驚愕!桃と生ハムの冷製パスタ。〜バルサミコ酢は添えない〜

こんばんは!
蝉が鳴き始め、猛湿度と猛暑が続きますが皆様いかがお過ごしでしょうか。

(一回消したけど別に恥ずかしくないので載せ直します。また消すかも)


さて、タイトルからして食レポのようにも見えますが、いつも通り日記です。

というか、前回書いた塩歯磨き粉の話に近いかもしれません。
私は自分の常識では考えられないものを知った時に、文章を書きたくなるんだなあと思います。
上手く喋れないので文章に起こす、寂しがりやさんです。

さあさあ、日傘が溶けるくらいバカ暑い日のおでかけ。夏はそうめんもいいですが、やはり外食だと冷製パスタが食べたくなりますよね。

家族がお夕飯を決めかねているさなか、その日の私も冷製パスタの気分でした。

いいえ。気分どころか、口も下も脳も冷製パスタに支配されていたのです。
それも両親に、
「あんた、顔に冷製パスタって書いてあるよ。」
と言われてしまうほどでした。
それから、
「しかも、髭文字のレタリングだよ。」
とも言われてしまいました。
お恥ずかしい限りです。

そんな私を見て、いい感じのレストランに入れてくれた両親の良心に、感謝。
こんなにいい感じなら、きっと冷製パスタがあるに違いない、と読んだのです。



店に入りました。
するとおや、なんだかすごく薄暗い。

キョロキョロしながら、いい感じのレストランってなんでどこも薄暗いんだろうとか思いながら席へと案内されます。
見たところ、やけにぶら下がった照明たちは本領発揮できていないようです。

席につき注文が済んでもやっぱり薄暗く、気づけば店内はアベックまみれでした。
あと店内に木が生えてました。

なんそなかばっ。

それに、やけに鏡が多い。

しまった背後を…!これじゃTwitter見てるのがバレバレじゃあないかと!
そこでスマホを閉じた私は、思考の末ひとつの事実に辿り着いたのです。

どこまでも薄暗い照明、店内に生えた木、ことごとく死角をなくし背後をとってくる鏡…
それらから導き出される答えはそう、ムードだ。と。
照明たちは本領発揮できていないなんてことはなく、能ある鷹は爪を隠すとでもいうかのように紛れもないムードを演出していたのです。

そんなことは置いといて

私はそう考えるよりも早く、もう一つの決断を下しています。

「『桃と生ハムの冷製パスタ〜バルサミコ酢を添えて』単品でお願いします。」


凛とした眼差しで注文をしました。
品名をフルで言ったら蛙化とか、言ってる場合じゃないんです。
人見知り的には、聞き取ってもらえなくてもう一度言う方が辛いんです。

「かしこまりました。注文は以上でよろしいでしょうか?」

注文できたー!

私相手に畏まってくれた店員さんに敬意を表し、去っていく彼女の背中が消えるまで見つめ続けました。

数十分後。

南ー!!!

あああまちがえた、

来たー!

待ちに待った冷製パスタが私たちの机にやってきました。ようこそ。

いざ、いただきます。

口に入れると、旬の桃の甘みとさっぱり感が舌に伝わり、硬めのパスタを噛めばよく絡まった冷たいソースの味がとっても………

よくわからない。

美味しい、美味しいはずなんだけど…
……よくわからない。

美味い不味いの土俵からは遠く離れた、理解できない味。

形容し難い感情に苛まれていると、ふと、別添えで運ばれてきたバルサミコ酢が目に入る。
彼の方も、「お、ッス。」とでも言いたげなとろみと色でこちらを見つめていた。


あー、あ〜ね。

そこで私は完全に理解したのです。
このパスタはきっと、さっきから目の端に映る彼、バルサミコ酢をかけて初めて完成するのだと。別添えなんて粋ですね。
そうと決まればこいつをかけないわけにはいきません。

ですが、注意深く己の経験不足を客観視できている私は、得体の知れないバルサミコ酢を突然かけるなんて愚かなことはしません。

17年間様々な失敗を繰り返してきましたが、それらは今日のためにあったようなものです。

思った通り私はバルサミコ酢が苦手でした。
即オチです。


かける前に手を止め、少し舐めた際脳天に突き上げた独特な風味、というかそれ以前に酸味。とにかく酸味。

私を絶望させるのには十分な出来事でした。

さあどうする。
バルサミコ酢と運んできた店員さんとバルサミコ酢農家の皆さんは申し訳ないが、残させていただくことにして、今後の人生の経験値にしよう。問題はパスタだ。
とはいえ食べられないわけではないのだから、わがまま言わずにこのまま食おうと腹を決める私の目に、オレンジの光が映った。

サラダについてたにんじんドレッシングだ!!

助けたおじいちゃんが志望する企業の社長だったくらいの神展開ですね!

息を呑み、パスタにかけます。
すると、なんと言うことでしょう。匠もびっくりのベストマッチだったのです。

桃のぼやっとした甘みを、にんじんとオイルの爽やかさが引き立たせつつ連れて行ってくれました。
ご馳走様でした。


めでたしめでたし。

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