隠岐の島 生物遠征記
皆様こんにちは、久方ぶりの投稿です。
言い訳ですが嬉しいことに仕事がかなり忙しくなっており、投稿する暇がありませんw
投稿したい内容が何本もあるのですが断念している状況です。
そんな状況ですが、今回書かせていただくことは何としても投稿したい!
そんな内容です。
隠岐の島島後 生物遠征!
さてタイトルの通りですが9/15-18 3泊4日で日本海が誇る離島ジオパーク隠岐の島町へ行って参りました。目的は生き物探し、両生類爬虫類探しです!
隠岐の島って生き物何がいるんだ?という方が殆どだと思います。
隠岐の島固有種でそこそこ有名なのはオキノウサギ、オキタゴガエル、
オキサンショウウオです。まぁ有名といっても生き物好きの中ではという話ですがw。 そんな隠岐の島ですが実際他の離島と比べても生物に関する情報が極端に少ないです。 隠岐の島の生物に関する書籍は私が調べた限りではたったの2冊 『隠岐の動物』『隠岐生物』ぐらいです、発行も昭和の頃と非常に古い。
生き物遠征をする上で事前にその地域の生き物に関する情報を仕入れておくのは鉄則です。 書籍がないのであれば論文検索・・・ですがこちらも殆どヒットせず・・・ そうなると最終手段のネットの情報です。
今は個人が情報発信をできる時代なのでキーワード検索で「隠岐 生物 ○○(SNSの名称)」とか調べたら大体もの好きな人が書いている個人ブログに飛んでそこから情報収集することができます。ですがどうでしょう魚釣り関する記事ばかり 陸生の生物、ましてや両生類爬虫類なんぞ全く情報がありません。 これは困った(ネット上に生物の分布に関する情報が流れていないので良い事です)これはかなり難航する遠征になりそうだなとワクワクして遠征当日を迎えます。
始めていく場所なので少し高くなりますが慣れている自分の車を積んで船で行きました。 船中はずっと寝てたので特に書くことはありません。
遂に上陸 まずは腹ごしらえ
4時間くらい船に揺られてついに到着しました
正午を回っていたのでまずは腹ごしらえです。私は魚介が好きなのでこれもひそかな楽しみです
向かったのはお食事処味乃蔵頼んだのはおまかせ定食です
んーうまい! やっぱり日本海側の魚介は絶品ですね。
腹ごしらえが終わった後は隠岐ジオパークセンターにある隠岐自然館へ向かいました。 内容についてはあまり触れませんがここで隠岐の島の自然についての成り立ちや概要をおおかた把握することができます。オキノウサギの剥製やオキサンショウウオの生体展示もあり胸が高鳴ります。
入館料は大人500円 子供200円です。 満足度は非常に高いので絶対によるべきです。
生き物屋必見!宿はゲストハウス碧!
では情報収集も済んだところで早速宿へ向かいます。
チェックインを早めに済ませておかないと宿の人に迷惑になるので
今回選んだ宿は久見地域にあるゲストハウス碧です。
選んだ理由は島の中で一番安かった ただそれだけでした。
しかし泊まってみると好感度爆上がりです
理由としては
①シャワーが24時間使える
②今年から開業されたばかりでとても綺麗
③共用のキッチンがある
④フリードリンクが飲み放題(スティック珈琲)
⑤オーナーさんがメチャクチャいい人
この5つです。 生き物屋的には①③は特にうれしいのではないでしょうか
そして⑤にも書いてますがオーナーさんがメチャクチャいい人です。
一緒に釣りに連れて行ってもらったり、一緒にミニBBQをさせてもらったりと非常に楽しかったです。よる生き物探しに行くよりオーナーさんと話しているほうが楽しいでは?!というくらいです。
色々お世話になったお礼というほどではないですが一晩だけ一緒に生き物探しもしました♪ 隠岐の島へ遠征を考えてる生き物屋の方 宿はゲストハウス碧がおすすめです( ̄▽ ̄)。
いよいよ本題 隠岐の島の両生類爬虫類
さて長々とした前置きになってしまいましたがいよいよ本題の隠岐の島の両生類爬虫類についてです。 情報収集メインで書いている人からすれば、早よ書けという感じでしょうw
結果を先にお伝えします
観察できた種類は両生類4種(オキサンショウウオ・オキタゴガエ・ウシガエル・ニホンアマガエル) 爬虫類7種(アカミミガメ・ニホンヤモリ・シマヘビ・ヤマカガシ・マムシ・シロマダラ)でした。
地域の人に聞いた話だとアカハライモリ、ニホンイシガメはいるそうです。今回実はニホンイシガメ狙いだったのですが見れなくて残念です。ただ時期が悪いのもあるので時期を選べば見れると思います。
隠岐の島の両爬の特徴は何といってもニホンマムシの多さです。
私はまだ行ったことはないのですが対馬のツシママムシの密度にかなり近いと思います。 水のある場所だと大体8割くらいの確率でいます。
シマヘビとヤマカガシはロードキルで発見しました。 1個体ずつしか見ていないので何とも言えませんが本土と比べて相対的な大きさが小さい気がしました
川や水系の多さも隠岐の島の自然環境を表していると思います
オキサンショウウオは形態的特徴が特殊で流水性と止水性両方の特徴を兼ね備えています。自然環境の流れとしては 流水→止水→流水だそうです。
この環境の変化の繰り返しがオキタゴガエルやマムシの密度の高さに何か影響を与えている気がします。
景勝地も沢山
今回昼間はあまり生き物探しはしませんでした
初の隠岐の島だったので観光もそれなりにしました
隠岐の島はおもしろい
とまぁ生き物遠征に関してはこんな感じでした。
ここから自分のボヤキです
隠岐の島は半島の時代と離島の時代を繰り返しています。
隠岐の島が離島になったのはたった1万年前の出来事です。
同じ日本海側にある離島 佐渡島は約300万年ほど前に離島になったと言われています、そして佐渡島には隠岐の島よりも数多くの固有種が存在します
同じ気候帯、地理的条件なのにもかかわらず隠岐と佐渡には結構な違いがあります、これは何故でしょう。
私の考えは佐渡は隔離による進化の結果で隠岐はまだ進化の過程の途中、それもかなりの初期段階なんだと思います。生き物観察が目的であれば隔離の程度が高く固有種が多くいる島の方がいいですが、進化生物学的な視点でみるなら進化の程度が低く隔離して間もない島の方がこれから起こる進化の過程をリアルタイムで見ることができるので面白いのかもしれません。
また隠岐の島には他にも不思議なことがあります、それは植生についてです、例えばオオイワカガミのような高山の植物でも隠岐では普通に平地に生えていたりします。 気温差があるのであればまだ説明がつきますが隠岐と本土とではさほど気温差はありません。 いったいなぜこのような植生の違いが生まれるのでしょう不思議です。
とまぁ隠岐の島に目新しい固有種は少なく一般的なインパクトは薄いです
生き物屋も人も殆どが固有種見たさに琉球列島に行きます(僕もそうです)しかしそこで起きている事、現象に目を向けるとこんなにも面白い事はありません。 私も折角山陰地方に住んでいるのでこれから隠岐に通えるだけ通ってみようと思いました。
とても長くなりました、ここまでのご拝読ありがとうございました。
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