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(ネタバレ有)4年ぶりに鳥肌が立ったマンガに出会った話

はじめに

断っておくと表紙や裏表紙の画像は載せますが、他は一切載せないため、興味がある方は試し読み機能などやコミックDAYSのリンクを最後に貼るため、そこから読んでいただけると助かります。

こんにちは。昨日アルバイトの休憩中に前から気になっていた、うの花みゆき先生『雪と墨』(講談社)の1・2巻を購入しました。
その後休憩室で本作を読んでいたのですが、1巻からあまりに面白くて鳥肌立ちっぱなし&汗まで出てきました。休憩室はかなりエアコンが効いているので暑すぎるということは無かったと思います。
本当に面白い・ドキドキワクワクする作品を読むと私の場合は鳥肌が立ったり背筋がいい意味でゾッとしたりするのですが、他の人の場合はどうなんでしょうか?
バイト終了後、家に帰ってスマートフォンを開くとすぐにグループLINE(5人)に布教してきました、ただの厄介オタク。


ここからネタバレ含むので苦手な方はブラウザバックしてくれ

そもそも本作を知った経緯は、同じ講談社から出版されている『パリピ孔明』(原作:四葉タト先生・漫画:小川亮先生)or『笑顔のたえない職場です。』&『雨夜の月』(くずしろ先生)のコミックに封入されていた、1話がまるごと掲載されていた広告を読んだことがきっかけでした。

1巻1話では田舎の村で50人を殺したことで市中引き回しの上水責め火あぶり、そして斬首をもって償わされる予定だったネネオという男性を、フレイヤと名乗る上流令嬢が買い取るシーンから物語は始まります。
なぜ上流令嬢が50人を殺した犯罪者をわざわざ買い取ったのか、ということですが、フレイヤ曰く「北方の僻地に引っ越すため荷物持ちと護衛を頼むため」、とのことでした。
ここで抱く疑問は、なぜ上流令嬢が僻地に行くのか、そして引っ越すのであればなぜ正規ルートを利用せず、わざわざ大罪人を買い取ってまで雇用したのか、という点です。
この疑問は、1話から読んでいくと彼女自身の口から明確な説明があります。(それだけじゃない気もしますが)、ともかくそのような理由でフレイヤは僻地へ向かうことになり、その過程でネネオを購入しました。
その後は徐々にネネオが犯した罪の片鱗が見えてきます。彼のやった行動が正しいか間違っているのかは分かりません。ですが、少なくとも彼の手で命を落とした50人は、感謝こそすれ恨んでいるような感情は無かったと私は思います。
と同時に、自分ならこのような選択肢を持たなかったかもしれない…とも考えました。それが親しい人であればあるほど、その選択肢は真っ先に排除されるべきものだと…。

1巻3話ではフレイヤの婚約者という第一印象はかなり性格が悪そうな、いかにも貴族のお坊ちゃまという身なり(上流令嬢と婚約でき、かつ家がお屋敷のため紛れもなくお坊ちゃまでしょう)のハルバードという男性と2人は会い、そこでまさかの展開となります。ネネオの時もそうですが、人を見た目だけで判断することの恐ろしさや異常性が露わになる作品です。私もハルバードに対するファーストインプレッションは0どころか底辺でしたし、正直この男とフレイヤ・ネネオの対決になるのだろうと序盤は思っていました。ですが、ページをめくるにつれて彼への好感度は爆上がり。2巻までしか刊行されていないため登場人物もまだ少ないのですが、本作に関して言えばこれ以上好感度高いキャラクターが出てくるのか!?と思わせるレベルのお方です。人によっては苦手なタイプかもしれませんが、少なくとも私は3話を最後まで読んで、ハルバードが大好きになりました。

1巻5話から2巻では本格的に大罪人・ネネオの過去について触れられています。彼が50人を殺したという事実は揺るがない事実の1つです。ですが、真実を知った時、自分ならどのような行動をとるでしょうか…。私自身の考えは上記しましたが、もし私がその状況に置かれたら果たしてその行動を取れます!とは言い切れないですね。
罪や立場、正義という曖昧な言葉だけでは表現できない魅力が『雪と墨』には詰まっています。


要所に散りばめられた作品の面白さ

実は1話が終わる度に4コマの小話が掲載されていますが、各キャラクターたちの魅力、いわゆる尊さのようなものが溢れていてニヤニヤが止まりません。
1話終わりは慈悲、2話では好意or告白、3話では無自覚、4話では理不尽…という風に何かしらのテーマを設定して組み込んでいるのかなーという感じです。これはおそらく単行本でしか見ることができないと思うので、気になった方はぜひ買って読んでみてください。電子書籍は買った事が無いのでどんな感じの特典が収録されているかは分からないのですが…(笑)少なくとも単行本だと4コマのそれを読むことができるので気になった方はぜひよろしくお願いいたします(誰だよ)。


最後に

雪と墨の意味は、「二つの物事が正反対であること。また、あまりにも違いすぎて比較にならないことのたとえ」(故事ことわざ辞典、2023年8月28日)だそうです。確かに立場だけで彼らを見ると50人を殺害した大罪人ネネオ⇔上流令嬢フレイヤですが、物語が進むにつれて全くそのようなことは無く、寧ろ立場が異なるだけの似た者同士かもしれません。
コミック第2巻の帯には「居場所のない2人はおたがいの腕の中を、行き先に選んだー。」とあります。
勝手な推測なのですが、行き先には他にもゆきさき(雪の先)やいきさき(生き先や逝き先、良き先、活き先、好き先)という言葉とかけているのかな、と思ったりしています。この辺りも現在公開されている話を読んでいただければ分かるかと思いますので読んでいただければ幸いです。

『雪と墨』2巻(講談社)の帯




リンク

講談社コミックDAYS公式サイト『雪と墨』第1話(2023年8月28日閲覧)

講談社コミックプラス『雪と墨』第1巻購入サイト(2023年8月28日閲覧)

故事ことわざ辞典(2023年8月28日閲覧)

『雪と墨』1巻&2巻の裏側(講談社)

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