絵本ゼミ 

東洋大学 准教授 竹内美紀先生の絵本探求ゼミ

第2期 4回目  2023.1.22

ファンタジー絵本のまとめと音としての言葉の絵本を考えるでした。
【ファンタジー絵本】
 本来目に見えないものを、目に見えるように描いているのがファンタジー絵本である。空想と現実の2つの世界を行き来しながら冒険物語を楽しむことができる。来訪型、訪問型がある。
 よいファンタジー絵本は、現実と非現実の世界を描き分けられていて、ファンタジーの世界から現実の世界へかえってくることができる。そして、ファンタジーの世界では現実とは異なる時間が流れている。「かいじゅうたちのいるところ」モーリス・センダック のように、船旅で1年という月日を過ごしているが、現実世界ではおかゆがさめないほどの短い時間であった。ファンタジーの世界では、とても楽しい時間を過ごしているので、あっという間に時間が過ぎていく。頭で考える時間と、心で感じる時間は違うということがよくわかる。
 (絵本ベーシック 竹内美紀)
子どもたちが絵本の中で、現実ではできないことをおもいっきり体験し、わくわくしたり、ドキドキしたりしながら、達成感や満足感をもって、現実の世界にかえってくるという絵本が、よいファンタジー絵本である。主人公になりきって、絵本の中に入り込み、様々な体験をすることで、その子どもも成長できると感じた。

【音としての言葉の絵本】
チーム4で紹介された絵本
「くりくり」 ひろかわさえこ アリス館
「ふしぎなことば」宮沢賢治 文研出版
「ふんがふんが」 おおなり修司・文 丸山誠司・絵 絵本館
「しろいかみ」 谷内つねお、西山悦子 福音館書店
「きょうはみんなでクマがりだ」 マイケル・ローゼン再話 ヘレン・オクセンバリー絵 山口文生 訳 評論社
 でした。どれもリズミカルで、音の楽しさを感じ、親子で楽しめそうな選書でした。
ミッキー先生の講義では
音としての言葉の絵本には、オノマトペ、唄、歌、わらべうた、マザーグースの絵本、ことば遊び、繰り返し、だじゃれ、方言、昔話があること。
オノマトペは、擬音語と擬態語の総称であること。母語形成で大事であることを学んだ。

よい音としての言葉の絵本とは、乳幼児期の子どもと親がオノマトペを媒介としてコミュニケーションを図ることができるもの。そりて、子どもの言葉が豊かになり、豊な表現をすることに繋がる。単に言葉を覚えたり、知識を得るのではなく、楽しみながら、耳から言葉を聞き、リズミカルな言葉を体で感じることができるので、昔話やわらべ歌、落語など、難しい内容であっても自然な形で、音や言葉で伝わってくると思う。小さい頃から、言葉絵本に触れていくことは大切である。

1月の学びが、3月の報告になりました
読み語りや絵本セラピーに、言葉絵本を積極的に取り入れていこうと思いました。


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