懐かしい音楽

<懐かしい音楽>
音楽はすぐに消える
音の記憶も残らない なのに
何かに触れたという思いは残る
残った思いは音楽のように響き続ける
 
太鼓も人の声もラッパの音も
遠い思い出のようによみがえり
私は思わず目をつぶる あるいは
風を見ようと窓を向く
音楽が連れてくる色や形や光景は
私の中にある懐かしいものばかり なのに
新しい風のように吹き抜けて
音楽は今日生まれたのだと告げている

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