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『How to 老後』

 最近、よく見かけるようになった。

ファストフード店やカフェで、お昼どきを楽しまれている老夫婦。

仕事や子育てに追われているときは、ランチなんて、コーヒーなんて、しかも夫婦でのんびり過ごすなんて…と思っていたに違いない。

 いやいや、待てよ、夫婦に限らない。老紳士が単独で来店されるパターンも。

本を読んだり、書き物をしたり、、。

あれは、写経か?小説か?

想いのままに、気の向くままに、文字を綴るのも悪くない。


 定年退職後、じっと家にこもっての盆栽いじりは、大昔の話。年金暮らしになっても、いや、年金暮らしだからこそ、きちんと身なりを整えて、外に出かける。皆さん、日々の過ごし方を心得てらっしゃる。理想の老後の生活だ。

 公民館などのサークル活動も良いが、人付き合いが苦手な方にとっては、週一回でも苦痛に感じられるのかも、、というより、選択肢にないのかもしれない。

 その点、カフェやファミレスなどは、程よく人の気配を感じながらも、邪魔されることなく自分の時間を楽しむことができる。

人との適度な距離感、そして、心地よい空間で、好きな物を注文して、好きなタイミングで食べる。なんて自由でオシャレで、楽しいひとときだろうか。


 『老い』という言葉で連想される負の要素。「足腰が、、」とか、「ボケる、、」とか、「あれ、あれ、ホラあれよ、と次が出てこない」とか。諸々、思い当たることがあるが、昔から言われている。

『赤子叱るな、来た道じゃ。年寄り笑うな、行く道じゃ』と。ボケても、足腰が弱っても、それは自然の流れなのだ。老いは平等にやって来る。老後は、誰に遠慮するでなし、楽しみ方を自分流にアレンジして、心地よく過ごすのが一番である。

 歳と共に老いていくのは当たり前のことで、それを無理矢理、どうにかしたいとは思わない。哀しいのは、お金が無いことだ。定年後は年金暮らしで、のんびりと孫の世話でもしながら、悠々自適に過ごせるものだと思っていた。


 でも、現実は違う。食べることにも困ってしまう。我が子も社会人になり、学費を含む諸々の出費がなくなったというのに…。

  収入には限界がある。
  働くにも限界がある。


 政府は、子育てに充実したプランを打ち出している。医療費の免除期間の延長だの、保育料無償化だの、私立高校、私立大学の学費控除?軽減?……

私の時代は、髪を振り乱して、来る日も来る日も、家と職場の往復。微々たる給料の殆どは学費に消えたが、子供のために頑張るのは当たり前だと思っていた。


 が、、、

今は違う。子どもの居る家庭に手厚い。泣けて来るよ。運が悪過ぎ!タイミングが悪過ぎ!

その上、当てにしていた年金は、下がる一方。いったい、何歳まで働けばいいのやら…


 願わくば、値札を見ないで買い物をしたい。食べたいものを、欲しい物を、「高いね」と、我慢することなく。


 でも、、、

あれが欲しい、これが欲しい、あんなことやこんなことがしたい、どこそこに行きたい、、など、欲を言ったらキリがない。


 まだ、もう少し、頑張れるかな。頑張って行こう。快適な老後のために、粘り強く頑張って行こうじゃないか。

だって、私の住んでいる国は、戦争もなく平和なんだから。

世界中の全ての人が望んでいること、それが叶っているのは、間違いなく幸せなことだ。私の問題と言ったら、たかが、貧しいってことだけじゃないか!そんなことでクヨクヨしてなんかいられない。この令和の時代を、胸張って、踏ん張って、楽しんでいこう。



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