まとめられなかった幼少期

「かぼちゃのぶす!」
物心ついた時にはすでに、次女里芋から「ぶす、デブ」と毎日のように言われていた。
ジャガイモは「かぼちゃはぶすじゃない!」と里芋に返していたそう。どうやら、私が物心つく前から次女里芋は私にぶすと言っていたそうだ。これらは母メロンパンから笑いながら聞いた。
次女里芋は、お母さん大好きっ子のため母にまとわりついていた。私も母に甘えたかったが、里芋に遠慮して母には近づかなかった。
次女里芋には何かと意地悪をされた。ぶすやデブ、色々とひどいことを言われていたし、叩かれたり蹴られたり無視されたりしていた。具体的に何をされたのかあまり覚えてないくらい、毎日里芋には意地悪をされた。だけれど、母はしょっちゅう私を怒った。「うるさい!」と末っ子の幼稚園生の私を怒鳴りつけた。私はただただ黙ってきちんと怒られていた。なにせ幼稚園児なので。
私は長女長芋の方が姉として好きだった。しかし、長女長芋は医者の跡取り娘として、両親から「長芋ちゃんに近づかないように。勉強があるから」と接近禁止令を出されていた。なので、同じ家に住みながら長女長芋とはあまり遊んだことがなく、長芋がどこで何をしていたかあまり知らない。
ジャガイモは、週末はしょっちゅう競馬へ私を連れて行った。私は父とも母とも公園で遊ばせてもらったことはない。

幼稚園に入園した時、周りはすでにお友達の輪ができていて、皆仲良く遊んでいた。家の中でまともなコミュニケーションの取れなかった私は、外の世界で同世代の子達にどう話しかけていいのかさっぱりわからなかった。とりあえず、うるさく明るく振る舞っていた。先生にもお友達にもムリして明るく振る舞っていた。「元気で明るい子ね」と言われたが、ムリしていただけ。

同じ幼稚園で△△ちゃんという優しい女の子がいた。私は△△ちゃんが大好きだったが、母は「△△ちゃん全然可愛くない!ゴリラみたい!」と。私と△△ちゃんが一緒にピースをして写っている写真を見た母が「△△ちゃん、ピンクのフリフリの可愛い服着てるけど、似合わない。可愛くない」とよく容姿をけなしていた。

幼稚園児の私、幼稚園にいる1、2歳年上のお姉ちゃん達が好きで、「お姉ちゃーん!」とよく追いかけまわした。私がしつこかったからなのか、お姉ちゃん達は嫌がり逃げていたのを覚えている。その逃げられるのも悲しかったけれど、明るく振る舞っていた。次女里芋に無視されるよりは、逃げられる方がよっぽどマシだからだ。

家で次女里芋から日々意地悪されるたびに母から「かぼちゃうるさい!!」と私が怒鳴られていたので、ほめられることなど皆無。
幼稚園でトナカイの絵を描いた。「難しい動物の絵を描けてすごい!」とたくさん先生にほめられた。すごく嬉しかった。それなのに、一緒にお絵描きをしていた女の子が、私の絵を真似てトナカイを描いた。なので、私1人がほめられたのではなく、私と友達の2人が同時にほめられた。私はそれが不愉快だった。私は一から自分の実力で絵を描いてほめられたのに、なぜ真似して描いた隣の子も同じようにほめられるの?その子に対して苛立った。
「私だけほめてよ、私だけ特別扱いしてよ」と思った。

幼稚園の先生が「両親に対して何か悲しい思いをしたことある人ー?」と皆に質問をした。皆続々と「両親がケンカしてて悲しかった」など素直に言っていたので、私も手を挙げて答えると、それらがその日の幼稚園のお便りに載った。先生方の意図としては「こういったことで子供達は胸を痛めていますよ、お父さんお母さん気をつけましょう」と伝えたかったのだと思う。
その夜、お便りを持った母が私を怒鳴り散らした。
「なんてこと言ってくれたんだ!」と。
私は「夜にお父さんとお母さんとおばあちゃんが喧嘩をしていて悲しかった」と答えたことが掲載され、母は「余計なことを言いやがって!周りにも知られたやろが!!」と激怒。
そう、幼稚園の時からすでに父と母は険悪だったのだ。父が怒るのは「お前が金ばっか使いやがって!」という理由。
こんなこともあった。幼稚園時代のゴールデンウィークでは、家族で旅行へ行く車内で両親が喧嘩したため初日で宿をキャンセルして自宅は戻ったこともあった。なので、家族で楽しく旅行や遊びに行ったことはほとんど記憶にない。

何が正しくて何が悪いのか、どういった振る舞いが人と円滑に進むコミュニケーションなのか何もかもわからないまま…と言いますか、教えてもらえないまま、姉から意地悪をされ、それにより私が泣くと母から私が怒鳴られてばかりの幼少期を過ごした。
幼い子供というのは、心の中にモヤモヤを抱えてもうまく言語化できないため、私はずっと漠然と疎外感や孤独感を抱いていた。漠然と。
この時期に、私は“約束”をした。

今これらを書き連ねながら、読みやすくわかりやすくしようとしたが、まとまらない。どこを削ろうか色々思案してみたが、削れない。

あのね、この時の私。まだこんなの序の口だよ。これからまだまだ辛いことしないからね。







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