社労士業界へ転職する前に決める大事なこと
こんにちは、名古屋で社労士事務所を開業準備中のもちづきです😊
お読みいただきありがとうございます🙌
今日は社労士業界へ転職を考えている方へ、
その前に決める大事なこと
を投稿しようと思います。
それは、
「仕事はアナログでやりたいのか、ITを駆使してやりたいのか」
を決めておくことです。
なぜかというと、社労士事務所はアナログな事務所はとことんアナログ、デジタルな事務所はとことんデジタルで業務を進めていることが多く、自分の仕事の仕方が事務所の方針と合わない場合、辛くなってしまうからです。
社労士業務の通常業務、「手続業務」と「給与計算業務」を例に、私の経験談をお話します。
はじめに、簡単に私が勤めていた社労士法人を紹介します。
地元で勤めていた社労士法人はとてもアナログな事務所でした。
所長がインターネットと郵便を信じておらず、電子申請なんてとんでもない絶対反対という方でした。
朝礼で30分間、電子申請反対と熱く語るくらいインターネットを信じていませんでした。
「今の時代にそんな人いるか!?」
と思うかもしれませんが、実際います。
特に、地方の場合はこのような考えの所長は多いと思います。
まず手続の届出書を作成するといっても、作成するための情報を集める必要がありますよね。
手続を行う従業員の氏名や生年月日、マイナンバー他様々な情報が必要です。
これを全て顧問先の会社に紙で用意させて、職員が車で顧問先に伺い、回収します。
郵便も信じていないので必ず車で回収に行きます。
FAXもメールも誤送信の可能性があるので禁止です。
毎日午前中の3時間は顧問先を周り周り、ひたすら書類の回収をしていました。
この話を同業者にすると「絶対に嘘だ!」と言われますが、嘘ではありません。
若干アナログとかデジタルとかそういう次元ではない気もしますが、間違いなくこういった事務所はあります。
余談ですが、コロナになってから顧問先に訪問できなくなり、ようやくFAXを使ってもOKになったと元同僚に聞きました。
さて、情報が集まったら実際届出書を作成します。
一応某ソフトを使っていて、その中に情報を色々入力して印刷という流れなのですが、これも簡単に印刷までたどり着けません。
まず、印刷機に正規の枠線が印字された届出書をセットします。
次に、印刷をかけますが、大体うまくいかないのでやり直します。
ドットプリンターという名前か、正式名を忘れてしまったのですが、何十年前から使っているんだ・・・という古い印刷機を使っていたので届出書の枠線内にうまく印刷できません。
システム内で設定しても、微妙に印刷するときの動きで微妙にズレてしまうのです。
届出書はきれいに作成することがモットーだったので、少しでもズレようものなら何回もやり直しでした。
ちなみに、システム内から届出書の形式のまま印刷することも可能です。
これならそのまま印刷して終わりなのですが、絶対各役所で配布されている届出書に印刷することになっていたので、システム内から印刷することが許されませんでした。
玄人の先輩だと「この印刷機は○○ミリズレるから元々の設定もこのくらいズラす」ということを把握してる方もいました。
届出書に印刷するのは職人作業です。
手続1件作成するのに、アナログだとこのような工程を踏む事務所もあります。
例えば社会保険の資格取得手続であれば情報収集の時間込みで、早い人で「4時間」で手続きが完了できていました。
逆にITを使った場合の手続業務は、オフィスステーションというシステムを使用していました。
手続に必要な従業員の情報回収は、システムの中から従業員へ「この情報を入力してください」というメールを送ることができるので、従業員が自分の情報を入力して終了です。
システム内に反映されている情報が合っているのか確認し、届出書に誤りなく反映されていることを確認したら「電子申請」というボタンを押して完了です。
早い人であれば同じく社会保険の資格取得手続は「5分」で終わっていました。
時間だけ見ればもちろんITのほうが早くて良さそうですが、良いか悪いかは自分の基準で判断しなければなりません。
