西野歌桜

会社員です。仕事と家事と育児の合間を縫って書いています。仕事はシステム屋をフルタイムでやっています。日々のストレス発散で書くことに没頭する時間を設けています。家事は適当です。ゆるふわとズボラの間の境界線を彷徨っていて、ズボラに近いです。3児のご飯を作って寝静まる頃に書く感じです。

西野歌桜

会社員です。仕事と家事と育児の合間を縫って書いています。仕事はシステム屋をフルタイムでやっています。日々のストレス発散で書くことに没頭する時間を設けています。家事は適当です。ゆるふわとズボラの間の境界線を彷徨っていて、ズボラに近いです。3児のご飯を作って寝静まる頃に書く感じです。

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思ってもみない旅路の果てに

 世の中には3連休じゃないとできない仕事もある。それはわかっている。正月3日、その次の成人の日を含む3日、GWの3日、そして先週末の7月の3連休と、今年の場合は続く。    要は、休日が3日ないと成立しない本番移行というものが存在してしまうのだ。土曜日夜から日曜朝にかけて1晩で変えてしまえるものがあるのに、3日もないと変えられないものがある。  これには諦めが肝心だ。暴れて反抗したくなっても、3日は拘束されるものなのだから。  先週末の7月3連休は、うちのチームは5本あっ

    • 3 ガールズバンド“ミッチェリアル”

      第三話 ドラマーのミカナ16歳  こんな所に、今ももっとも勢いがあるガールズバンドのメンバーが集まっているとは世間の誰も思わないだろう。  きつねのブー子は、4歳この頃から人間の先生について、手を叩かれながら、泣きながらレッスンを受けていたらしい。  古いピアノを使って、すごいパワーで嵐のように鍵盤を叩きまくって、即興でピアノを奏でていた。いつものブー子のならしだ。 ブー子は人科じゃないからか、不思議なタッチと感性を持っていると思っていた。  私はミカナ。親からは、

      • 2 ガールズバンド“ミッチェリアル”

        第二話 マネージャーしし丸の夏休み   大手レコード会社の入っている高層ビルの一室で、窓から配下の東京の街並みを眺めながら、俺はぼんやり夏休みのことを考えていた。  ガールズバンド“ミッチェリアル”の初のワールドツアーが控えている。アメリカ国内を仕切るエージェントとのテレビ会議打ち合わせも終わり、部屋には俺しか残っていなかった。  空を漂う雲を眺める。  今晩からブー子の祖父の山で、ツアー前最後の合宿だ。  このバンドには秘密がある。ボーカル&キーボードのブー子は、イ

        • 1 ガールズバンド“ミッチェリアル”

          第一話 ガールズバンド“ミッチェリアル”紹介  バス停でポーニーテールした少女が気だるそうに、市販のカフェラテを飲んでいる。  完全にバス停に寄りかかっている。  そこに”くノ一”がキラッと一瞬何かをきらめかせて姿を現した。一瞬で姿を消す。  ギターを抱えた少女が素早く駆け寄り、スパッと何を切り倒すような動きをした。 「ミカナー、またあんた何かしでかしたの?狙われてるね。」  ギターを抱えた少女は手をパンパンと打ち鳴らすと、ぶっきらぼうにポニーテールの少女に言った。

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        思ってもみない旅路の果てに

          ガールズバンド“ミッチェリアル”

          あらすじ ガールズバンド“ミッチェリアル”の初のワールドツアーがこれから始まろうとしている。このバンドには秘密があった。 ※裏設定:トオルは男の子ですが、バンドのため、女の子として活躍しています。  これはネタバレになります。3話まででは、まだ明かされていません。 第一話 第二話 第三話 #週刊少年マガジン原作大賞

          ガールズバンド“ミッチェリアル”

          3 神社のさとこと、おならブー

          No.3  絶品キノコと誰かの夢 私はスーパー銭湯の女湯の更衣室にいる。巨大扇風機の前で、風を女と一緒に浴びながら伸びている。  バタバタと風が私と女を撫でる。最高の気分だ。 「あなた、きつねでしょう?」  私は小声で隣の若い女にささやく。  女も私も、申し訳ない程度の布切れを巻きつけた薄着の状態だ。    素晴らしいプロポーションの若い女は、風を顔面に浴びながら、涼やかな顔でぼやいた。 「もう、どうでもいいわ。」 「そうよ。きつねよ。ご名答。」  私もどうでも良く

