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第67話 エイトウーマン写真展2023⑨〜ミステリアスな凪ひかるがエイトウーマンへの想いを語る〜


9日目


 「西田さんにワイン持ってくる約束したんだ」
在廊する『凪ひかるさん』はおしゃれなワインとハムやチーズを買ってやってきた。

凪ひかるさんからのおしゃれな差し入れ

エイトウーマンに震えたからエイトマンに来た

 この日はひかるさんに<エイトウーマンへの想い>を語ってもらった。ミステリアスな彼女が、一体何を思っているのか知りたかった。

「まず週刊誌で1回目のエイトウーマン見たの。美しさにびっくりした。その時所属してた事務所の前に、ちょっとだけエイトマンにいたから、すごく興味持ったし私もこれやりたいと思った」

そう思ったひかるさんは当時所属してた事務所に、「エイトマンみたいのやりたい」と言ったらしい。すると「それはできない」と言われたそうだ。

「そもそもなんでその週刊誌買ったん?」
社長は聞いた。

「普段から週刊誌買ってる。グラビア見るために」
彼女はエイトウーマンのデジタル写真集も3年分、全て買っているとのことだった。

「買わない意味がわからないけどね。感動したものにはお金を払いたいもん」
きちんと対価を払う。潔いかっこいい姿勢だな。

こんな無邪気な表情もする凪ひかるさん

 その時、誰かと電話をしていた社長は私たちに言った。
「篠山紀信さん、写真展に来る日にちまで決めてくれてんて。でも都合悪くなったから日にち再調整しますって電話やった」
西田さんのカメラの師匠の師匠『篠山紀信さん』からの電話だった。

口だけでなくきちんと行動する凪ひかるさん

 話はひかるさんに戻る。

 ひかるさんがエイトマンに移籍した(戻った)のが、ちょうど2回目のエイトウーマンの撮影をしている頃だった。
「あと1、2ヶ月戻るのが早かったらエイトウーマンに参加できたかもしれないんだけど、間に合わなかった。だから悔しかった」

 ひかるさんはとりあえず写真展を見に来た。そして葵つかささんの写真を数点購入した。私は受付でレジ対応したのを覚えている。

「あの時、葵つかささんの写真を買いましたよね。やっぱりつかささんが好きだから買ったんですか?」
「うん。つかささんが好きな気持ちと、来年のエイトウーマンの費用の足しになればいいなと思って買った」

 ひかるさんは「来年のエイトウーマンに参加したい」と口で言うだけでなはかった。参加できるように、そもそもちゃんと開催されるように『写真を買う』という行動で貢献したのだ。
 そして3回目の写真展が開催され、ひかるさんはエイトウーマンに参加した。

「エイトウーマンに参加できて、どんな気持ちでした?ドキュメント動画では『緊張した』って言ってたけど」
「撮影に緊張したと言うよりは、周囲に緊張した」
この言葉は意外だった。圧倒的な顔や体の美しさを持つひかるさんも周囲に緊張するのかと。

「自分に自信があるから緊張しないってのも、ちょっと違うと思う。緊張する方が新鮮な気持ちを保ってられると思うし。
 あと、やっぱりエイトウーマンを初めて週刊誌で見た時に震えたから、自分はやっとそれに出られるんだと思って、撮影中震えてたと思う。それはネガティブな震えじゃなくて、胸の高鳴りみたいな震え」

 ひかるさんの言葉にシビれた。自分の考えをここまでしっかり言葉にできる彼女は頭のいい人だと思う。きちんと『己』を持っていて、それを明確に言葉にできる。だから堂々としていられるのだろう。自分に迷いがないから。

己があるから堂々とできる凪ひかるさん

凪ひかるさんに私の競争心を見抜かれる

 「ドキュメント動画の話で言うと、ひかるさんだけ『競争心を持って撮影に挑んでる』みたいなことを言っていたのが印象に残ってるんだけど、エイトウーマンに対してライバル心はある?」

「ある。それが1ミリもない女優さんは1人もいないと思う。でも、ないフリできるのもすごいと思う。私は昔から競争のことを考えてしまうから。みんなで和気あいあい仲良くって考えになったことないから」

 何だろう。私はこれを聞いて嬉しかった。なぜ嬉しかったのかはひかるさんが聞き出してくれた。

「かんなちゃんもそんな感じじゃない?そうすごく感じるわ」

 これが答えだ。なぜ嬉しかったのか。ひかるさんが私の思いを代弁してくれたことで、『仲間見つけた!』と思ったのだ。だから私は普段人には言えていない、でも普段から思っていることを言うことができた。突然タメ口になって。

「私な『尊敬してる』って人に言われへんねん。言いたくないねん。それを言ってしまった時点で、自分の負けを認めてしまっていると思うから。ただそう思う自分は器が小さいなとも思うねん」

