前立腺がんだって。なんだよ、それ!#001
なんか最近おしっこが近いなぁ、ってかおしっこ我慢できないじゃん。
そういや「トイレ間にあわないぃ」って切迫、多すぎるぞ!どうしたんだ全く。
オシッコしたくて入ったトイレなのに大っきいホウが漏れそう。心配だから個室目指してトイレ探してるよなぁ、嫌だなぁ。
おぉ、無理だ、漏れる、ヤバい。
こんなことが頻度を増してきて、いよいよ日常生活に支障が出だした2022年12月末、ついに「泌尿器科」デビューを飾りました。
「症状を聞いてる限りでは前立腺肥大かな、とは思うんだけど・・午後からもう一度来れる?」
「?」
「ちょっと検査をしなきゃだけど、年内最後の診療で午前は予約でいっぱいなのね、だからご足労だけど。」
「あ、わかりました。」
「じゃあね、2時30分で。あ、それとおしっこ我慢して溜めて来てね。」
年の頃なら40代半ば、なかなかの美人女医はにっこりと微笑みました。
参ったなぁ、何されるんだろ?照れちゃうなぁ、ソワソワ。
とりあえず、一旦帰宅。ヒルナンデス観ながら親子丼とインスタント味噌汁で昼食。日本は今日も平和だ、一点の曇りもない。
2時10分。
ああぁ、無理だ。漏れる、ヤバいぃ!
決死の形相で前屈みになりながら医院に飛び込み、受付のお姉さんに訴えた。
「・・も、もう限界、です」
「あ、あ。えっと先生のご指示を・・」
「いやあのその、もうその、」
「おトイレ案内してあげて。一番の便器に気持ちよく排尿してくださいねぇ」
「はぁい、どうぞこちらです。」
わずか3mほどのトイレのドアが地球の裏側より遠い。パンツの上からチヂミアガッタイチモツを握りつぶしながら、一歩、また一歩・・
あぁ幸せだ、俺は世界一の果報者だ。遥かブエノスアイレスの人々も、きっと大きな声で快哉をあげてくれていることだろう。聞こえてるよ、サバンナ八木ちゃん!あ、アレはブラジルだっけ、善き哉善き哉。
「先ほどの排尿検査、気持ちよかったでしょう?我慢するのって苦しいですもんね。(にっこり)」
「はぁ(なんて当たり前のことを)」
「結論から述べますね。あんなに気持ちよかった排尿、計測値は約180cc。速度も遅い。その後のエコー検査で、膀胱に残っている尿の量は約200cc」
「!」
「つまり一回の排尿で半分くらいしか尿が出てないのね、かなり我慢してくれたから(苦笑)普段だったらもっと少なくなるわね、だからすぐに尿意を催す、と。それと」
(これはなんだかヤバそうだぞ)
「前立腺のこの部分ね、右側かな、ちょっと膨れてるでしょ。変形してるのね、肥大かもしれませんね。」
「と、言うと?」
「まだこれだけではなんとも言えません。だから血液検査に出して血中成分のチェックをしましょう」
「年始は6日からですし、検査結果も届いています。来れます?」
「わかりました、来ます。」
「じゃ9時に。それと、それまでのとりあえずのお薬出しておきます。採血はさっきの検査室で。お大事にね。」
どうなの俺?
まったく解ってないのに、わかりましたとか言って。しかも快活に。
ホント、どうなの俺?
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?