学級経営② 予定変更を伝えるときの留意点

子どもたちに予定変更を伝えなければならないことは、よく起こります。ここで、気を付けないと子どもの小さな不信感や不満感が積もっていく原因になると思います。

そもそも、みなさんは子どもに予定をどのように伝えていますか?
・背面黒板に1週間~1ヶ月の行事予定を書く。
・学年だよりに行事予定を入れ、掲示する。
・カレンダーを掲示し、行事予定を書き込む。
・その日1日の時間割や行事予定、日課などを毎日ホワイトボード等に書き込み、掲示する。
・その日の朝の会で1日の流れを伝える。
・前日の帰りの会で明日の流れを伝える。
自分が実践していた、または実践している基本的なことはこのようなことでした。

心掛けとしては、「できるだけ早く伝える」ことと、「予定変更になる可能性を伝えておく」ことです。もちろん、早ければ早いほどよいといって、年度始めに1年間の行事予定を全部伝える、というわけではありません(笑)1ヶ月、1週間という見通しをもって生活できるように予め伝えておくということです。そして、予定変更になる可能性も伝えて起きます。例えば、「遠足の内容についての詳細な日程や活動は変わるかもしれません。未確定だよ。」「稲刈り体験の期日は、稲の生育の具合によって延期になるかもしれないよ。」という具合です。また、過去にもこういう理由で変更や延期、中止になってしまったことがあった、ということを伝えておくと、子どもにとってはより納得できると思います。

重要なのは、教師にとっては分かっていることも、子どもにとっては「初めての経験」であり、どんな理由で変更が起こりうるか見通しがもてていない、ということを教師が念頭に置いているかということだと思います。

事前に可能性を伝えておいても、変更しなければならない場面は必ず訪れます。子どもが不信感や不満感をもつのは、「教師の都合よく決めているとき」「説明が不足しているとき」「基準が不明瞭なとき」だと考えています。

「教師の都合で決めているとき」は、「今日は社会を進めたいから、体育の時間は社会をやりますね。」のように一方的に変更する場合です。

「説明が不足しているとき」は、「稲刈り体験は、農家の人の都合によって延期です。」のように、なぜか?が子どもにとって分からないままになってしまう場合です。

「基準が不明瞭なとき」は、例えば、雨天によって体育を中止しなければならないという場面で、子どもからしたら、「これくらいならできるよ!」という主張をする子は必ずいますよね(笑)そのときに、以前は同じくらいの雨が降っているときに、体育をしたことがあった場合などには、子どもにとっては「基準があやふやではないか!」となってしまうわけです。そのときに、例えば、「体育の授業前の休み時間が始まった時点で、雨が降っている場合には、その日の体育は中止にします。体育には着替えが必要なので、ギリギリまで待って、雨が上がったから急いで着替えて体育に行きましょう!とか、次の授業時間が始まったのに、雨が上がったから今から着替えて体育に行きましょう!というのでは結局、体育も代わりの授業も1時間で実施したい内容をきちんと終わらせることができません。だから、体育を中止にするときの基準を決めるのです。その代わり、できなかった体育は翌日以降に入れ替えて実施しますよ。」という判断の基準が示してあれば、子どもたちも自分で判断ができるようになります。

予定変更の際は、教師も焦っている場合もありますが、落ち着いて説明することで、子どもたちの納得感も高めていけると思います。みなさんが実践していることも、教えていただけるとうれしいです。