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Charcuterie For Dogs#1 ドッグフードを作るぞ

これはCurly Flats Farmの表庭での出来事、ドッグフードのブランド立ち上げへの道のりの記録です。



ドッグフードを作るぞ!


というオーナーの鶴の一声は、お馴染みの天から降ってきたヒラメキとは違い、結構色々考えて、結構前からあった構想からのものでした。


自然放牧と多畜種による環境再生型農業を営むCurly Flats Farm の畜産品のメインは黒豚、純粋のバークシャー種です。

私たちの黒豚の大きな特徴のひとつに、オス豚の去勢処置がされていないことがあります。

多くの家畜のオスというのは、性的に成熟してくると独特の体臭を発するようになります。

この体臭(雄臭)は人間の食に供することができないほどの強い匂いです。

しかし! 

その野生のその強い香りが、犬たちにはむしろ食欲ををそそられる大変魅力的な要素になるのです。

オス豚についてもっと知りたい方はこちら。


人間用の食肉市場では嫌がられる未去勢のオス豚の良さを存分に活かしきって、ありがたく役立てるのが、CURLY FLATS FARMの家畜たちへの考え方のひとつです。


で、ドッグフードの登場です。


犬ソーセージ


日本では子供の数とペットの数がいつしか逆転し、コロナ の時代を経て人々はより大きな安らぎをペットに見出すようになってきているーそんなことを聞くようになりました。

また、長い不況の中を生きてきた人々の多くは、豪華な海外旅行や高級ホテルの連泊プラン、次々と新車に乗り換えクレジットカードでどんどん買い物する生活にもう魅力を感じなくなってきているようです。

そのかわり家族や友人と、そしてたまには一人で、身近な楽しみ(近くのカフェや公園でゆっくり本を読んだり、キャンプやバーベキュー、毎日のウオーキングなど)、何かを経験することの愉しみに重きを置くようになったように思います。

人々は家族の一員としてペットを迎えて長い時間をともにするために、健康に良い、より自然な、安全な食べ物を与えたいと考えるようになりました。

そのような背景をもとに、CURLY FLATS FARMのドッグフードは、添加物を加えず、なるべく地元で手に入る新鮮な食材を使って作ることになりました。


ファームのオスの黒豚肉、近所のコメ農家さんの米、近隣の海でとれたコンブ、これまた近所で取れたハスカップ。


必要な材料の多くが地元で調達できそうでした。


どういう人に興味を持って欲しいのか?



使う人とそのシチュエーションを想像する・・・


フードの製造販売を企画するにあたって、いったいどういう人が使うことをイメージしたら良いのかを考えました。

ファームに遊びに来られるお客様、取引先のみなさん、オーナーの友人、多くの方が犬を飼っておられます。


家族としての犬の口に入るものを厳選して、安全なもの・健康に良いものを食べさせたいと思っている。

その価値を理解した上で、多少値段が張っても良いものを購入したいと思っている。


そういうひとたちかな・・・?
そういう人たちはどういう暮らしをしているかな?


きっと、何らかの形で仕事を持ち、愛犬の待つ家に帰る途中で、ちょっと特別なおやつを買って帰るところだろう。


忙しい1日をすごして、夜遅く帰ってきたのかもしれない。

まな板も、包丁も、手も汚さず、自分の食事の準備ついでに冷蔵庫からだしてパッケージを開け、お皿にポトンとひとかけら載せる。


その様子をワンちゃんがわくわくそわそわしながら見上げている。


残りはまたパッケージを閉じて冷蔵庫に戻す。


そういう場面を想像しました。


ゆっくり過ごしたいけど、そうもいかない時もある。
でもほんのひととき、愛犬がうきうきと自分を見上げている姿は、なんともいえない安らぎと心に強さをくれるような気がしないだろうか?



製品の仕様を考える


オーナーのイメージする、ソーセージ型のドッグフード。

輪切りにしてすぐにそのまま与えられること=ケーシング(ソーセージの皮)は食べられるものが理想です。


当初は人工ケーシングを使おうと試作していました。
1回分の分量のメモリを表面に印刷できないかと考えていたからです。


試作第1号ファイブラスケーシングを使ったソーセージ


某魚肉ソーセージのように、中身を詰めたら両端をクリップで留めるだけでそのまま販売できる状態をイメージして、包装機器ややり方を調べてみました。

しかし、このタイプの包装にはン百万円かかる本格的な製造機が必要でした。

これは予算オーバー。
ほかには?

動物の内臓から作る天然素材のケーシング。
これはよくあるソーセージの太さから、大きな動物の腸なら5cmほどの太さのものもあります。

ただし、長さに限りがあるので、ある程度の量を確保しないと販売に十分な量のソーセージを作ることができません。
そして人工のものに比べ値段が高くなります。

ほかには?

紙のような繊維素材のケーシング、ファイブラスケーシングといわれるものです。


いろいろな色・長さ・太さを選べて、しっかり中身を充填しても破れにくく、何しろ安価でした。


この時点では表面に印刷を施せるかは不明でしたが、このファイブラスケーシングを取り寄せて、まずは試作品を作ってみることになりました。

#2につづく#2 初めての試作品と驚愕の事件