日々雑記 理想の旅は
リュックを担いで宿も行先も決めずに降り立つ異国の地。
行き当たりばったりの長旅は、その国の人々が食べるものを食べ人や景色を見る。
実にうらやましい旅だ。
騙されて帰って来られないかもとか、行方不明のニュースが頭に浮かぶ私にはとても出来ない旅。
今のような翻訳アプリなど、なかった頃の旅は、どれだけ豊かなものになったのだろうと思う。
例えばウラジオストクからパリまでの移動の旅は、バスと列車で飛行機に乗ったのは2回ほどなのだとか。
通過した国は10、降り立った国は8カ国だったそう。
作家はたくさんの驚きの旅の中、国それぞれの餃子事情にも驚いたのだそうだ。
ロシア版水餃子ペリメニ、ネパールのモモという羊肉水餃子、モンゴルではバシンという水餃子、韓国にはマントゥ、ベトナムまで行くとライスペーパーを使った蒸し春巻き、生春巻き、揚げ春巻きなどになるらしい。
実に美味しそうと読んでいる私も想像が膨らむ。
タイ、マレーシア、シンガポールには、華僑の営む本格的中華料理店がどこにでもあるのだそうだ。
イタリアのラビオリは餃子っぽいけれど、だいぶ違う印象になったんだとか。
どこかで発生した餃子が、世界のどこそこに広がって行った。
その味わいの違いを楽しみ、想像を膨らませるのはどんなに面白かっただろう。
素敵な旅だ。
発展途上国の子供や生活を支援しているNGO団体から依頼を受けて訪れた西アフリカの内陸国マリへの旅のエッセイも収められている。
この国で2,000年も以前から伝わる女性器切除という習慣。
子供のころに行われるというその理由は、女性の処女性が守られると信じられているかららしい。
男性優位社会という背景とそれをしていない女性は汚らわしい存在と信じる女性がいるという現実。
錆びた刃物で麻酔もない状況で行われ、敗血症や出血多量による死亡者も少なくないとあっては、男尊女卑思想もだが、健康被害も深刻なはず。
NGO団体のスタッフが根気よく通って、働きかけるのは並大抵ではないだろう。
この本が出版されたのが2014年、
2024年の現在このおぞましい習慣が改善されていることを祈るばかりだ。
世界は広く、様々な人々が生きて生活を営んでいることを思う。
いろんな暮らしぶりや気候の違い
読書は、たくさんの想像の翼を広げくれる。
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