪化してしまう前の方にもきてほしいですし、日頃の家事や育児やお仕事などで疲弊してしまっている方、DV被害を受け、私と同じように苦しんでいるような人が、「相談」や「カウンセリング」では気持ちが乗らなくても、「アート」だったら、「子どもの楽しみ」のためだったら来てくれるかもしれない。そういった想いで活動しています。

ーーーなるほど、それは確かにアート体験という形だからこそできることですね。ご自身の経験、知識、学びから作られてきたアーチングの活動を通じて、どのような時に楽しみ、喜びを感じるのですか?

私は楽しい、面白そうなことがあったらとにかくやってみる性格で、アーチングでも、私が楽しいことしかやっていないんです。笑
大学に入学した時、本当は臨床心理士になろうと思っていたんです。しかし、芸術療法に出会い、自分自身が小さい頃お絵描き教室に3歳から10年通っていて、その時に自分が受け入れられてきたんだなということを思い出しました。あの時間は、いまの自分にとって大切な場所です。否定もされないお絵描き教室で、ワクワク、楽しいといった心が動く体験をしてきました。そこで、大学では精神病理、臨床心理、教育心理、基礎心理など様々なコースがあったのですが、私は臨床心理の芸術療法のコースに進みました。
入ったゼミでは、フィンガーペインティングとかクレイアートなどの芸術療法をひたすら自身で体験していって、窯まで作ったりしました。笑
そういった、ものを作る過程で、自分がここにいていいんだという肯定感を得られたのですが、そこでの経験は、子どもの頃のお絵描き教室と私にとっては同じ空間でした。

つまり、楽しいだけなのに自己肯定感が育まれていく体験です。自分自身が体験しているので、それを相手にも伝えることができる。ここにいていいんだよ。どんな表現でもいいんだよ。なので、わたしたちがお伝えしているアーチングでは、ルールとして上手い下手なんて関係ないですよ。思ったように描いていいんですよ。ということを最初にお伝えしています。そのなかで、絵が下手だからとアートを敬遠していた人が、アーチングを通じてアートが楽しめるようになりました。という声をいただいた時は嬉しかったです。また、先日小中学生へ向けた夢を叶えるためのキャリア教育プログラム『ドリームアーチング』を実施しました。ワークショップを通して、「自分に自信を持てるようになりました」、「夢を叶えたいと思えるようになりました」という声をもらったことは、私がアーチングを通して実現したい形のひとつです。

最近のおすすめ:パステルアート

ーーーありがとうございます。ご自身の経験を元に、現在ではセラピストの養成も始めていらっしゃると思いますが、今後5年10年単位で見たとき、さらさんはどのようなご活動をしていかれる予定ですか?

一つ目に、アート自体が生きる上で自然に組み込まれていくもの。評価されるものではなく、その人が生きる中で育まれること。表現することが生きること。という自分自身を自由に表現できる社会を作っていきたいです。
先ほどもお話ししましたが、心理療法やカウンセリングといった、「治療」を目的とした形ではなく、日常の中で、誰もがもっている自己治癒力を発揮して自然に心が癒される体験を作っていきたいです。

二つ目に、教育の世界にアーチングを取り入れていきたいと思っています。芸術が評価されるものとして扱ってしまうと、自分を表現することができなくなってしまう子どもも多いんです。芸術は評価していくものって思っている方も多くいらっしゃると思うんですが、その評価されることで嫌になっちゃったりとか、自分を表現することができなくなっちゃう子とかってすごくいっぱいいるんですね。

私の娘も実はそうだったんです。何年かかけて小さい頃から、「表現することは楽しい」「自由に表現してもいいんだよ」という経験をさせてきたのですが、小学校の低学年の時にある先生から、表現の方法を直されちゃったんですね。
自分がこれがいいと思って描いたもので、その日に泣いて帰ってきて、絵を描くことが嫌いみたいになっちゃって。これは教育変えなきゃなって、その時にすごく思いました。
先生達自身も多分心のケアとかも大事だろうし、その中で、アートを媒体にするという方法を知ることで、先生たちも生徒との向き合い方や、子供の声かけの仕方とか学んだりするのと同時に、先生自身にとっても良い時間にしたいと思っています。

一つ目の目指すところにもつながりますが、子供たちが小さいうちから心を育む機会を作りたいんです。アート自体を自然に生活に組み込んでいる社会にしていきたくて。評価ではなく、生きる中で育まれるものを大切にすること、生きること=表現することになっていたい。アートそのものを楽しんでもらいたいです。

ーーーLQと出会ったきっかけは神さんと伺っております。さらさんと神さんとの出会い、そしてLivEQuality HUBを応援してくださっている理由を教えてください。

神さんが以前に勤められていた会社でおこなっていたお母さん向けのセミナー(https://www.facebook.com/linklink.linkribbon/posts/pfbid0KZiPwQaQdcofRxfiUn4RSX21YX5mpWkY1h6qqV4JLPrcEZDccZ518XHAufQ74Dfdl)に、ひとり親の人は無料と書いてあり一度参加させてもらったんですね。※神さんは前職で、シングルマザー向けシェアハウスの運営を行っていました。
素晴らしい活動で、セミナー自体もすごく良い時間で、ひとり親家庭の方にこういう形でセミナーをやっていくこと自体がいいなと思っていました。
今年に入って、神さんがLivEQualityで働き始めたことを知りました。そして2月からクラウドファンディングを始めた時の神さんの、そしてLivEQualityの活動に関する文章を読んだら、もう、これは私お手伝いしなきゃ!と思ったんです。以前から神さんのFacebookの投稿で、DVなど似たような経験を受けてきたことは知っていて、その上でご自身がそういったお母さん、お子さんのサポートをすることは本当に素晴らしいことで、難しいことも知っています。だからこそ、私にできるところから関わりたいと思うようになりました。自分自身が苦しかった経験もあるので、今苦しんでいる親御さん、お子さんに少しでも何かしたいという思いが強いです。
私はたまたま働き先が先に見つかったので名古屋に来れたのですが、それがなかったら難しかったと思いますし、逃げることもすごく大変だったと思います。そういう時に、逃げた先に「家」があるということはとても重要なことです。

ーーーそこから児童扶養手当を受給されている方への無料体験を提供されているのですか?

そうです。
最初の頃は何も持っていないので、アートにお金をかける余裕は誰もない。それでも心のケアは必要なので、LivEQualityさんを通してうちでサポートしたいと思っています。

ーーー私たちの居住者さんにも、絵を描くことがすごく好きなお子さんが複数人いるので、みなさんに帰ったらご案内してみます!
※ちなみに絵を描くことが好きなお子さんのひとりは、ドラえもんののびたを描く〜!といって、僕(インターン生のとーます)の顔をみながら描くとっても素敵な子です😂

ーーー最後に、今後LivEQualityに期待することはありますか?

自分が苦しくて立ち上がってきたという経験があるので、力になりたいという一心です。それは過去の自分自身のためでもあります。なので、なんでもやります!笑

あとは、サポートする方のケアも大事にしてほしいなと思います。自分自身が満たされていないと他人に何もできないと思うので。スタッフさんのアーチングへのご参加も、大歓迎です!

スタッフさんも是非!と、絵本をプレゼントいただきました✨


さらさんからのお知らせ!

9月25日に、『秋のアートフェスティバル♪』を開催します。
ワンコインで様々なアート体験ができますので、ぜひ遊びにきてください(^^)


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