前立腺がんだって。なんだよ、それ!#003

うーん。

何十年ぶりかの大病院。

思えば大きい病気にも罹らず、ヒドイ事故にも会わず、こういうところに来るのはお見舞いぐらいしか記憶にない。
鉢植えはダメだよ、食べ物もどうかな?現金なんかもっての外だ!
デハナニヲオモチスレバ・・・

違う違う。オレはカンジャである。しかも素人の俺にはなかなかにショッキングな「疑い」を抱えて今日まで悶々としてきた。
なのにどういう訳か現実味が感じられない。親戚のジイさんの付き添いで朝早くからまぁ、ってかんじがする。本当にホントか、これ。


総合受付で紹介状を預ける。程なく診療科を案内される。キレイな病院だなぁ、やっぱりこういうトコロに気を回していかなきゃダメなんだろうな、この業界もカスタマーサティスファクションの実現なんだね、やれやれ。


待合スペースは見事におとうさん、お爺さん、お婆ちゃまで埋まっていた。いやぁ、はやってるね、なんだろうね。

名前を呼ばれる。看護師のお姉さんだ。血液採取と検尿とレントゲン撮影を指示され、診察券とペラッペラのファイルを手渡された、他には何も無い。なんとはなしに頼りない気分で券面の自分の名前を眺める。なるほどやはり本当のようだ、ちゃんと名前が合ってる(当たり前だ)。

昼時の定食屋がはだしで逃げ出しそうな採血採尿センターの混雑も、やはり高齢者。大変だね、こりゃ公的医療保険制度は崩壊だね。
うわっ、しまった!政治的な話をしてしまった・・政治と野球の話はしちゃ駄目だって、死んだ親父に事あるごとに・・


レントゲン。普通に大きく息を吸って、胸をパシャリ。次は台に寝っ転がって腰のあたりをパシャパシャリ!以上!

健康診断?

待合に戻ると、ほとんどの患者さんは消えていた。もう、2時間以上経ってるもんね。たいした検査じゃなかったのに、とにかく時間だけはたっぷり、美味しい浅漬ができちゃう。
なんだかなぁ、やれやれ。

突然のアナウンス


「くまさん、1診にお入りください」


来たな!(なにがだよ、バカ!)




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