          3 神社のさとこと、おならブー

          2 神社のさとこと、おならブー

          No.2  あの時のたぬき  私は近所のサウナに行った。なんの変哲もない、老若男女が集まるスーパー銭湯だ。お食事どころもあるし、露天もある。泡でジェット流責めにしてくれる風呂もある。  サウナでテレビを見ると、なぜあんなに落ち着くのか分からない。すっぽんぽんに申し訳ない程度のうっすい温泉タオルを置いて、ジワっと緩むのを待つ。   「あっ!」  隣の若い女に小さく声を出された。  私は右隣の女をチラッと見た。 「あっ!」  私も小さく声を出す。  サウナに入っているお

          2 神社のさとこと、おならブー

          1 神社のさとこと、おならブー

          No.1  決定的証拠  サングラスの越しに、目の前の女をじっくり眺める。カップを持つ指が細くて実に上品だ。歳の頃は25歳くらいだろうか。髪は長い。赤い目立つワンピースが実によく似合う美女だ。 「あなた、医師免許は?」  私は女に聞く。 「持っていません。」  女はそっけなく答える。 「じゃあ、弁護士資格は?」  私は女に聞く。 「持っていません。」  女はサバサバした様子で答える。 「あなた、完璧よ。合格だわ。」  私は満足して女に言う。 「あなた、私の若い頃に

          1 神社のさとこと、おならブー

          執着など手放してしまえ

          借金のかたで家を失ったことがある。 YES 親が島に夜逃げしたことがある。 YES 本気で一生結婚できないと思って生きてきていた。 YES 最初に働いた職場では、顔が綺麗すぎると言う理由で、年上の若い女性(当時27歳くらいの方だった)にいじめられて、手の爪に穴が空いた。22歳の私は毎日のように職場のトイレにこもって泣き、仕事を辞めた。 おかげで、それ以降の職場では、強くなったのか、いじめられることは無くなった。逆にいじめそうな勢いの強さを身につけた。(いじめてはいない)

          執着など手放してしまえ

          38 未来の地球と辺境の星から 趣味のコスプレのせいで帝のお妃候補になりました。初めての恋でどうしたら良いのか分かりません!

          <その後 ナディアと颯介の番外編>大観衆の面前で(颯介) 熱気がすごい。  そこは、10万人ほどの観衆が待ち構えているコンサート会場だった。四方をぐるっと囲まれているような錯覚に陥るほどの人、人、人だった。 「何?ここは?」俺はミランに聞いた。  いきなり日本の保険会社のビルからワープした俺は、大きなコンサート会場のステージ上にいた。  「ごめん。失敗してしまって、今日、この会場でこれからコンサートをする予定のロック歌手が中世ヨーロッパにまだいるんだ。」  ミランは俺に

          38 未来の地球と辺境の星から 趣味のコスプレのせいで帝のお妃候補になりました。初めての恋でどうしたら良いのか分かりません!

          37 未来の地球と辺境の星から 趣味のコスプレのせいで帝のお妃候補になりました。初めての恋でどうしたら良いのか分かりません!

          <その後 ナディアと颯介の番外編>ロックスターの気の迷い(ナディア)ヨレヨレのTシャツを着て、寝癖のついた頭のままの相手を私はじっくりと見つめる。 オーストラリアの高級ホテルのスウィートに泊まる若い男性の頭には、銃が突きつけられている。 私とこの男の共通点はいくつかある。若くして、自分の才能と努力で富を築いた点がまず一つ。私は作家で、この男はロック歌手だ。29歳の彼には世界中に熱狂的なファンがいる。世界各国でツアーを開催すれば、巨額のお金と人が動く。 二つ目は、おそらく服

          37 未来の地球と辺境の星から 趣味のコスプレのせいで帝のお妃候補になりました。初めての恋でどうしたら良いのか分かりません!

          36 未来の地球と辺境の星から 趣味のコスプレのせいで帝のお妃候補になりました。初めての恋でどうしたら良いのか分かりません!

