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Charcuterie For Dogs#4・製品の成分検査と原材料の表示

これはCurly Flats Farmの表庭での出来事、ドッグフードのブランド立ち上げへの道のりの記録です。


これまでのおはなしはこちら 
#1 ドッグフードを作るぞ 
#2 驚愕の事件
#3 パッケージと試作その2



栄養成分検査と細菌検査


さて、製品の仕様がほぼ固まったので、当初から計画していた検査に出すことになりました。

検査の目的は2点あります。

1)正しい栄養成分の結果を得る
2)製品の安全性を確認する


1)正しい栄養成分の結果を得る。

これは犬ソーセージが複数の原材料の組み合わせでできているために全体の栄養バランスがどうなっているか、脂肪分の少ないオス豚を使用しているとはいえ、やはり脂肪分がどのくらいか気になるので、客観的なデータを得ることがメインの理由です。


製造者である私たちも知りたいことをきちんと調べてもらい、利用する人たちに説明できるようにすること。
そして、過不足があるなら本格製造開始前に微調整の必要があります。


2)製品の安全性を確認する。

わたしたちの製造施設は人間用の食肉処理業と食肉製品製造業の営業許可施設です。

ドッグフードも同じ施設で同じ衛生管理基準で製造しています。

作業開始前の清掃・消毒から物品・資材の衛生管理、材料の取り扱いなどを厳密にルールに従って行っています。

とはいえ、現在の取り組みに間違いがないか、見落としや対策不十分なところがないか、ということを製造した製品を通して確認します。

わかりやすくいうと、食中毒につながる菌が検出されないかどうかということを確認するのです。


サンプルを送って数週間後、戻ってきた結果はこんな感じのものでした。(検査担当者の氏名がわかるものは個人情報にあたるので隠してあります。)


栄養成分検査の結果


細菌検査の結果


栄養成分の結果はこういうものでした。


粗タンパク質  19.9%
粗脂肪     13.5%
可溶性無窒素物  4.0%
粗灰分      0.9%
水分        60.7%
粗繊維       1.0%
      熱量    198kcal/100g



198カロリーは、他の食べ物で換算するとどれくらいになるかこちらで紹介されています。


これは100gあたりのエネルギー量なので、DOGGY STYLE ソーセージの1ブロック(30g)は59.4kcal/30g をこちらのサイト(https://funcity.work/diet/info/calorie/59.4kcal/intake-meal) で見てみると、お米のごはん0.1合分くらいのようです。

ただし、これはあくまでも目安でごく簡単にイメージするなら、という話で、栄養素ほか全体のバランスが重要です。

個々の犬の体質や年齢、体格、好みなど様々な要素を含めて与え方・与えるものを吟味するのが現代のペットフードに対する考え方のようです。

昭和という名のついた時代には、まだ犬・猫は人間の食べているものの残りなどを食べていました。
「猫まんま」などと言って、炊いたお米に余った味噌汁をかけて(水で薄める)与えたり、魚のアラをお米と一緒に炊いて与えたりしていました。

懐かしいのう・・・


Tシャツぱつんぱつん。


長くなるので割愛しますが、いろいろと調べると犬種や年齢によって適正体重やそれに見合った摂取カロリーが計算できるようで、
ファームのラブラドール、RUFUSくんはダイエットのため日常の食事はあまりボリュームのないものを食べているので、100gあたり198kcal の DOGGY STYLEの犬ソーセージを1日30gくらい食べるのはそんなにえげつないことでもなさそうです。

とはいえ、ソーセージの粗脂肪分を考慮に入れると、(何事もそうですが)与えすぎには注意が必要ですね。

ただし、RUFUSくんのように12kg¥900くらいのお買い得フードを食べている場合、Doggy Style ソーセージに加えて必要な栄養分を含む食品を食べさせるほうがより安全・健康的というお話を担当の獣医さんから教えていただきました。

お買い得フードは、様々な食品を食べやすく加工・処理する過程でどうしても肝心の栄養素がむしろ失われてしまうことがあり、その分を改めて添加物として補う必要があることが多いと言われています。

我が家では、てんかんと尿石症持ちでこれから高齢期を迎えるRUFUSくん、同じく尿石持ちのSUSHIくんのために、Doggy Style ソーセージの本格販売前に、脱お買い得フードに挑戦することになりました。
そのお話はまたいつか。



そして細菌検査の結果


一般生菌数     6300
大腸菌群     陰性
黄色ブドウ球菌  陰性
サルモネラ属菌  陰性

あれこれ陰性なのは分かりやすい。よかった。


一般生菌数6300とはいかなる意味か?!


調べ始めるとキリがないのですが、通常ソーセージなどの食肉製品は製造過程で必ず加熱殺菌します。(薬品を使う殺菌ではありません。加熱によって殺菌します。うちの場合茹でる。)
では6300という数字は殺菌できたと言えるのか、それともゼロでなくてはいけないのか?


まだまだですが、少しずつ勉強しつつ。


どうやら加熱殺菌、そして私たちの犬ソーセージのようにすぐに冷凍するという製造工程を経たものの一般生菌数の基準値は、1グラムあたり100000以下ということのようなので、基準値以下であることはひと安心。
あとは限界はあるけれど、もっと減らせるかどうか、製造工程中の保管方法などを工夫して行くことにします。


ちなみにこれが基準値を超える数値だった場合、それは加熱殺菌などの工程の根本的見直しを意味します。


そしてゼロなら安全か?という疑問。
生野菜・鮮魚の表面に存在する一般生菌がもし、ゼロだったら、それはもはやボイルどころかなんらかの殺菌・滅菌処理がされているということが想定でき、そうなると、それは口に入るものとして大丈夫か?という新たな心配が出てくるわけです。

また、この一般生菌は食中毒を引き起こす(サルモネラ とかね)食中毒菌とは別のカテゴリのもので、安全に加熱殺菌できたかどうかの目安にするものだそうで、この数値が高いからといって食中毒菌が必ず存在するかというと、そうではないらしく、あれこれ複雑なものです…



原材料の表示ステッカーをどこに貼るか?


さて、栄養成分と安全面の検査を経て、いよいよ本格製造・販売が見えてきました。


試供品アンケートは複数回実施しているのですが、その中の回答、意見でよく見られたものは、やはり原材料がわかりやすく(どこからきたどんなものか)、安全で使いやすいものを人々は求めるだろうということでした。


例えば、できるだけ自然なものを自分も愛犬にも取り入れたい。
保存料や着色料、添加物を使っていないような製品を購入しようとする人は、必ず商品を手にとって裏の原材料表示を確認します。
パッケージの閉じ方で、ちょうど原材料表示のステッカーが開封時に破れてしまうと、あとで見づらくなってしまうという意見もありました。


パッケージのおしゃれさ、スマートさを追求するあまり、そういった現実的なステッカーはできるだけ内側に、という気がしていましたが、大きな間違い。


どのような人たちがこの商品を購入するかということを考えると、原材料・製法についての情報はもっとオープンでもっと見やすいところに表示すべきなのでした。


というわけで、このnoteのシリーズが始まり、パッケージの仕様も包装紙の裏側にしっかりと原材料の表示を貼ることとなりました。




さて次回は原材料について。