実際、IT駆使の社労士法人に入社して3日で
「全部PC画面を見て作業するなんて無理です!紙で仕事しないと無理です!」
といって辞めた人を何人も見てきました。
逆に前職で色々ITを駆使して仕事をしてきた方であれば、アナログの事務所で働くのは厳しいと思います。
地元のアナログ社労士法人で働く前も、そこまで色々ITを使っていた会社にいたわけではない私でさえ
「メールで回収できる情報をなんで毎日毎日半日かけて車で取りに行くんだろう・・・」
「この車で取りに行って帰ってくる時間で給与計算できるのにな・・・」
と思っていました。
今はITを使った仕事を知ってしまったので、もうアナログの社労士事務所には戻れないです。
次に、給与計算です。
給与計算は入力やデータ取込、チェック方法など、アナログかデジタルかというよりは、「社労士事務所として給与計算に関する業務をどこまでやるのか」によって異なってきます。
例えば勤怠チェックなどですね。
なので、一番アナログかデジタルで異なる「給与明細の発行」についてお話しようと思います。
ここも細かく言えば、給与明細は顧問先で発行するのか、社労士事務所で発行するのか業務の線引きにもよりますが、「社労士事務所で用意する」場合が多いと思います。
地元のアナログ社労士法人では、500人、150人、100人の会社の給与計算を担当していました。
500人の場合、給与明細を印刷から封入、顧問先に届けるまで丸1日かかります。
給与明細も3枚綴りの複写式だったので、1枚ずつ分けて会社保管用、事務所保管用に綴る、銀行振り込み用のデータを作る、従業員へ渡す用の明細を印刷して封入するといったように、「給与明細印刷」以外の付属業務が多かったです。
特に、年末調整後は源泉徴収票も同封するため、間違って別人に入れていないか、トリプルチェックをしていました。
給与支給日に、「間違って入ってたよ」と連絡が来ませんように、とその日1日はビクビクして顧問先からの電話を取っていたことを思い出します。
ITを使った場合は、給与計算完了後に「〇月〇日に給与明細公開設定」をしておくだけです。
支給日になればシステムから従業員へ給与明細発行メールが送られて、自分で給与明細を見に行ってもらって終わりです。
源泉徴収票も同じくシステムの中で見れるので、別で印刷して送る、ということはしなくて良いです。
これが一番アナログとデジタルで差を感じました。
いかがでしょうか。
業務時間だけみればITを使ったほうがいい気がしますが、
「ITはよくわからないからアナログでやりたい」という方もいらっしゃると思います。
そのような方がデジタルな社労士事務所に入社してしまったらツライですし、逆もしかりです。
実際、社労士事務所はまだまだアナログなところが多いので、
「IT使うのは心配だなあ・・・」という方はアナログな事務所を探して勤務するのは全然できると思います。
特に地方はアナログな社労士事務所の方が多いと思います。
アナログで仕事をしたいのか、
逆に絶対ITを使った仕事がいいのか、
今までアナログだったけどITにも慣れていきたいと思っているのか、
ここをしっかりと自分の中で決めることが大事です。
そして、決めたら面接の時に業務の進め方について詳しく聞いてください。
「手続き業務は情報収集から最終の申請まではどのような流れで進めていますか?」
「給与明細は印刷して納品していますか?」
「普段のお客様との連絡手段は何ですか?」
といった質問をすれば、具体的な作業のイメージもできますし、
ここでの回答で「紙が多そう」、「ITでしかやらないんだな」と分かります。
面接前にホームページを見て、ある程度アナログ事務所なのかデジタル事務所なのか判別できる点もあるので、また別で投稿したいと思います。
私のアナログとデジタルの事務所で勤務した経験が、今から社労士業界への転職を考えている方に少しでも参考になれば幸いです。
ここまでお読みいただきありがとうございました😌
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