「わかるよ。自分が下になった感じがするよね。でもそんな自分は心狭いかなとも思う。言える人はすごいと思うけど、思ってなくても言える人はいるじゃん。私も思ってても言いたくない。まあ西田さんレベルの人には言えるけど」

 私が思ってることの続きまで、またもやひかるさんが代弁してくれた。『戦友見つけた!』って勝手に思ったね。心の中ではひかるさんと熱く堅い握手をしていたよ。

『戦友見つけた!』神乳Jカップにハイタッチ

「今年でエイトウーマン終わりだけど、どんな思い?」
「悲しいよ。だって私1回しか参加できてないから。自業自得だけどね」

それを聞いていた西田さんが言った。
「凪ちゃんがこれに出るためにエイトマンきたって聞いていたから、それなら何とか続けないと思って、3年間踏ん張りましたよ」

「西田さん、またやってほしいから、長生きしてね」
ひかるさんがそう言って、西田さんは「ほんとだねー」と笑っていた。

凪ひかるさんと話して思い出した旧友のこと

 彼女と話をしていて、高校の頃に仲が良かった友人を思い出した。彼女とは同じ陸上部で同じ理系。部活も勉強も共に頑張る「戦友」のような存在だった。
 恋バナをしたり高校生らしい性の話をして、一番盛り上がるのも彼女だった。彼女にはいつも鼓舞されたし、彼女と話しているのはとても楽しかった。

 私は勉強の成績が下がり始めた時期があった。そのことを彼女に言うと、
「でもさ、原因分かってるやん。勉強量足らんだけやろ。かんなちゃん、彼氏できてから明らかに浮かれてるで」
そうズバッと言われたことを覚えている。真正面から正論でぶつかってくれる子だった。

 そしてそんな彼女は人のために怒れる人でもあった。
「かんなちゃんが〇〇ちゃんに『頑張ってるのに結果が出なくて運悪いよな』って言われてたやん。あれ、腹立てへんの?私むっちゃ腹たったわ。なんかバカにされてるくない?されてるで!あんなんに負けてほしくないわ」

 大人になって彼女とは疎遠になったが、私がAV女優になると決めた時に、たまたま彼女から連絡があった。「薬剤師やめて、オーストラリアにワーキングホリデー行ってくるわ」という連絡だった。

 私も「AV女優なるねん」と彼女に打ち明けた。
「マジで!?でもいいやん、かんなちゃんらしいわ。やりたいことやろうや」
そう言って笑ってくれた。

「AV女優とか職業云々は関係ない。自分がやりたいと思ったことをできている。それなら何も言うことはない」
彼女はそんな様子だった。

「大学生好きなんだよね」凪ひかるさんのお茶目さ

 「ひかるさんの写真集、大学生たちがブワーって買ってくれましたよ。あとでサインしてください」
山中さんが声をかけにきた。青山学院大学のお笑いサークルの人たちだった。彼らのおかげでひかるさんの写真集『凪』は完売した。

 彼女がサインをするとき、青学の彼らはひかるさんと目を合わせることもできない様子だった。

「みんな私の写真集買ってくれたってことは、おっぱいフェチなの?」
大学生たちはザワっとしていた。「おっぱいフェチなの?」と言っちゃうひかるさんが、またたまらなく良い。

写真集買ってくれた大学生たちにサイン

 ひかるさんが大学生の1人にピースをした時は、
「え、ピースした」「かわいい」「ピースした・・・」
と大学生たちがまたもやザワついていた。
その様子を見ていた私は笑いをこらえるのが必死だった。

 社長も私の横でその様子を楽しそうに見ていた。
「そういえば。今日の朝『小野夕子ちゃん』が写真展を見にきてくれてん。この3年間で初めて来てくれた。嬉しかったわ」
社長はボソリと呟いていた。

 控室に戻って、大学生たちの写真を見ながらひかるさんが言った。
「可愛い子いないかな。私、大学生とかの若い子好きなんだよね。経験少ない子って自分色に染められるじゃん」
それを聞いて私は大笑いした。

青山学院大学『ナショグル』の皆さん
ありがとうございました!

 クレオパトラのような綺麗な顔、女王様のように堂々とした態度。高圧的でキツい性格だと誤解されることも多いそうだ。しかし彼女は決してそんなことはなかった。
 ここには書けていない彼女の逸話はまだまだあるが、『義理と人情』その言葉が彼女にはぴったりだと思う。エイトマンの<女番長>だ。

 そしてユーモアもお茶目さもあって・・・。ひかるさん好きやな。

非常に深い魅力を持った『凪ひかる』!


サポートは私の励みになり、自信になります。 もっといっぱい頑張っちゃうカンナ😙❤️