小学3年小石マシンガン事件
前回の記事の続き、私の不思議体験を書く。
小学3年生の秋、友達の家から帰るときだった。17時になったら帰るという約束ではあったが、遊びに夢中になり少々30分くらい帰るのが遅くなった。既にあたりは薄暗く、早く帰らないと怒られてしまいそうな雰囲気。
しかし、その友の家から私の家の間には近道がある。そこを通れば正規ルートよりも5分ほど早く到着できる。ところが問題なのは、その近道のある場所である。築50年はあるだろうボロボロの黒ずんだ集合賃貸の平屋が並んでおり、親からはあまり通るなと忠告されている道である。極め付けに数年前にボヤ騒ぎが起きて放置されっぱなしになった通称「化け猫屋敷」も存在するのだ。(噂では白骨化した遺体があるとかないとか) その近道の先に階段があり、上ると、自宅徒歩1分圏内の公園にたどり着く。
相棒であるソニックウィング号と命名した自転車のハンドルを握りしめ、歩き始めた。(砂利道のため漕ぐのは危険だった。)
「ヒュンッ!」「バンッ!」
ちょうどボロ平屋を通る直前、小石が目の前を通過し壁にぶつかった。
「ヒュヒュヒュヒュヒュンッ!、ババババババンッ!」
マシンガンのように直線的に連続して小石が目の前を通過する。
10秒ほどでそれは終わった。ちょっとやんちゃな上級生もいたため、そういう遊びでもしているのかと考え、急いで通ることに。
走って階段の前までたどり着く、そのすぐ直前
「ヒュヒュヒュヒュヒュンッ!、ババババババンッ!」
先ほどと同じ石マシンガンだ。今度は止んだと思ってもまた石が目の前を通過する。流石に身の危険を感じ、大通りに抜け帰宅した。
一度目の石マシンガンのとき、人がいないか横目で確認したが全く人の気配はなく、話し声もしなかった。そもそも小学生があそこまで速く精度よく連続に小石を投げられるとは思えない。階段を上った公園から投げたという案も考えたが、石は横から直線的に飛んできたのであって、放物線を描いていたわけでもないのである。
恐怖と興奮の中、母親に報告し、警察が調査することになった。
後日連絡が来たのだが、平屋の住民含むそこ一帯にすむ方々に聞き込みを行っても特にこれといった成果はなかったそうだ。
それから、もう一度体験しようと何度も通ったが、便利な近道として終わってしまった。今では化け猫屋敷も取り壊され、綺麗な新築が立った。平屋は変わってないものの雰囲気が明るくなっている。
もしあのまま階段を上っていたら、正体を突き止めることができたのだろうか。それとも……。
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