29. 今日の日課27 もう来てるテクノロジー:垂直農法

はじめに

 今日の日課27日目です。今日は垂直農法ついてです。垂直農法は野菜工場のようなもので、その名の通り垂直的な建物の中などで野菜を生育します。これが実現すれば、都市部の中で野菜の生産ができるようになります。夢のような技術ですが、一部の地域ではすでに垂直農法での作物が販売がされています。

1.垂直農法とは

 まずは垂直農法とはどんなものなのかですが、

 高さのある建築物の階層や、傾斜面をつかって農業をすることを「垂直農業(または垂直農法:Vertical Farming)」と呼ぶ。平たい畑や温室などで野菜を栽培する代わりに、都会の超高層ビルや、輸送用コンテナ、使われなくなった倉庫などで、高さを利用して垂直的に農作物を生産する。従来の農業のように広い土地がいらず、都市でも食物を生産できることが特徴的だ。

IDEAS FOR GOOD
垂直農業とは・意味
https://ideasforgood.jp/glossary/vertical-farming/

 上記のように垂直農法とは、その名の通り垂直的に農業をすることで、ビルや専用の製造プラントのような建物の中で農業をします。基本的に、垂直農業では、野菜が育てられることが多いです。

2.垂直農法のメリット・デメリット

 まずはメリットから

2.1垂直農法のメリット

 垂直農法のメリットとしては以下の4つがあげられます。
1.土地の使用面積
 垂直農法では、建物などの屋内で農業が完結し垂直に農地を広げていけるので、使用する土地の面積が従来の農業よりも圧倒的に少ないです。そのため、従来の農業と比較して収穫量の増加が見込めます。
2.天候や害虫の影響を受けない
 
当然のことですが、屋内で農業が完結するため、天候や害虫の影響をほぼ受けません。台風などの災害が多い日本では、垂直農業は安定的な農作物の供給に良い影響を与えると思います。
3.水や光などの資源の抑制
 垂直農法では、従来の農業の水の使用量約1.5%ほど(食物1kg当たりわずか5リットル、従来の野菜栽培では1kgあたり約322リットルの水を使用)で野菜の生育が可能です。
4.サプライチェーンの短縮
 1で紹介したように、狭い場所でも農業ができるため、都市部などでも作物を生産できます。そのため、遠くから野菜などを輸送する必要がなくなります。CO2も削減できますね。

2.2垂直農法のデメリット

 垂直農法のデメリットとしては以下のつがあげられます。

1.建設・設備コスト
 当然ながら、垂直農法用のプラントの建設が必要です。垂直農法に必要な設備として、作る野菜に合わせたLEDやLEDの波長などをコントロールするためのAIやセンサー、これらを動かすための電力、プランターや水など、素人が考えただけですが、かなりの設備が必要になりそうです。
(ですが、基本的にこれらのコストは技術進歩で解決可能だと思います。AIに関しては、今かなりの資金が流れていて進化も早いですし、電力についても核融合の実現が時間の問題です。コストには人件費が含まれますが、ロボティクスが解決しそうですし、なので、何とかなりそうかな?)
2.電気の価格の影響
 垂直農法では、野菜の生育の管理をLEDやセンサーで行います。ロボティクスが導入されれば、ロボットも電気で動きます。しかも、24時間365日稼働する必要があります。そのため、電気代から大きく影響を受けます。
 現在、世界的な電力価格の高騰で垂直農法をやっている企業は事業や従業員数の縮小を行っています。
3.受粉が困難
 垂直農法のメリットとして、害虫の影響を受けないことを上げましたが、虫がいないということは受粉をしてくれる益虫もいないということです。そのため、人工授粉のシステムの構築にコストがかかります。
4.栽培できる野菜に制限がある
 現在、垂直農法で栽培されているのは葉物野菜ばかりです。小麦などの縦に生育する作物に関しては、効率的に積み上げることが難しくコストに見合わないです。

3.垂直農法の未来

 ここからは垂直農法の未来について、考察していきたいと思います。
 2.で垂直農法のメリット・デメリットについてまとめましたが、電力への依存はスマートグリットや核融合などその他のテクノロジーとの融合で解決可能です。プラントの建設コストに関しては、3Dプリンターが解決してくれるかもしれません。実際に、中国などでは大型の建築用3Dプリンターで建設が行われた事例があります。センサーなどの電気部品は生産コストが年々低下しているので、時間が解決してくれると思いたいです。また、人工授粉のシステムや背の高い作物の効率的な生産方法に関しては、研究が必要だと思います。(AIが何とかしてくれそうな気がします。)
 総合的に考えて、現時点で完全に従来の農業に代替することは難しいと思いますが、エネルギー産業や3Dプリンティング技術などの進歩によっては、10年以内には実現しそうです。(素人の予測です)
 また、アメリカでは2030年には垂直農法の市場規模が139億ドルに達すると予測されているようです。

まとめ

 今回は垂直農法についてまとめました。夢のある技術ですが、道のりはまだまだ残っていそうです。単体の技術として見ると、課題が多いですが、他の技術と融合すると一気に加速しそうです。

参考資料

1.Think and GrowRicci, Verical Farming(垂直農法)とは。垂直農法に期待されることとその課題。活用するためのポイントとは。2023/01/25

2.WIRED, 垂直農法で栽培された野菜が、わたしたちの食卓に並ばない理由, 2023.03.11

3.NEWSCAST, 垂直農法の市場規模は2030年に139億米ドルに達すると予測-最新予測, 2022-07-12

5.2030年すべてが「加速」する世界に備えよ NewsPicksPublishing

https://publishing.newspicks.com/books/9784910063133

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