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5、防虫と防病

さて、忘れていけないのは虫と病気です。
無施肥・無農薬栽培している私のダリアには虫がいっぱい・・・来ないはずなのですが、2020年度は結構やられました。
余談ですが、過剰な肥料は虫を呼ぶので、虫食い野菜が良い訳ではない。
無肥料の自然栽培で作られた野菜は、虫食いも少ないそうです。
農薬の使用については、ダリア園で教えていただいたことをベースに書いていきます。

1、害虫となるのは

代表的なものはネキリムシ・ヨトウムシ・ハダニ・アブラムシです。
・ヨトウムシは成虫が葉の裏に卵を産みつけ、6mm位の幼虫になると葉脈を残して葉をボロボロになるまで食べ尽くします。
また老齢幼虫になると日中は地中に隠れ夜に活動します。
まさに夜盗虫。

・ネキリムシは地上に芽を出したばかりの新茎を食べるため、地際部が切断されたダリアは生育が著しく遅れるか枯れます。
またこのネキリムシも夜間に地上部に出て食害します。
被害株の根元を少し掘って探すと見つけられることが多いため、被害が拡大しないように捕殺します。

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・ハダニやアブラムシは7月〜8月の高温乾燥期に発生します。
ハダニは体長0.3mm〜0.5mm程度で、肉眼で見ることの出来ない小さな虫です。
葉の裏に寄生して養分を吸い取り、放置すると光合成が出来ない状態となり、成長不良になったり最悪枯れます。
アブラムシは体長1mm〜3mm程度で、葉や茎を吸汁加害します。
放置すると葉が縮れたり褐色になり、枯れます。
またウイルスを媒介するので、ウイルス株から吸汁して健全株に移動して吸汁すると、ウイルス被害も拡大します。
アブラムシ対策の益虫としてテントウムシが有名ですが、葉を食害する「テントウムシダマシ」と呼ばれる種もあるので注意しましょう。

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2、病気やウイルスなど

ダリアには大きく分けて3つの病気があります。
1、ウイルスによる病気
2、最近による病気
3、カビ(糸状菌)による病気
特にウイルスによる病気は厄介で、一度感染してしまうとほとんど完治しないため、株ごと抜き取って焼却処分が推奨されています。(虫を媒介して感染拡大するため、感染株を完全に無毒化にするため)
また、切り花等で切る場合、分球する際に器具を介してウイルス・ウイロイドが感染してしまうため、器具の消毒も必要です。
無農薬栽培をしている私も、器具の消毒だけは実施をしております。
ただ近年では「そもそもウイルスは入っていて、できるだけダリアにストレスをかけず発病させないようにする。」や「ウイルスフリー株の生産技術向上により、感染株から健全株を培養する」など状況は変わってきています。
今後も動向には注視し、変化があればこちらの記事も更新していきます。

病気の種類はタキイ種苗のリンクを

ウイルス・ウイロイドについては過去に書いた記事があるので、参考にしていただきたいです。(消毒に使用する次亜塩素酸ナトリウム・第三リン酸ナトリウムについても記載しています)
特に記事内にリンクを貼っている診断マニュアルには多くの写真が載っているので、わかりやすいです。


3、時期と防虫・防病に使用している農薬

植え付け時
・オルトラン粒剤一つまみを植え付け穴に散布(ダリア園ではジェイエースを使用)→アブラムシ等を付きにくくするため。
・ネキリエース一つまみを株元に散布 →ネキリムシ避け。

7月上旬〜中旬の開花前
・ジマンダイセン水和剤(殺菌剤)とスミチオン乳剤(殺虫剤)とニッソラン水和剤(殺ダニ剤)を混合し散布 →斑点病、暗紋病、フキノメイガ、アオムシ、アブラムシ、ハダニ等の殺虫と殺菌

7月下旬〜開花期
・殺菌剤:ポリオキシンLA乳剤 or モレスタン水和剤
・殺ダニ剤:ケルセン乳剤 or デデオン乳剤
・殺虫剤:マラソン乳剤 or オルトラン水和剤
それぞれから一つずつ混合し散布 →うどんこ病、斑紋病、灰色カビ病、ハダニ類、各種害虫類の殺虫と殺菌
※高温乾燥期に20日前後の間隔で散布する。

・薬剤の選定にあたっては、地域により使用できないものがあるようですので、園芸店に直接ご相談ください。
・また、最近では簡易なスプレー剤もありますので栽培する株数に応じて選んでください。
・希釈倍数など薬剤の使用方法は、説明書を十分にご覧ください。
・ハダニは薬剤耐性を獲得しやすいので、同一薬剤の使用は控えた方が良いです。

4、市販の農薬を使わない場合は

防虫はしたいけれど、出来るだけ市販の農薬は使用したくない。
そう考える方もいらっしゃると思います。
そういう方には「ストチュウ」というのをご紹介しておきます。
簡単にいうと虫が嫌がる成分を付着させ防虫する方法です。
私も昨年実際に作り、試験的に数カ所ダリアに直接散布して効果を確認しました。
私は「お酢」と「焼酎」を1:1で配合し、その中にニンニクと唐辛子を入れて成分を抽出し、300倍程度に水で希釈して使用。
濃度は100倍〜800倍程度まで幅があり、害虫の天敵となる益虫も寄ってこなくなるようなので、様子を見ながら濃度を調整していくのがおすすめです。
参考になる記事があるので、リンクを貼っておきます。


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