          <その後>競馬場でのオートクチュール忍者ファッション 熱気と興奮が渦巻き、地鳴りのような歓声があたりに響きわたる。  21世紀のニューヨーク州の競馬場はとても賑やかで混んでいて、素晴らしかった。 「若!目立ち過ぎます!」私は帝にささやいた。 「私(わたくし)は、お腹が空いてしまって何か食べたいのだ。」  帝はそう言い、ズンズン先を歩いて行った。 「若!この時代の禄を持ってきていますか?」  私は、袴姿で帝の後を追いながら、小声で言った。 「禄?持っていません。」  帝

          36 未来の地球と辺境の星から 趣味のコスプレのせいで帝のお妃候補になりました。初めての恋でどうしたら良いのか分かりません!

          35 未来の地球と辺境の星から 趣味のコスプレのせいで帝のお妃候補になりました。初めての恋でどうしたら良いのか分かりません!

          <4章:解決>No.100 ばっくれるなら(まさみと牡丹) 豪華な結婚パレードが終わって、そのあと城内で開かれた盛大な披露宴は宴もたけなわだった。  牡丹とまさみは、ナディアからの報告を画面越しに見ていた。 「さーて数世紀続いた黒の秘密結社は、この手で始末したわ。」  指にフッと息を吹きかける。そして炎を出して辺りを焼き払い、軽快に格好よく去って行くナディアに、感嘆のため息をついて見惚れていた。  画面はどうやら人間がだいぶ後に発明したものらしい。特別にナディアに贈って

          35 未来の地球と辺境の星から 趣味のコスプレのせいで帝のお妃候補になりました。初めての恋でどうしたら良いのか分かりません!

          34 未来の地球と辺境の星から 趣味のコスプレのせいで帝のお妃候補になりました。初めての恋でどうしたら良いのか分かりません!

          <4章:解決>No.97 素敵な時間(沙織)  帝と私の挙式の日取りが決まった。  中世ヨーロッパのジュスタン伯爵が、ナディアと一緒に黒の秘密結社との示談に持ち込んでくれたと聞いた。  私はその話をサキのふわふわの白い背中を撫でながら、帝からお聞きした。 「ぜひ一度、お礼を申し上げたいのですが。」  私は喜びのあまり、声が裏返った状態で帝に申し上げた。 「難しいと思うが、挙式に招待はしてみようと思う。」 「こちらから連絡をとる手段がないので、颯介やナディアからゲームの

          34 未来の地球と辺境の星から 趣味のコスプレのせいで帝のお妃候補になりました。初めての恋でどうしたら良いのか分かりません!

          33 未来の地球と辺境の星から 趣味のコスプレのせいで帝のお妃候補になりました。初めての恋でどうしたら良いのか分かりません!

          <4章:解決>No.94 婚約お披露目祝賀パーティー(沙織)  城で多くの人を呼んで祝賀会が開かれた。クーデーター阻止を祝う会と、帝が私を正式に紹介する会だ。帝と私の婚約が発表された。 「このたびはおめでとうございます。」 「ありがとうございます。」  私はにっこり笑って美しい振袖を着た牡丹に頭を下げた。  貴和豪一族の家長は牡丹に変わっていた。牡丹は兄に変わって貴和豪一族を牛耳ることになったらしい。そこのいきさつは私もよく聞いていなかった。今度時間ができた時にじっく

          33 未来の地球と辺境の星から 趣味のコスプレのせいで帝のお妃候補になりました。初めての恋でどうしたら良いのか分かりません!

          32 未来の地球と辺境の星から 趣味のコスプレのせいで帝のお妃候補になりました。初めての恋でどうしたら良いのか分かりません!

          <4章:解決>No.91 辺境の星で育つと魔術のようなものが使えるらしい(沙織)  ー時は西暦2018年より数億年先の地球 忍歴2020年 帝の城ー   ま、ま、参りました! 「いや、俺たち、帝は裏切れない!すまなかった、帝!」 「全面降伏します!」  大型恐竜たちはひざまずき、帝に降伏した。翼竜もだ。  私は颯介を乗せたまま、小高い丘に舞い降りた。  体が震えるほど、感動する瞬間だった。山脈を埋め尽くした翼竜も草原を埋め尽くした大型恐竜たちも、全てが帝に降伏の姿勢

          32 未来の地球と辺境の星から 趣味のコスプレのせいで帝のお妃候補になりました。初めての恋でどうしたら良いのか分かりません!