ブラック・フォン感想 (映画)

ブラック・フォンとは?

2021年に上映されたホラー・スリラー映画。
子供の連続失踪事件が起きているコロラド州のとある町が舞台。そこに住む気の小さい少年フィニーは、学校の帰り道に『マジシャン』だと語る男、グラバーに誘拐され、地下室に閉じ込められてしまう。
地下室にはかぎの掛かった扉・哲講師の窓、そして『断線している黒電話』。断線している筈の黒電話が鳴り響き、そこから聞こえてきたのは……。
一方、フィニーの妹であるグウェンは兄の失踪に関する予知夢を見る。そしてそれを手掛かりに、兄の行方を探し出す――。

感想(ネタバレあり)

最初見ての感想は『話に行きつくまでが長い』。
恐らくフィニーの前に捕まったロビン(フィニーの友人)が強く、それでもグラバーには勝てなかった。それほど恐ろしい男なのだと表現したかったのだろうが、それにしたって約30分は長い。半分の時間にまとめれたら話がスピーディに進むと思う。
グラバーに捕まった後も、捕まる際に負わせた傷がなにかキーになるのか?と思いながら見ていたが、そんなことはなく……。
ただただ黒電話とお話しし、グラバーとお話しし、黒電話から聞いたヒントを聞いて実践していくだけのお話になっていた。
一応表現を変えて出来る限りのメリハリをつけている感はあるが、それにしたって緊張感が無い。電話を出ると起きるポルターガイストも話の伏線や緊張感を生み出すことも無く、ただただ取り合えず霊と会話しているから起きている、みたいになっていた。
後半、一度は脱出するものの、すぐに捕まってしまうし何より脱出時の『見つかったらヤバイ!!!』みたいな緊張感が薄い。あっさり脱出出来ちゃうのだ。犬が吠えずにいたらそのまま話完結してたな…。
グラバーよ、眠いんだったらちゃんとカギ閉めて一度しっかり寝て、次に備えるべきだろう…。なんでわざわざ無理する必要があるんだい……。
フィニーが出た時思わず声に出てしまった。こんな間抜けな奴が連続殺人気なんて、世も末だ。
車を出してすぐに捕まえたのは良いし、すぐにフィニーを処分しなかったのも、同居している『兄弟』がいるから仕方ない。
だが、一度逃げ出したんだから自分の命が危ないのは察せるはずなのに、それでも緊張感を感じれないのは私の感性が可笑しいからなのだろうか?
なんかこう、フィニーが『死の危機に瀕している』状態なのに慌てないし騒がないのがホラーっぽくない。
諦めているのかと思えば、最後の最後に誰も出来なかった生還をあっさりやってのけてしまう……。フィニー、君は一体何者なんだ…。

欲しかった情報

・グラバーが少年を監禁&殺害していた理由
 何かしら理由があって誘拐し、殺害していたような感はあったものの、その事柄に対する描写が一切ない。
 フィニーを誘拐した際にグラバーが『もう君を傷つけたりしない、多分』と発言しているから傷つけるのが目的じゃない。武器を持って襲ってくるのも最後にフィニーを殺そうとした時だけで、それ以外は手ぶらかご飯を持って会いに来ていた&監禁場所の扉を開け、その上でベルトを持って待機していたことからフィニーを『テスト』していたようにも思う。
 また、名前を聞くシーンで、フィニーが嘘の名前を言った時に怒り『好きになりかけていた』と言う表現から少年愛好家なのだろうか?ぐらいの推察しかできない。情報が少なかったように感じる。

・マスクの理由
 グラバーはフィニーに合う時、必ずマスクをして会っていた。
当初、顔がバレない様にしているのかと思っていたのだが、終盤の戦闘でフィニーがグラバーのマスクをはぎ取った時にグラバーは攻撃の手を止めて顔を覆いだした。
 という事は何かしら顔に対するトラウマがあるという事なのでは?となるのだが、そのトラウマを推察できる描写が何一つなかった。
 トラウマが無いのであれば、なぜグラバーはマスクを奪われた時顔を覆ったのか……。あれで怯まなければフィニーを殺せていたかもしれないのに。謎である。

総評(ネタバレ無し)

主人公の危機感が薄く、『ハラハラ』することは一切ない。
またグラバーがなぜ誘拐や殺人をしていたのかが全く不明。
ホラーに必要な緊張感・不安感を感じれなかった。また、ストーリーも描かれてない部分が多く、凄くあっさりとした薄味の作品だな、と言う感じだ。
story
★★☆☆☆
恐怖
☆☆☆☆☆
スリラー
★☆☆☆☆
おすすめ
★★☆☆☆

最後に

あっさり薄味の映画なので、さくっとホラー気分を味わいたい時に見てみるのはありかもしれない。
不安や恐怖を感じたい本格的なホラーを求めている方はがっかりするので、他の作品をおススメする。


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