野辺一円

<野辺一円>
寝転がった青年が透き通った
見上げた蒼天の底が抜けた
呼吸(いき)を整(ただ)して風が通る
肩をすぼめる人間をあざ笑うことなく
己の記憶のままに地球はめぐる
野辺一円の原始
たったひとつのことしか語ろうとしない
全てはここから始まったのだと
単純なこと
「ある」ということ
たったひとつのことを繰り返す原風景
野辺一円の扁平な原始
野辺一円の結氷

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