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【読書記録】京大おどろきのウイルス学講義

今回読んだ本はウイルス学に関する書籍です。
皆さんはウイルスと聞いてどういったものを思い浮かべますか?
大半の方は4年ほど前に世間を賑わした新型コロナウイルスcovid-19ではないでしょうか。
ウイルス=病気 こういいた考えをする方が殆どだと思います。私もそうです。 ですが本当にそうでしょうか?
私はこの本を読み終えてウイルスといものの見方が180°変わりました。
なんとウイルスがないと私たちは今この世に存在していないかもしれません。

選択と集中のウイルス学

ウイルスといえば感染症みたいなイメージ、これは多くのかたが持たれていると思います。世間を賑わせたコロナウイルスは突如現れた驚異の感染力をもつウイルス 本当にそうでしょうか?
実はウイルスというのは毎年5-6種類ほど新しいものが生まれているとされています、そして殆どのものは人間の免疫によって感染はすれど大事には至らないことが多いです、ですが中にはたまたま強い感染規模を持つものが現れます、それが今回のような新型コロナウイルスというわけです。
しかし近年のウイルスによる感染症は広まりやすくなっています。
その理由は1都市化 2交通の発達 3戦争 の3つです。
とまぁとにかくウイルス自体は毎年バンバン増えています。
ですがウイルス学に関する研究に予算がおりる基準的なのは医学貢献しているかどうかで判断されます。今はまだ流行っていないウイルスでもちょっとした変異によって人に甚大な影響を及ぼすウイルスになる可能性があります。なので今の時点で人に影響のあるなしに関わらず現在確認することができているウイルスに関して調べておくことは感染症予防やその対策としても重要な意味があります。 しかし一般論としては目先の成果として評価されにくいものにお金は出さない風潮です。終わってますね。
まさに選択と集中の学問です。

ウイルスの作用

簡単にウイルスの作用についておさらいします。
ウイルスは核DNAのみ、もしくはそれを包んだエンベロープを持った構造となっております、DNA転写翻訳を得てタンパク質を作ります。タンパク質を作る器官はリボソームです。ですがウイルスにはリボソームがなくタンパク質を合成(自己複製)することができません。 ではどうするのか?というとたの生物の細胞に入り込みそこのリボソームを借りてタンパク質を合成します。
これがウイルスの一般的な働きです。この働き全体をセントラルドグマといいます。

DNAを書き換える 驚異のレトロウイルス

レトロウイルスはセントラルドグマと逆の流れをします
つまりRNAからDNAを作るというわけです。
自分のDNAを細胞内の核の中にあるDNAにつなげてしましまいます。
レトロウイルスには2つ種類があります
・内在性レトロウイルス
レトロウイルスに感染した生殖細胞から生まれた個体はどこをとってもレトロウイルス由来の配列をもつ
・外在性レトロウイルス
レトロウイルスに感染したことによりレトロウイルス由来の配列をもつ
です。 いやーDNAを書き換えてくるなんて恐ろしいですね。
ちなみにヒトゲノムの9%はレトロウイルス由来だそうです。

実は進化の立役者?レトロウイルス

レトロウイルスに感染するとDNA配列がかわる、つまり合成されるタンパク質が変わるということです。これはつまりその個体の形質を変化させているということです。突然変異というのはこうやっておきているのかも知れないですね。 読んでいて思わず「お~」と声が出ました。
また哺乳類の最大の特徴ともいうべき胎盤の形成にもレトロウイルスが一役勝っていることがわかりました。

人類が滅びる

この本の著者は人類は滅びる可能性が高いと考えています。
人類が生まれたのは1300万年ほど前です。
地球の歴史でみると本のちっぽけな時間です、その時間にたまたま大きな自然災害が来ていないに過ぎません。
すでに先進国の生殖率が下がっていることや人の精子の数が減っていることからもしかしたらすでに絶滅のスイッチが入っているのかも知れません。
ですが地球環境の変化に会わせて生物とウイルスは共進化を繰り返してきました、私たち生物は環境が激変したとき適応進化のスイッチがはいる仕組みが備わっている可能性があります。

感想

正直この本を読んで6割ほどしか理解できませんでした、理由は単純で自分がまだ高校生物の内容を正しく理解できてないからです、いろんな本を読みますが解像度は全て高校生物に帰結しています、もう一度勉強し直します。最後にウイルスは悪者ではないということがよくわかりました。
生物のなぞを解き明かすときはウイルスのようなミクロの視点もとても重要だなと感じました。



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