見出し画像

プログラム医療機器(SaMD)勉強会(2023/07/26 Wed.)

北大医学部起業部 代表の医学部4年 岡本大樹です。
今回は医療機器の種類、中でもプログラム医療機器(SaMD)について、北海道大学病院医療機器開発推進室の石田稔先生にご教授いただきました。

勉強会の内容を一部ご共有します。

医療機器の例

医療機器とはどのようなイメージを持っていますか??

PMDA HPより引用

一般的に利用する血圧計や、外科手術に用いる電気メス、病院の検査で活用するCT・MRI、そのほか心臓ペースメーカーなどが該当します。

注目される『プログラム医療機器(SaMD)』

中でもここ約10年で注目される医療機器があります。
それはプログラム医療機器(SaMD:Software as a Medical Device)と言われるものです。

プログラム医療機器イメージ

プログラム医療機器は、『アプリや人工知能(AI)などの技術が組み込まれた医療機器』のことを指します。

最近では以下のように、血圧を管理するアプリ、喫煙を管理するアプリなどが、医療機器として認証されるようになりました。

  1. ニコチン依存症治療:CureApp SC ニコチン依存症治療アプリ及びCOチェッカー(株式会社CureApp)

  2. 高血圧治療:CureApp HT 高血圧治療補助アプリ(株式会社CureApp)

  3. 不眠障害治療:サスメド Med CBT-i 不眠障害用アプリ(サスメド株式会社)

保険収載にすると良い点2つ

1. 患者は3割負担でOK

病院で診察を受けると3割負担になります。
これは3割自分で払い、7割は国の税金で支払われるということですよね。

これを医療機器を開発した側で考えてみましょう。
例えば、友人とプログラムを書いて、医療に使えるアプリを作成したとします。

ここで売り方は2通りあります。

  1. Apple StoreやGoogle Playに自分の開発した医療アプリをアップロードするなど『一般的なサービスとして売る』

  2. 保険収載を目指す。これは『使用する人は定価の3割だけでOK』(残りの7割は国が負担してくれる)と言うこと。

医療アプリを10000円/人で売りたい場合、
1つ目のケースでは、お客さん(患者)は10000円でアプリを購入する。
2つ目のケースでは、お客さん(患者)が3000円でアプリを購入する(国が7000円支払ってくれる計算)

医療アプリを開発した自分たちの収益は同じでも、患者の負担額が異なります。これは医療機器を販売していく(多くの患者さんに使用してもらう)上で、大きな違いになります。

2. 効果があると国が認めた証拠になる

保険収載が認められ国民皆保険の保険適応対象になるということは、厚生労働省が認めた商品ということになります。

厚生労働省の資料では、保険収載の考え方について

国民皆保険の下、「有効性や安全性が確認された医療であって、 必要かつ適切なものは保険適用する」ことを基本に対応している

新規医薬品等の保険収載の考え方について  平成30年10月10日 厚生労働省保険局

と記載されています。

つまり、世の中には怪しいサプリ、医薬品や医療サービスが数多くある中で、『この製品はちゃんとしたサービスだ』と国が認めたことになります。

国のお墨付きをもらえれば、自分たちが開発した医療サービスを広げる際に、良い影響を及ぼすの理解しやすいと思います。

まとめ

今回は簡単に『プログラム医療機器について』そして『保険収載』について勉強会の内容を一部ご共有しました。

引き続き、次世代の医療ベンチャーを創出するためイベントや勉強会を開催していきますので、よろしくお願いいたします!

北海道大学 医学部4年 岡本大樹


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?